おくびょう鳥が歌うほうへのレビュー・感想・評価
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『レディ・バード』から『おくびょう鳥が歌うほうへ』羽ばたく
シアーシャ・ローナンが演じるキャラクターには一貫した不思議な魅力と共感性があり、観客の心をそっと温めながら、私たちの人生のストーリーまで好転させてくれる力がある。『レディ・バード』から本作『おくびょう鳥が歌うほうへ』と、より高く羽ばたいていく彼女の姿に、私たちは生きる力を与えてもらえる。
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究極にして純粋なヒーリング
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アルコール依存症で人間関係も心身も壊れてしまった女性が、故郷スコットランドでリハビリ生活に入り…
『システム・クラッシャー』の監督最新作と知り、これは一筋縄ではいかない内容だと思っていたが、いざ観たらやっぱりその通りだった。『システム~』ではコミュニケーション障害の少女が周囲と衝突する様を描いていたが、本作の主人公ロナも断酒ができず、周囲を振り回していく。彼女の過去のトラブル経緯と、リハビリ生活をしていく現在の2つのタイムラインを入れ子構造で描く展開は、パッと見は分かりづらいかもしれない。しかしそれを補うのがロナのヘアカラー。色の変化は時間経過の証にして、彼女の心情変化でもある。雄大なスコットランドの自然環境に触れつつ、野鳥の生態を調査するという日常が、まさに究極にして純粋なヒーリングとなる。
これまでも心にトラウマを抱える役どころをこなしてきたシアーシャ・ローナンは、本作でも狂乱と静寂を宿すロナ役を好演。私生活のパートナーでもある俳優のジャック・ロウデンとともにプロデューサー業も兼任するなど、ハリウッドメジャーとは一線を画す活動が、いかにも“らしい”。
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