「悪魔の証明ができるか?」エミリー・ローズ かずぼんさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔の証明ができるか?
本作は実際にあったアンネリーゼ・ミシェル事件を基に書かれた法廷ミステリーである。
ジャンル的にはホラーではあるが、ホラー要素は少な目で、大部分は法廷部分つまり悪魔の証明に挑むシーンで構成されている。
悪魔の証明とは実体がないものをどうやって無いと証明するか、その困難さの例えとして使用される。
本作はまさにそこに挑戦した弁護士の奮闘劇であるわけだが、悪魔祓いの映画は数あれど、事後を描いた作品はそう多くない。
似たような感じだと死霊館~悪魔のせいなら無罪~があるが、あれもどちらかというとホラーに重きを置いている作品だった。
無いものの証明であるとコメディだがステキな金縛りがテーマとしては近しいか。
亡き西田敏行さんの演技が光る作品だったな。
まぁそんなことはさておき、実際の法廷劇を描くのであれば余計な脚色などしなければいいのに、盛り上がりに欠けると思ったのか、ちょいちょい「匂わせ」をしてくる。
しかしそれが結末に結びつかず非常にモヤっとした。
良いのはエミリー役のジェニファー・カーペンターさんと、弁護士役のローラ・ニリーさんが美しくも迫真に迫る演技が良かった。
映画としては面白いと思えたが、若干消化不良の点もあったのでこの点数。
色々と惜しい作品ではある。
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