「ベッカム+ジタン=ベタ」GOAL! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ベッカム+ジタン=ベタ
特筆すべきことがないくらいに安心して観ていられるストーリー。サンティアゴに次々と襲いかかる苦難!といっても、慣れないぬかるみ、吸入器を壊された、スキャンダル写真等々のすぐにでも解決できそうな困難だ。だけど、ホントに大事なことは“パスをしなかったこと”“周りが見えないこと”だったんじゃないでしょうか。
「夢をあきらめない」などといったキャッチコピーもあるようですが、チームメイトのジェイミーのように夢半ばにして挫折する若者の姿も忘れられません。CMを見ていると「夢ってかなうもんなんですね」などとオバカな発言をする人もいましたけど、彼は映画のどこを見ていたのかわかりません。そりゃ若いうちは夢を追い求める姿も素敵でしょうけど、「一流企業に入社したい」という夢を追い続け40超えても未だにフリーターをやってる人もいるんですから、普通はどこかで見極めることが必要かと思います。今後は、「君には才能がある!」と説得されて実は詐欺師に騙されただけだったいう経験をする若者が増える可能性も否定できません。
一流だけど女たらしのダメ選手ガバンとサンティアゴが仲良くなるという設定は面白かったのですが、もっと重要人物だと思っていたグレンはその間何をしていたのでしょう。修理工という地道な仕事をやっているだけあって、偶然見つけた逸材であっても彼の夢も膨らんだはずだし、もっとクローズアップされてもいいはず。3部作の1作目にしては、ダイジェスト版っぽい人間関係しか描いてなかったところに映画の作り方としては未熟であるように思えてしまいました。
それでも続編には期待。予告編でチラリと映ったゲイシーンがガバンとサンティエゴだったのかどうか気になるところです・・・(完全な見間違いかもしれません)
〈2006年6月映画館にて〉