藤本タツキ 17-26 Part-2のレビュー・感想・評価
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特にこのPart2はいずれも秀逸である
➀「人魚ラプソディ」(監督:渡邉徹明/制作:100studio)ビックリするほど嫌いなタイプのアニメななのにビックリするほど好き・・・。海中のピアノが奏でる少年と人魚の恋物語だ。
②「目が覚めたら女の子になっていた病」(監督:寺澤和晃/制作:スタジオカフカ)、もう絵が凄い。凄すぎる。、ジェンダーの枠を超えて“自分らしさ”を見つける姿を描くのがテーマだが、もうテーマなど頭に入って来ないほどシュールだ。現代版寺山修司か?
③「予言のナユタ」(監督:渡邉徹明/制作:100studio)、これが一番退屈ではあったがある意味小松左京の「くだんのはは」を思い出した。過酷な宿命を背負った兄妹の再生の物語。
④「妹の姉」(監督:本間修/制作:P.A.WORKS)絵に懸ける姉妹の嫉妬や葛藤、成長を描ているのだが、これは絵が描ける人間でないと絶対描けない。原作がどうなっているかは分からないが妹の描いた姉の裸体も凄いが、その絵を姉が自らの描いた自画像としての裸体で妹の描いた自分の裸体画を上わ回らせた絵で見せると言うのは絶対できない芸当だ。確実にこの作品は8話中の最高傑作であり🎦ルックバックへつなぐ大いなる道しるべとなっている。我々は今📖ふしぎな国のプッチャーの横井福次郎か、📖火星探検の大城のぼるか、📖火の鳥の手塚治虫か、📖童夢の大友克洋に会ってるに近い人物を目の当たりにしているのかもしれない。
全編通して異なる者との相互理解的共存がテーマなのかなあ。
藤本先生が歳を重ねた分、Part-1と比べるとよりしっかりした構成というか…けどまあ20代だとSEXのことばっかめちゃ考えてたわなあ自分も。
『人魚ラプソディ』
海中でのピアノ演奏、冒頭からなんてロマンティックなと思っていたのに、登場した人魚のシジュは思い切り上から目線で人間を見下す感じでしたが、物語が進むに従って秀逸なピアノのメロディも手伝って、甘酸っぱく切ない気持ちにさせられました。人魚の制服っぽいコスチュームがなんとも。。。
『目が覚めたら女の子になっていた病』
また主人公がトシヒデ?設定もありがちでちょっと「しょーもな」って思ってしまいました。壁に掛けたTシャツに鼻血で「SEX」とかSEXが多過ぎなのが青臭くていいかも。ガラケー、プリクラ、ブラウン管テレビ、モー娘。、たまごっち、あやや…あらゆるところに「平成」の時代感を散りばめられていましたが、軟式globeだけは今回ググって初めて知りました。(恥)
『予言のナユタ』
妹の存在が歳を取れば取るほどありがたく思う今日この頃、お兄ちゃんのケンジが優し過ぎて泣けます。
『妹の姉』
設定変えたら『ルックバック』やん(笑)ほっこりできて結果一番好きかもです。
だって私は妹の姉なんだから!
ナユタの話と姉妹の人間関係の距離感を描いた作品が特に胸に響いた。
ナユタの兄は、妹が何をしようと関係ない、俺の妹なんだから!と妹を守ることを何より大事な指標としていた。
姉妹関係の話を描いた堂々たるラストの話では、姉に憧れていた妹が先を越してしまったと思っていたが、妹の目標とする人が今でも姉であったと気付いた時、姉が並々ならぬ努力をして妹にかつてのかっこよさを見せつける。
俺の妹なんだから、妹の姉なんだから、日本語の表現て少し変えるだけでこうも印象に響くのかと感嘆するばかり、魂のこもった言葉に心震えました。
無償の愛、歳をとっても、大切な人がどんなに酷いことをしても大切な人に変わりない。SNSだったら叱るべき!とかお節介な人達でわくのだろうけど、そんなの関係なく、無償の愛を注げる人間でありたいと強く思いました。
ほとんどが駄作だった
それぞれの想いが描かれている短編集
藤本タツキが22歳から26歳までに描き、「藤本タツキ短編集 22-26」に収録されている短編4作をアニメ化。
part2は、part1の“ひっくり返したおもちゃ箱”状態から一転。
色々なシチュエーションがあるものの、内容は奇をてらっていない、種や性別を越えた純粋な想いや、人間関係に重心が移っています。
※人魚ラプソディ
ピアノの音色が印象的な作品。
海の中のピアノという舞台ながら、ストレートなボーイミーツガール。
※目が覚めたら女の子になっていた病
そんな病気があるんだーというだけで、特に説明は無し。モー娘。平成感、全開!
起きたら男の子が肉体的に女の子になっちゃったクラスの反応がありがちでリアル。
彼女と彼女の兄との人間関係だけで、サラッとまとめられている。
※予言のナユタ
世界から迫害される人外として生を受けた妹を守る兄。
チェンソーマンの原型を思わせる雰囲気。
※妹の姉
キャラクター造形も含め、「ルックバック」の原型を彷彿させる姉妹のドラマ。
姉の後ろを追いかけて美術学校に進んだ妹が、いつの間にか追い越されていた。
しかし、妹がいつも姉の背中に憧れ、追い続けていたと知った時、姉は“妹の姉”として筆を取った。
後半も面白かった。
藤本タツキ 17-26 2部構成のPart-2。
「人魚ラプソディ」 ⭐︎4
母が人魚だった中学生のトシヒデは、時々学校を休み海中の人魚が作ったピアノが弾いていた。
ある日突然突然人魚が現れ、驚いたトシヒデは海中で溺れてしまった。
人魚のシジュは、溺れた彼を陸に連れて行き、人工呼吸をして蘇生させた。
助けてくれたお礼にシジュにピアノを教える事になったトシヒデは、頻繁に海に潜りピアノを教えていた。
だいぶ上達したある日、サメに襲われたトシヒデの耳を噛みちぎったシジュは・・・さてどうなる、という話。
海の風景が綺麗だった。
服を着た人魚というのが面白い。血の匂いを嗅ぐと人魚の本性が出て人間を襲う、という設定も面白かった。
ピアノの音色が心地良かった。
人魚のシジュが可愛かった。
「目が覚めたら女の子になってた病」 ⭐︎3.5
ある日突然、朝起きたら女の子になってたトシヒデ。
医者に行って診てもらうと、目が覚めたら女の子になってた病で、治らないと言われた。
学校に行くと、クラスメイトの男子生徒から、SEXさせろ、セフレになろう、と言われ、アキラくんに、人の嫌がる事を言うのはいけない事だ、といって助けてもらった。
その事を彼女のリエの家で話してると、リエの兄のアキラが帰ってきた。
アキラくんがカッコいいと思うようになったとリエに告げると、SEXしようとリエに迫られた。
チ○チン無いから出来ない、とトシヒデが言い、泣きながら家を飛び出したリエを追ってキスした。そんな話。
そんな病気が・・・とは思ったが、病気という発想が素晴らしい。見かけが変われば心も変わるのかもとちょっと思った。
これは、男性、女性、という境界をジェンダーレスの観点から考える深い作品なのかも、と感じた。
性の不一致という問題を聞くことが有るが、こういう病が有ればもっと身近に感じるのかも、とも思った。
シーンとしては妹に殴られた時のアキラくんが面白かった。
体は女の子でも心は男の子になろうと決めリエにキスしたトシヒデの決断をそれもアリかなぁ、と思った。
BGMのモーニング娘。の、恋愛レボリューションがマッチしてた。
「予言のナユタ」 ⭐︎3
ツノを持って生まれた女の子ナユタは、10歳となっても話せずウサギネコを噛みちぎったりと変わった行動をしていた。
周りから魔法使いの悪魔と言われ、世界を滅ぼすと言われていた。父を殺され、生きるため学校も行かず働いていたナユタの兄は妹のことを知られて会社をクビになった。
その後ナユタはクジラウシを大量に殺し、兄はこれからちゃんとナユタを躾けるからと皆んなに謝った。
そんな話。
人魚みたいでもあり、シカクっぽくもあった。
これはなんかイマイチ響かなかった。
「妹の姉」 ⭐︎4
美術高校の江原光子には2歳年下の妹・杏子がいた。
高校1年の杏子は学校のコンテストで最優秀賞を取り、その絵がロビーに飾られる事になった。
その絵とは、姉みつこの裸体を描いた油絵だった。
光子は激怒し、妹に裸になれ、と言ってデッサンしたが上手く描けなかった。
自分は中学1年から油絵を描いてきて、5年以上の経験が有るのに、妹は1年くらいで特待生として同じ高校に入ってきた。
その事に嫉妬した姉は、妹と話をしなくなった。さてどうなる、という話。
妹の才能に嫉妬した姉、という単純な事なんだろうけど、これがなかなか面白かった。
絵は裸体でエロいし、特に妹は可愛かったし。
声優の中嶋瑠奈と中井友望も良かった。
後半の4作も期待通りの面白さだった。
異文化コミュニケーション
どの層を狙ったのか上映館、公開週は早朝、レイトで見れなかった Part2仕事帰り時間枠でやっと鑑賞
今回も4話オムニバス
人魚ラプソディ
人魚に恋するあらすじなんだろうけど、人魚の設定が怖〜い 一応円満なエンディングなの?がぶりであえなく終了してしまいそうな
目が覚めたら女の子になっていた病
奇病ではないのですかね!?
皆に早速イジられていたが学校通ってるし病を難なく受け入れてる周囲が可笑しかった
予言のナユタ
あれはよくねこさんが飼い主にやるやつだ でも理解できないものは危険だと見なしてしまう 戦争ってこうやって始まるのかなと思った
妹の姉
タイトルからして面白い視点 靴とか廊下とか
姉妹あるあるでちょっとルックバックぽい
妹はちゃんと姉のことを見ていた
それぞれ描く絵が除実に性格を表してて面白かった(サウナ上がり?)
Part-1よりかインパクトは薄かったが、、、
【人魚ラプソディ】
内容は至ってシンプル
人魚と人間の間に生まれた主人公と、
人魚の少女が出会いピアノを通じて分かり合うお話
特に捻った部分はないがアニメ作品といった感じで、
ラフな気持ちで観ることが出来た。
【目が覚めたら女の子になっていた病】
時代を感じさせるテレビ番組と、プリクラと。
モー娘なんかも平成!!を感じさせるどこか懐かしいテイスト。(そりゃあその当時書いた作品だから当然だけども)
こちらも内容は至ってシンプル
現代はLGBTが語られていることもあり、
もし自分に大切な人がいて、自分の性別が変わったら?
相手を思い続けられるのだろうか。
主人公の立場に投射して考えてみると、
個人の価値観について見つめることが出来るんじゃないだろうか
【予言のナユタ】
前2作品と比較するとテイストが随分違う物語
この手のジャンルは好んでは見ないけれど、
葛藤がありながらも悪魔であるナユタを妹として、接する主人公の器たるや。
理解を諦めないその姿勢に学ぶものがある。
現代に置き換えると苦手な相手、変人と言われる人、憧れの人
それぞれに対して送る視線について突き詰めると、
思いもしなかった事が見えてくるのかもしれない。
【妹の姉】
ギャグ要素もありつつオチが何とも爽快感溢れる作品
才能があるにもかかわらず、ふとしたきっかけで燻らせてしまう。妹がいつまでも姉の背中に憧れ、追い続けていたと知った時お姉ちゃんは妹の姉として筆を握る
藤本タツキの初期衝動に溢れる短編集、その2
やはり目玉はルックバックの原型と言える「妹の姉」だが、他も光る
■「人魚ラプソディ」★2
美少年に海底のピアノを弾かせる絵の美しさ、人肉を食べる美少女人魚との交流に漂うゆるやかな緊迫感など、個々の要素は強い。しかし着地点とその絵面が呆れてしまう程しょうもない。アニメになって尺が伸びた分、内容の薄さが一層強調されてしまった気がする
■「目が覚めたら女の子になっていた病」★3.5
シンプルなTSエロで解決部分も弱い。物語の薄味さを画面の楽しさでフォローするアニメ化の手際が光っており、比較的短尺なのでダレる事もない。実質的にトランスジェンダーを扱う作品なので倫理面はこれで大丈夫なのかと不安を感じる部分もあり(多分ギリセーフ?)。人によって好みは分かれそうだが評価したい一本
■「予言のナユタ」 ★3
世界の迫害から人外の妹を守るというテーマ、シンプルな葛藤を維持しながら状況のスケールアップで楽しませる作風など、藤本タツキの初期作品群の集大成のような内容。妹の得体の知れなさが不気味で可愛い。kevin penkin氏の劇伴も良いがアニメ化としてはやや凡庸
■「妹の姉」★4
ルックバックの原型と言える作品。妹が描いた自分の裸婦画をデカデカと校内に飾られてしまった姉、という抜群のフックから不器用な姉妹愛に落とし込む爽やかな一作。アニメーションの出来そのものが頭一つか二つ抜けており、ルックバックの後に中途半端なものを見せられないだろうという制作側の矜持みたいなものを感じる。「ルックバック」「さよなら絵梨」等のチェンソーマン以降の短編と比較した際、人が死なない事は美点と言えるかも。佳作
22-26
Part-1から続けて観たけど、インターバルの時間が勿体ないので一本にしてほしい。
【人魚ラプソディ】★2.0
呼吸の件と一緒に浮かない理由付けもしといて。
声が出せない水中でレッスンとかムリでしょ、運指だけ陸で教えるとかしないと。
息を吐いた瞬間に失神は意味分からんし、人魚が若い女性だけだし、主人公は肉体再生するし…
一番グダグダな上にちょっと気持ち悪かった。
魚の下半身でどうやって子づくりしたんですかね。
【目が覚めたら女の子になっていた病】★2.5
病名が付いてるくらいなのに制度整ってなさすぎだし、昨日まで男だったヤツに即発情する?
民度の低さは、まぁ殴ってくれたからヨシ。
「女としてカッコいいと思った」と言った舌の根も乾かぬうちに「好きなのは君だけ」って…
【予言のナユタ】★3.0
親父殺しの犯人は捕まってるとはいえ、あの情勢の中で赤子のナユタ連れ出して無事なの?
個別でなく「生き物を殺しちゃダメ」と教えなよ。
食べ物を採ってきてたのは予想通りだったし、誰も殺してないとか捕まらないとかご都合主義感強し。
【妹の姉】★4.5
SFファンタジー特殊設定ばかりの中で、唯一リアル寄りの作風。
一番笑えたし、終盤には少しグッときた。
絵の入れ替え時期がおかしいことと、締め方がちょっとモタついたこと以外は短編として完璧。
中島瑠菜も中井友望も違和感なかった。
そういえば、「弟の姉」って歌い手がいたなぁ。
やや独自性が増した反面、迷走してる印象も受けたが…最後にアレ持ってくるのはズルいわ。
「妹の姉」が一番気に入りました
Part1と同様に短編4作品を1本とした映画で、原作コミックがこんなふうに映像化されるのかと、ストーリーや映像・音楽に引き込まれる作品だと感じました。
作品の上映順番も、Part1と同じくコミックの短編集での掲載順と同じです。必ずしも原作の発表順ではないようですが、続けて鑑賞するには絶妙と思えるこの順番をもともと考えた方のセンスを感じます。
個人的には、「妹の姉」が一番気に入っています。8作品の中でこれだけは、現実世界でもあり得るストーリーであるのが、他の7作品とは少し違って見え、より思い入れを強く持てたからなのかもしれません。
作品に登場する多数の油絵・デッサン、どなたか実際に油絵やデッサンを描いた上で、アニメ映像の方に取り込んだのでしょうか。クレジット画面にお名前出ていたのではないかと思いますが、見逃してしまったようで残念に思います。
チェンソーマンが気に入っている方で、かつ本作品が上映されている映画館が行ける範囲にある方には、配信開始まで待たずに映画館での鑑賞もおすすめします。
全国で9館のみでの上映で、さすがに少なすぎますが、もしお近くの方は上映終了前にぜひ。
藤本タツキの視点がよくわかる短編アニメ
短編をそのまま異なる監督でアニメ化して、そのまとまりを公開するのは、少々映画館で観る映画としては不安がある。そもそもまとまった時間のなかで観る映画という体験は、スマホや自宅で観るようなドラマと違って、ひとつなぎの体験だから。
藤本タツキという作家の短編は、そのそれぞれが「ひとつのアイデア」によって構成されているので、それ自体がどうなるかというドラマよりも、そのシチュエーションそのものを楽しむ話になっている。Part IIのそれぞれの物語は、「人と人魚」「女の子になった男の子とその彼女」「人外の妹をもった兄」「追いかけあう姉妹」といったシチュエーションを描いた悲喜劇になっている。
作者自身は、人の死や悲劇や暴力に対して、映画を見るような「高い視点」から作り出しているようなので、情緒的なシーンでも、どこか冷めたような、また悲しみを笑いに変えるような、逆に笑いを悲しみに変えるような独特の見せ方が特長のように思う。
実際の人生は、どちらかというとハッピーエンドよりも、悲劇とも言えないようなどうしようもないような事柄が多いが、藤本タツキのその「悲喜劇」は、その意味でいくらファンタジーのような変わったシチュエーションのアイデアでも、どこか現実的な感触を常に持っている。それが改めて短編アニメとしてよくわかる連作だった。
Part IIのなかでは、やはりルックバックともつながりのある、「姉の妹」がビジュアル的にもストーリー的にも良かった。一連の短編アニメでは特にファンタジーのようなひねりもない設定だが、その意味で人間関係のミクロな「悲喜劇」がいかに、喜劇と悲劇に転換しうるのかという作者の視点が垣間見えて面白い。
part1より少し重くちょっとグレードアップ?
part1から2への流れが非常に自然なような印象で─内容とか絵的な感じが─前の楽しさそのままにぐいぐい引き込まれていって、少しだけ重く感動的になっていく後半の作品に見事にやられてしまいました。しかも、昨今話題になっている作品につながっているような小品だったので、余計に見入った気がします。
楽しさや創造性、豊富なキャラクターという意味ではpart1より控えめになっているし、普通の日常を切り取った表現も多かったので、1好き2好きが結構分かれるような気がしました。個人的には2の方が好きなんですが、いずれにしても素晴らしき創造性かな、といったところです。
こちらも、あらゆるアニメのテイストを存分に堪能、しかもラスト3つの力感は素晴らしかったと思います。
何気に音楽なんかも良かったりしました、1も2も─。
藤本タツキアンソロ映画
全27件中、1~20件目を表示










