「明日から、少しだけ背筋を伸ばして会社に行きたくなる映画!」プラダを着た悪魔 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
明日から、少しだけ背筋を伸ばして会社に行きたくなる映画!
「ファッション業界のおしゃれ映画でしょ?」と食わず嫌いしている同世代の男性会社員にこそ、ぜひ観てほしい一作です。
あらすじはジャーナリストを目指す地味な女性アンディが、ひょんなことから世界一のファッション誌編集部に採用されます。そこで待っていたのは、業界に君臨するカリスマ編集長ミランダからの、24時間休みなし、理不尽な命令の嵐。最初は「こんな会社、すぐに辞めてやる!」と反発していたアンディですが、厳しい世界を生き抜くミランダの真実に触れ、次第に会社での自分の役割を見つけ、プロとして覚醒していく……という物語です。
正直、中堅から管理職世代の僕らが観ると、ミランダの「無理難題」には胃が痛くなります(笑)。でも、それ以上に刺さるのは、「仕事に対してプロであるとはどういうことか」という、あの容赦ない厳しさです。
劇中、仕事の愚痴をこぼすアンディに対して、先輩のナイジェルが放つ「君は努力していない、ただ泣き言を言っているだけだ」という言葉。これ、40代になって現場の甘えを指摘しなきゃいけない立場の自分には、耳が痛すぎて悶絶しました。会社の中で「頑張っているつもり」になっている自分を、後ろからバッサリ斬られたような感覚です。
また、鬼上司ミランダも、ただの悪役じゃないんですよね。彼女もまた、会社を守り、業界のトップを走り続けるために、血を吐くような孤独な決断を繰り返している。そんな「リーダーの孤独」が透けて見えるシーンでは、つい彼女の肩を持ちたくなってしまいます。
結局、アンディが最後に選んだ道も含めて、この映画は「会社にどう使われるか」ではなく「自分の人生をどうハンドルするか」を問いかけてきます。
「最近、仕事がルーチンワークになってるな」「部下への指導、優しすぎかな、厳しすぎかな」なんて悩んでいる40代。おしゃれな表層に騙されず、ぜひ「ハードなビジネス映画」として観てみてください。見終わった後、デスクの上が少しだけ片付けたくなるはずです。
