劇場公開日 2006年5月20日

「【”マグダラのマリア。そして真の継承者。”今作はキリスト教の知識を脳内で総動員して観る、公開当時カトリック教会から猛抗議を受けた理由が分かる宗教ミステリーサスペンスである。】」ダ・ヴィンチ・コード NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 【”マグダラのマリア。そして真の継承者。”今作はキリスト教の知識を脳内で総動員して観る、公開当時カトリック教会から猛抗議を受けた理由が分かる宗教ミステリーサスペンスである。】

2025年11月1日
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ー 最初に敢えて記すが、今作の原作であるムッチャ分厚いダン・ブラウン著「ダ。ヴィンチ・コード」は既読である。世界的なベストセラーだったからね。ー

■ルーブル美術館でソニエール館長(ジャン=ピエール・マリエール)が何者かに館内で射殺される。死体は全裸で胸には五芒星が刻まれレオナルド・ダ・ヴィンチの”人体図”の形で仰向けに倒れていた。
 ソニエール館長と知り合いだったロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は講演会後のサイン会の時に、”何故か”容疑者として連れて来られ、ファーシュ警部(ジャン・レノ)から誘導尋問を受ける。
 だが”館長の孫娘”で暗号解読者のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)に助け出され、二人は残された”暗号の謎”を解き始める。

◆感想<Caution!内容にやや触れています。>

・今作はプレミアム公開時に批評家達から酷評されながらも、大ヒットをした映画だそうでである。私が覚えているのは同じ職場だった女性の方が、今作を観に行って”全然、面白くなかった!プンスカ!”と言っていた事位である。
 公開当時の私は子供達が超チビッ子だったので、映画よりも臨時出勤のない週末は子供達と遊んでいて、映画には殆ど行かなかったのである。(言い訳)

・で、”面白くないんだろうなあ。映画.comの評価も3.2だしなあ。”と思い鑑賞しなかったのであるが、今週末は映画館には行かない(行けないので)気になって居た作品ではあったので鑑賞した訳である。
 結論から書くと、大変に面白い宗教サスペンスミステリーであり、且つ”成程なあ、この内容ではカトリック教会及び熱心な信者は怒るよなあ。”と思う、ビックリな内容であったわけだが、それが面白かったのである。

■冒頭から、フィボナッチ数列や、五芒星、レオナルド・ダ・ヴィンチの”人体図”、テンプル騎士団、そして物語が進むと、マグダラのマリアまで登場するので、これはキリスト教にある程度通じていないと、難しいよなあと改めて思った次第である。
 故に、冒頭に敢えて、原作既読と書いた訳である。

・物語は、カトリック教会の組織の一つ”オプス・デイ”「シオン修道会」(但し、実際のオプス・デイとは違い”秘密結社”の様な描かれ方をしている。ここもカトリック教会から糾弾された原因であろう。)に属するシラス修道士(ポール・ベタニー)が、狂信的とも言える宗教的使命感でソニエール館長を射殺し、その後自らを茨で鞭打つシーンなどが描かれる中、ロバート・ラングドン教授とソフィー・ヌヴーは、教授の知己でもあるリー・ティービング(イアン・マッケラン)と共にキリストの隠された真実に迫って行く展開は、大変に興味深かったモノである。

<今作はキリスト教の知識を脳内で総動員して観る、公開当時カトリック教会から猛抗議を受けた理由が分かる宗教ミステリーサスペンスなのである。>

■という訳で、今作シリーズである「天使と悪魔」唯一フライヤーが手元に有る「インフェルノ」を観る事を決めた次第である。

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