「教授の絶望」グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち Mさんの映画レビュー(感想・評価)
教授の絶望
だいたい、数学者という人達は世界で最も頭のよい集団の1つだ。その中でもフィールズ賞をとる人なんて、毎年受賞者がいるノーベル賞とは比べ物にならないくらいの地球上での最高の頭脳の1人だ。その彼が(というかその彼だからこそわかる)我と彼の才能の差に気づいた時の彼の絶望感は察するに余りある。
(映画の中でのマット・デイモンはそこまでの天才には見えなかったのは少し残念)
フィールズ賞受賞者の広中平祐さんが、一般の人向けの講演で、「自分は頭が悪かったから、知識と経験と努力でそれを補った」と言っていた。謙遜とかではなく、真に広中さんが感じたことなのだろう。(実際に、彼が受賞したのは、ギリギリの39歳だし、本音なのだろうと思う)
ただ彼の言葉に悲壮感はなく、(もちろん時間が解決してくれた面も多少はあるのかもしれないが)、この映画の教授の姿とは随分差を感じた。
広中さんは、私たち普通の人間とは脳みその仕組みの違う生き物と言ってよい存在である。その天才達の中でも、才能の差というのはあるというのが、おもしろい。
数学者の人達はこの映画を見て、どんなことを感じるのだろう。
コメントする