ブックマン・マーク　行動の軌跡

解説・あらすじ

誰もが取り残されない世界の実現に生涯を捧げた、重度障害のあるアメリカ人博士ブックマン・マークの軌跡をたどったドキュメンタリー。

1991年にフィラデルフィアで生まれたブックマン・マークは、筋肉が弱まる難病により10歳の時に心臓移植を受け、車椅子を使いながらも、障害を持つ自身の経験を力に変えてきた。少年時代から日本文化やアニメに魅せられ、日本の歴史や宗教観に強い関心を抱いた彼は、やがて東京大学で博士研究員となり、日本の歴史と政策を現場から深く見つめる「行動する学者」へと成長。教育者、歴史家、活動家として、障害者の権利のために行動し続けた。

本作の撮影は2022年秋に開始されたが、マークはそのわずか2カ月後に心不全で急逝。映画では、東京で暮らしていたマークとコロナ禍で3年ぶりに再会した父ポールの視点も交えながら、障害の現実に挑んだマークの足跡とその情熱、そして彼を支えた人々との絆を描き出す。障害者権利活動家の奥平真砂子、ユニバーサルデザイン建築家の川内美彦、カリフォルニア大学バークレー校障害学教授の中村かれん、障害学研究者の長瀬修ら、マークと接点のあった国内外の多様な実践者たちの言葉を通じて、マークが対峙した障害をめぐる社会の構造を浮き彫りにしていく。

2024年製作／87分／アメリカ
原題または英題：Mark - A Call to Action
配給：Mark Bookman Foundation
劇場公開日：2025年10月18日