「夢のよう!何度観ても最高、傷ついてもまたぼくらは恋をする」エターナル・サンシャイン とぽとぽ2(仮)@元アカウント入れるようになるまでさんの映画レビュー(感想・評価)
夢のよう!何度観ても最高、傷ついてもまたぼくらは恋をする
傍から見ても合わない二人。最初の掛け布団を蹴る仕草から子ども(駄々っ子)みたいな振る舞いで、(作中2度出てくる)"死んだふり"もまたその表象としての幼児性や無邪気・純粋さ。一方で、ラクーナ側が体現する片想い・叶わぬ恋。最高にロマンチックだけど、痛々しいほどリアルで切実な想いが刻まれている、複雑な人間関係に温かな眼差しを向けた傑作。
周囲を巻き込むほどのエネルギッシュに感情(直情)的・衝動的なエキセントリックガールと、無口で「僕なんか…」控えめタイプの主人公ジョエル・バリッシュ。大好きなジム・キャリーによる作品の雰囲気を形作る憂いを帯びたようなドラメディ名演に、これまた映画史に残る名キャラクターであるクレメンタインをノリノリに好演するケイト・ウィンスレット。一見対照的な愛さずにいられないキャラクターを演じる2人の素晴らしさがとにかく最高で、他のキャストも適材適所に魅力的。
たどる道程もリアル。諍い絶えず喧嘩別れするまでの直近の記憶が破局当時は思い出されるけど、徐々に幸せだった頃の記憶へと遡っていく…。直線的でなくスポットスポットで逆方向に遡っていく脚本や編集と、夢見る感覚を観客に思い起こさせ追体験させるように視覚化する映像マジック。チャーリー・カウフマンとミシェル・ゴンドリー、2人の天才が組んだ幸福な組み合わせは、この上なく映画の魔法を体現している。
出会いと別れ、そしてまた出逢う。たとえどれだけ傷ついても人は人と関わらなければ生きていけない生き物で、それでも歩み続けるぼくらへの人生讃歌のように響く極上の一本は、哲学的な域にまで達していて奥深く、実に味わい深い。そして、何度観ても刺さり、揺さぶられてしまうかけがえのないひとときだ。本当に好きで好きでたまらない。
窮屈に感じて退屈するようになる。
いいよ。
P.S. 分厚いアウターケース付きのDVDも持っているくらい、人生トップレベルに本当の本当に好きで自分にとって特別な作品だから、映画館で観られてよかった。ただ、隣の席の人が入場特典カードをファサファサと手遊びしていてスーパーウルトラ言いたくなったけど、今回はグッと我慢してみた。その結果、我慢のしすぎは健康に良くないと実感した。
