プラダを着た悪魔のレビュー・感想・評価
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主人公の成長が描かれている映画です。
思いはあるが周囲に関心がなく、ただ努力するだけの主人公が、様々な人との出会い、経験をする中で、成長していくストーリーです。
後半部分で、「え?」と感じる場面もありますが、細かい部分は抜きにして、映画としてはハッピーエンドです。
浅い
一応、軽く楽しく見られる作品ではある。
しかし主役二人以外の人物描写が浅い。無職だった主人公が超ブラックな職場で頑張っているのに、「お前は変わってしまった」と全く無理解な態度を示す彼氏や友人たちに苛立ちを覚える。
またメリル・ストリープ演じる鬼上司は、その理不尽な仕事っぷりにあまり哲学を感じられず、しまいには「私の子どものために、まだ発売してないハリーポッターの新刊を持って来い」などという完全に嫌がらせのような指示を与えたりする。
そして主人公もなんだかんだ言いつつそんな職場にたった半年程度で順応して、上司から一目置かれるほどの存在になってしまう。なのに最後は仕事漬けだった自分に目覚めて、上司からの携帯電話を噴水にポイッと捨ててしまう。いや、確かにスカッとはするけど、冷静に考えたら社会人として相当無責任な話。
……といった細かいこと考えずにアン・ハサウェイの表情豊かなかわいさを見てるだけなら面白いと思う。ファッション業界の裏側を描いた作品などではないのでくれぐれも注意。
ヒューマンドラマの要素も見逃せない
<映画のことば>
いつもは、もっと違うタイプの子を雇うの。
オシャレで、細身の子。
うちの雑誌の崇拝者たち。
でも、失望させられることがあるわ。
だから、あなたの素晴らしい履歴書と、立派なスピーチを聴いて「この子は違う」と思ったのよ。
自分に言ったのよ。「リスクを承知で雇うんだ。利口な太った子を。」と。
期待したのよ。
望みを託したのに、失望させられたわ。
他のどんなバガな子たちよりも。
以上よ。
鬼編集長の「鬼」ぶりは、流行の変化か激しいファッション業界をリードする立場にあって、片時も気を抜くことができない…その重圧から来ていたのではないでしょうか。
夫との離婚問題を心中に抱えながらも(しかも、二度目の離婚?)。
反面、その一見するとパワハラぶりは、アンディに対する期待でもあったのだろうと思います。
無茶であることは内心では百も承知、二百も合点の上ではあっても、自分の要求に応えてもらえなかったことに満足はしていないミランダのセリフとして出てくる上記の映画のことばは、たぶん、おそらく…というか、ほぼ確実に、アンディに奮起を促す「励まし」のことばだったのだと、評論子は受け取りました。
言い回しとしては辛辣でも、ミランダの本心としては。正(まさ)しく、あたかも、ライオンがわが子を千尋(せんじん)の谷底に突き落としその練獄から這い上がって来ることを期待すると言われるように。
(そのことは、アンディが、彼女の希望だったマスコミ業界=新聞社への転職について、ミランダが元ボスとして、好評価の推薦状を書いていたということからも明らかだったと思います。)
そういう点からいえば、本作も(ファッション業界の)「人と人との関係を描いた一本」ということでは、それなりのヒューマンドラマとして位置づけても、まるきりの的外れということではなかったかと思います。
そういう要素も加味すると、なかなかの佳作ではあったと思います。
評論子は。
(追記)
ミランダのきれいな銀髪と、艶(つや)やかなアンディの黒髪-。
それは二人の女性の年代の差を、はっきりと象徴していたのではないでしょうか。
専門雑誌の編集を通じ、いかにファッション業界を切り開き、牽引してきたとはいえ、ミランダはすでに「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」ということが、そうは遠くない世代。
引き換えて、もちろんアンディは、これからの世代。
その二人の女性の決定的な違いを象徴していたのが、二人の髪の毛の色ではなかったでしょうか。
そう思いました。評論子は。
(追記)
それにしても…。
ブランドものの洋服って、やっぱり洗練された艶(あで)やかさとでも形容すべきなのか、独特の「見栄え」は、するものなのですね。
いつも「着たきり雀」のファッションで過ごしている評論子には、とんと無縁の世界ですけれども。
一流ファッションのブランドを題名に冠した作品だけあって、ブランドもののファッションが、惜しげもなく登場するようです(前記のとおり、その方面にはまったく疎(うと)い評論子には、すでに、その程度の認識。)
女性は、身につける服装でもテンションが上がったりするのでしょうか。
華のないことを言ってしまえば、もちろんメーカーからの貸与品なのでしようけれども。製作側にも「予算」という限りがあることでしょうから。
しかし、ブランドものの洋服が惜しげもなく登場するという点ては、ブランド好きの向きには、垂涎(すいぜん)の一本だったこととも思います。
(追記)
にしても…。
さすがは女優さんですねぇ。
ブランドものの洋服を颯爽と着こなしている様子は。
アン・ハサウェイにしても、メリル・ストリープにしても。
「目の保養」というのは、こういうことを指して言うのかも知れません。
(追記)
迫力がありましたねぇ、メリル・ストリープの「鬼編集長」。
いやはや、すでに堂に入っている彼女の演技には、いまさらですけれども。
その存在感には、終始、圧倒されます。
そして、アンディ自身の希望もあり、必ずしも「同じくファッション業界で」ということではなかったのですけれども、「自分の決断」でわが道を選びとっていったアンディの成長を喜んだのは、他でもない、ミランダその人であったことは、疑う余地もありません。
何を隠そう、別作品『クレイマー、クレイマー』のジョアンナで見かけてから、すっかり恋をしてしまい、自他ともに許すメリル・ストリープの「追いかけ」である評論子としても、老獪(ろうかい)な年配編集長という役回りの彼女には、また彼女の新たな一面を感じたようにも思います。
もっともっと、見てみたいものです。他の彼女の出演作品も。
(追記)
ともすると、日本でいう就職は、文字通りに「職に就く」ということではなく、希望する会社に入社すること(就社)であるとも言われますけれども。
しかし、本作では、ジョブ型雇用と転職によるステップアップというアメリカでの就労形態が明確に描かれ、彼我の雇用形態を比較するにも、良い作品で、その意味では「cinema de 労働契約法」ということでは、優れた一本でもあったと思います。
<映画のことば>
君が働く雑誌は、世界中の偉人を掲載した。
彼らが創造したものは、美術品よりも偉大だ。日々、身に纏(まと)うから。
これは、ただの雑誌ではない。
輝かしい希望の光だ。
多くの伝説的な人物が歩いた建物にも、君は無関心。ここで働けるなら、多くの者は、命も捧げる。
甘ったれるな。
プラダを着た悪魔
似たもの同士
仕事に対する情熱、誇り、姿勢を学ぶことができる素敵な映画
上司との人間関係や仕事の苦悩などの葛藤もありながらも挑戦を繰り返し、
恋愛もファッションも人間関係も全てにおいてストーリーの中で磨かれ、
綺麗で華やかで美しいな女性に成長していく主人公がカッコいい!
特に仕事に真摯に打ち込む姿勢がとても素敵だと感じました。
いざという時に私はどのような選択を取るべきなのか。
私にとって本当に大事なものは何か。
どのような人生を求めているのか。
私自身も考えさせられる映画でした。
成り上がっていく過程でチャンスを掴み取ることや
成功する基準に食らいつくことは必要不可欠だと考えているため
自分を投影しながら映画を見ると、最後のシーンには少し違和感を感じましたが、、、。
総じてとても素敵な映画だと思います。
是非、多くの方に見ていただきたいです。
何度観ても素敵です
目が楽しかったので
悪魔との契約
旧作なのにネットフリックスの映画ランキングに入っていたので見た。
ジャーナリスト志望だったアンディ(ハサウェイ)がファッション雑誌“ランウェイ”のアシスタントとして雇われ編集長ミランダ(ストリープ)からさんざんな扱いをうけることと並行して恋愛面で気移りがあったりの所謂トレンディドラマが展開する。
すでにひと昔で、まだスマホがない。横柄さにも容赦がない。悪魔とは言えどもハラスメントに介意するこんにち的には上役の傲慢を描くならもっと釈明をつけるだろうと思う。
典型的なロマンチックコメディで、アンハサウェイ&メリルストリープとファッション業界が組み合わさりキラキラした絵になっていたが個人的には彼女らが何をしているのかさっぱりわからなかった。笑
劇中ミランダがファッションのトリクルダウン効果の説明をする長いセリフがある。このシーンは「セルリアンセーターのスピーチ」と呼ばれ映画の白眉に位置づけられている──とwikipediaのThe Devil Wears Prada (film)に書かれていたが、ミランダのセリフからは言いたいことがわかりにくかった。ただしトリクルダウン効果の説明を見てセリフの意味がわかった。
『それは、ファッションは社会の上流階級から下層階級へと垂直に流れ、それぞれの社会階級はより高い社会階級から影響を受けるというものである。この拡散のダイナミズムを後押しするのは、相反する二つの原理である。下位の社会集団は、上位の社会集団のファッションを模倣して取り入れることで新しい地位を確立しようとし、上位の社会集団は、自分たちを差別化するために新しいファッションを取り入れることでそれに応えようとする。このことが無限の変化のサイクルを引き起こし、絶え間ない革新のプロセスの中でファッションを前進させるのである。
このようなダイナミズムのため、当初は、ある製品は非常に高価で、裕福な人しか買えないかもしれない。しかし時間の経過とともに、一般大衆が購入できるほど安価になるまで、価格は下がっていく。』
(wikipedia、Trickle-down effectより)
なるほど!
ミランダはアンディの着たダサいセルリアン(そら色)のセーターを見て、ファッションとは無関係と思っているセーターがじっさいにはモードの中心地からでてきたものであること(トリクルダウン効果)を説き明かし、ファッション業界を軽視するアンディを諫めたのだった。
しかし思うにトリクルダウン効果やファッション業界における原動力は「蔑視」である。
いみじくも『下位の社会集団は、上位の社会集団のファッションを模倣して取り入れることで新しい地位を確立しようとし、上位の社会集団は、自分たちを差別化するために新しいファッションを取り入れることでそれに応えようとする。』とある通り、服装(見た目)から上位や下位を判じたり、差別化のためにファッションに執心するのはそれによって値踏みされるからに他ならない。
着衣で判断する業界の上役が傲慢なのも合理であり、すなわちプラダを着た悪魔はファッションにたずさわる人間の選民意識が表徴されている──と思えるところがあった。
結局、悪魔とはミランダに対する悪言ではなく、むしろ弁護になっていて、尊大さを決して悪びれないミランダを悪魔だから当然──と開き直らせている。
パワハラとしてカウントされる言動を悪魔だからと弁解した映画だったように思うが、アンディがミランダに魂を売ってしまわなかった(悪魔になりきれなかった)ことが道徳的判断になってタイトルがさらに生きた。
エミリーブラントがいい。
ブラントの来歴を見ると世界的ブレイクのきっかけがプラダを着た悪魔──となっていて、シーンスティーラーと目されたばかりでなく、ストリープは撮影後にブラントを「おそらくこれまで一緒に仕事をした中で最高の若手女優」と評したそうだ。
確かに顧みるとアンハサウェイはわりあいどこでも同じアンハサウェイだがエミリーブラントはいつもちがうエミリーブラントである。いずれも本作より後だが器用さを見込まれFull Metal BitchにもFBI捜査官にもメリーポピンズにもなれる。ここでもぴったりな先輩らしさでアイシャドウ同様に濃い印象だった。
imdb6.9、RottenTomatoes75%と76%。
ビジネスとロマンス
◇女の職場でのサバイバルメソッド
完璧主義者が率いる職場、張り詰めた空気、多様な重いストレスが次々と生まれ出て、視界のやや上から大きな暗雲が静かに垂れ込めるようにどんよりと伸し掛かってきます。ましてや、その統率者が威圧的で、尚且つ気分屋気質の女性であったりすれば、もはや悲劇の舞台設定は充分過ぎて、職場では呼吸さえ儘ならない事になるでしょう。
舞台となるファッション業界の構成要素は何でしょうか?感性、センス、トレンドなどもっともらしい記号を用いて装飾されたもの。一方で、スペックの違いとか技術力の差など、客観的に優劣を数値化出来ない究極相対主義の世界。突き詰めて言えば、勝者とはどれだけ「言い切れるか」という価値観、ブランドという信仰的なものの上に成り立つ砂上の楼閣。ハッタリ上等な危ういヒエラルキーです。
そんな不安定な人間模様、ピリピリと張り詰めた空気などを、小気味良いテンポで描き出される業界背景。過度に誇張された悪魔👿が物語を支配しています。アナ・ウィンター #AnnaWintour という実在する人物、アメリカ版『ヴォーグ』の編集長をモデルにしているようです。
悪魔に対抗する手段はシンパシー、悪魔を哀れむ歌です。恐れを同情に変えて取り入っていく手段。やがて年齢差こそあれども女同士の友情さえ生まれていきます。専制君主が支配する環境でのサバイバルメソッドを興味深く体験できる楽しい物語でした。
評判の映画だけある!
繰り返しみたくなる!
普遍的な出会いと別れ。
41歳のオジサンで(なぜ今更見たんだろう)出てる人達が着てる服装なんかビタイチわかりませんでしたがしっかり楽しめて後味の良い作品。
アンディとミランダは要するに2人とも真面目なのだ。仕事に一生懸命で、夢中になると周りを顧みない。ただ、純粋まっすぐでまだまだ若いアンディに対してミランダは熟練の妖怪で、自分の立場を守るためには長年の部下を騙すことも厭わない。外から見ると真逆に見える2人が出会い、通じ合い、価値観の違いで別れる。けれど認め合う部分は変わらない。これってすごく普遍的なストーリーで、そこを丁寧に描き切っているからこそオジサンにも刺さるようになっているんだなと思う。
ファッション業界を描いているにも関わらず青いセーターのくだり、努力じゃなくてグチのくだりなど、何も知らない人にもとても腑に落ちる一節が作られており見てて「ここは一旦耳閉じとくか」という場面がない。ガッバーナのスペルが分からないくだり、ああこれならオジサンにもよくわかる笑。BTTFのカルバンクラインのくだり並みの分かりやすさ。普遍性っていうのはこう言う感覚のちょうど良さなんだよなって思う。
もちろんですが、細かいことがわからなくてもアンハサウェイのモードファッションとても素敵でしたし、オープニングのシーケンスのワクワク感など、見ていて心地のいいシーンばかり。見てないオジサンがいるとしたら、オススメですよ笑!
まるでSATC!でも可愛くて良かった
仕事、ファッション、恋..超かわいいアン・ハサウェイが成長する素敵な女性を演じる
主人公アンディは、ファッション業界に多大な影響力を誇る編集長で、鬼上司であるミランダ(メリル・ストリープ)のもとで秘書として働くことになります。
ミランダの無茶な要求に必死にこたえていき、最初はぐちゃぐちゃだったけれど、徐々にミランダの期待に応え、そして先回りして期待以上の対応をできるように成長していきます。
ハードワークしながら成長してこんな仕事ができる女性になりたいと励みになります。いっぽう編集長のミランダも、秘書に無茶なプライベートの要求までするのは横暴ではありますが、その半端ない仕事のプライドやこだわりもかっこいいです。
仕事が充実するアンディは、ファッションの着こなしも、仕事ぶりも、まわりに徐々に認められ、仕事に夢中になっていきます。プライベートの時間でも電話がなったら飛んでいきます。でもそんな姿に周りの友人や恋人とのすれ違いも生まれてくるのです。
私の実体験からもとても共感できる部分がたくさんありました。自分が大きく成長するからこそ、どうしても今までのまわりの人間とはすれ違いが生まれてしまうのだと思います。
そして転機が訪れます。ミランダをめぐる人事で、信頼している部下を蹴落とすような真似をみて、アンディは我に返ります。今のファッションの仕事に没頭していて自分自身も充実しているけれども、やりたかったことはジャーナリストになること。そして突如、ミランダに別れを告げることになります。
この最後のほうの展開に戸惑いそうになりますが、結局はお互いを認め合い、アンディは次の道が開けていったんだろうと思いました。少し考えさせられました。
そして、映画を楽しめるもうひとつの面として、アンディ(アン・ハサウェイ)がとにかくかわいい!街をさっそうと歩く、お洒落でかわいいアン・ハサウェイが次々とコーデを変えるのを見るのはそれだけでテンションが上がります。
まとめると、仕事ぶり、ファッション、人間関係の築きかた、すべてで素敵な女性として主人公に憧れるし、自分もがんばろうと励みになる作品です。
和訳の問題なのか腑に落ちない点がある
アン・ハサウェイ売り出し映画
レビュー評価が高いので初めて視聴。確かにアン・ハサウェイの高級ファッションの着こなしが素敵で、女性の憧れを体現するような映画かと。ミランダの第二秘書に収まるも、不可能に見える雑用を如何に可能にするかが仕事。自分のファッションセンスは、ナイジェルにお任せのよう。数カ月でファッションのセンスや知識を吸収できるはずもなく、それでミランダに気に入られるってどうなのよ?エミリーが怒るのも無理もない。お仕事物にしても、底が浅い。華やかな社交界に足を踏み入れ、ちやほやされて、素敵な男性から口説かれて一晩共にして、でもなんか違う。女性の夢を映画にしたのだろうけれど、賢い女性であれば、選択はしないのでは。
仕事のため家族を犠牲にして、自分の仕事にプライドを持っているミランダ。その姿を見てランウェイをやめるアンドレア。しかし、本当に第一線級の仕事をしようとすれば、どの業界でも同じ。次の出版社に行っても、ミランダと同じような問題で悩むかもしれない。
郷に入っては郷に従え。この映画から学べることは、そういうことか。もともとポテンシャルが高いアンドレアだったから務まった。でも、本当に好きな仕事ではなかったから離れた。それだけのこと。
鑑賞後、残っているのはアン・ハサウェイの大きな目、ボディコン姿だ。
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