デコラド

解説・あらすじ

2025年・第38回東京国際映画祭アニメーション部門上映作品。

2025年製作/95分/スペイン
原題または英題:Decorado

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映画レビュー

3.0 所詮我々は作られた世界の住人

2025年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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世界が偽物であるという感覚にとりつかれて精神的危機に瀕している中年ネズミのアーノルドが、世界の真実に迫ろうと…
『デコラド』とは、映画や演劇で用いられる舞台装置の意。まさに今生きている世界はデコラドのように作られたもので、自分ら生物は役者として演じているのでは?という妄想に憑りつかれている…というストーリーは『トゥルーマン・ショー』を思わせる。ただ本作は、生物が実存する意味をより深く説いている。生きていれば何かしらの不満や不安に襲われる。そうした負の感情のはけ口を社会にぶつけるのは生き物としては当然。ミドル世代にはアーノルドの心情は共感する部分もあるのでは。
可愛いのか可愛くないのか判別しにくいキャラデザにプラスして、容赦ない残酷描写もある上に、なんといってもラストのシニカルな顛末。こうしたアニメを作れる土壌は、おそらく今の日本にはないだろう。

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