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怪獣と老人のレビュー・感想・評価
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特撮映画見たことなかったからこそ思ったこと
まずわたしは、SF映画などは、CGしか見たことがありませんでした。
映画制作は大変なんだろうなと思ってはいたものの、まさかあんな私達の日常にある発泡スチロールみたいなものや、石などで怪獣たちが作られているなんて思いもしなかったです。
最初は確かにただのガラクタに見えるものが、村瀬さんによって命が宿った気がしました。 ヤマタノオロチの火を吹くシーン、模型が爆破されるシーン、CGと違い失敗が許されない、その緊張感、ヤマタノオロチを動かす5人?の人たちの連携、CGの方が経費も安いし、簡単なのかもしれません、でも最後まで特撮にこだわられた監督の村瀬さんの職人魂、それに魅せられた人たちの協力によって、作り上げられた作品なのですね。
あのドキュメンタリーでは、村瀬さんの人柄がとても伝わりました本当に少年のような心で仕事をしていたんだと、
便利なものが増え古いものがなくなっていく令和だからこそ、本当に大切なものは何か気付かされた気がします。
村瀬さんがなくなった今、特撮で撮られる映画はもうないのかな、、、
個人的には映画が上映されてから、村瀬さんが亡くなるまでがあっさりしていて、もう少しその後の村瀬さんがもう少し見たかったな〜とわたしは思いました😄
最後のシーン、主題歌に合わせて村瀬さんが歩く姿に感動しました、生き方が背中に現れていたというか、、、なんというか、カミノフデ、映画、必ずみます。
本当に見に行ってよかったです、ありがとうございました
どうしても諦めきれないんだよ
自分は特撮や怪獣ファンとして
村瀬継蔵さんを知り、
後にその人柄に魅了された1人である。
憧れの映画関係者と対面しても、
ここまで人そのものにまで魅了される
という経験をしたのは稀である。
印象は優しくてお茶目、
見ず知らずの一ファンにも
丁寧に接してくれた。
不思議なのは、たしかに
おじいさんではあるものの、
あまりそう感じさせないその人柄。
この『怪獣と老人』は、
継蔵さんの最初で最後の監督作品が
完成するまでと、その不思議な
魅力の理由も記録されている。
たしかに「老人」ではあるが、
中身は「少年」。
一ファンにも気さくに接してくれたのも、
長生きの末に手にした寛容さよりもむしろ、
「キミも好きなの??いいよなこれ!
こうしたらもっと面白いよな!」
という少年の好奇心や発想のままに
生きていただけだからのように感じた。
しかし「怪獣少年」を襲う老い、病。
それに反して大きくなっていく作品。
「だれもやらないなら自分がやる」
豊富に溢れる技術と経験と情熱。
「ぼくもいつまで生きるかわからない」
人手も資金も、そして時間もない。
せめぎあう意欲と不安。
老人だからと言って
未来に希望がないわけではない。
怪獣よりも手強い、初めて遭遇する
数々の問題たちを相手に、
手を貸してくれる
仲間たちとの最後の戦いを、
時に熱く、時に落ち込みながらも、
ゆっくりでも前に
進み続けた継蔵さんを、
例え特撮や怪獣と
関係なかったとしても、
ひとりの人間として
自分は心底敬愛する。
命を燃やし切る生き方
見てきました。心震えました。
『いくつになっても夢を見ること』
『なんでもやってみること』
それを、実際に生き方として体現しきった漢の物語でした。
私は平成生まれでCGでなんでも動く映像の世界に慣れきった世代ですが
手作りの怪獣造形を人の手で動かして作る映像の迫力に圧倒されました。CGには出せない熱量を感じ、『命を吹き込むとはこういうことか』と見せられた気持ちでした。
そして最後まで怪獣造形に命を吹き込み、自身の命を使い切った村瀬さんの生き様。
見ていて私自身の体温が上がるような熱量の高い作品でした。
また、本作品に携われた制作陣の皆様の熱量も感じ、【ものづくりに命をかける漢の映像を残すべく、ものづくりに命をかける漢たちの本気の作品】という感じでした。
胸打たれました。
こんな風に何かに情熱と誇りをかけて本気で取り組める人生は素敵だなと素直に思いました。
久しぶりに心を揺さぶられ、そして自身の生き方を見直す機会となる映画を、ありがとうございました!
また映画館で観たいので、東京でも再放映されますように。
執念
特撮造形師・村瀬継蔵の晩年。彼が若い頃に唯一書き上げた企画書『神筆』の映画化を、齢80にして実現させようと奮闘する様子を追ったドキュメンタリー。コロナ禍を経て、2024年に映画『カミノフデ〜怪獣たちのいる島〜』として完成させるまでの村瀬の執念と生き様。年月を経るたびに身体は衰えていくが、心にある作品への情熱は日に日に増していく。作品一つを完成させることがどれだけ大変なことか、本当に自分の作りたい作品を完成させるために最も必要なものは金でも時間でもなく、執念であることを思い知らされる。もの作りに携わる人間には是非観ていただきたい本作。
村瀬継蔵氏へ心からの敬意と、哀悼の意を表します。
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