劇場公開日 2025年12月19日

チャップリンのレビュー・感想・評価

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3.5放浪紳士は死せずしても放浪する

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

驚く

チャップリンの出自のルーツに迫ったドキュメンタリー。チャップリン映画を観て映画好きになり、自伝や評伝をむさぼるように読んできたが、彼がロマ(ジプシー)の血を8分の1引いているとは今回初めて知った。もっとも本人もそれを知ったのは30代になってからとか。
身なりこそボロでも、スーツを着る放浪紳士役が当たり役となったチャップリン。定住することなく(まあ結婚して家庭を持つ役も少なくないけど)どこにでも現れ、トラブルを巻き起こしたりトラブルに遭いまくる放浪紳士。そもそもこの「放浪」という言葉がロマと直結している。
出生地イギリスからアメリカに渡り成功するも、赤狩りの嵐に追われてスイスへと「流れ」る。実生活でも放浪すれば、本人は知ってか知らずか、ロマのルーツを持つ音楽家の曲を作品に使っていたという事実。極めつけは遺児クリストファーも語っていたように、墓荒らしに遭って遺体を持ち去られてしまう(墓荒らしの詳細は『チャップリンからの贈りもの』に詳しい)。亡くなってもロマとして「放浪」し続けるという、なんだか落語のオチのような展開。
やはりロマの血を引く(らしい)ジョニー・デップがチャップリンについて語っているのが見どころ…とはあんまり思えず。むしろエミール・クストリッツァの考察がいかにも映画監督らしくて興味深かった。

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regency

2.5チャップリンのルーツを探る旅に出る

2025年12月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

試写会にて

チャップリンのルーツを探る映画になってましたが、作家でもある息子マイケルの語りを中心とした作品。
マイケル自身の映画とも見る事ができる点が非常に斬新で父親と同じく自身のルーツをロマ(ジプシー)に求める姿を追う作品とも取れました。
チャップリン本人が亡くなっている今、彼のルーツがどこにあるのかを探る手立てはないのですが、作品の節々から漂う放浪者の香りが「チャップリンはジプシーである」という事を裏打ちしているように感じてなりません。
ラスト、マイケルは海に向かって伸びている岩場を裸足で歩いて行き画面の奥へと消えて行きます。
永遠の放浪者チャップリンとその息子らしい帰結に感動してしまいました。

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かもしだ