「タブーに迫るミステリー最高傑作の待望の映像化。」ダ・ヴィンチ・コード スモーキー石井さんの映画レビュー(感想・評価)
タブーに迫るミステリー最高傑作の待望の映像化。
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ハーバード大学の宗教象徴学のラングドン教授。
もともと会う約束をしていたルーブル美術館の館長が殺されたことで、彼を殺害したという嫌疑をかけられるところから物語がスタートする。
結末については物議を醸すものだ。
正直、タブーを突くなぁとは思いつつ、
一方で、本当のことはどうであれ某宗教に対して見る目が変わったとかそういうことは毛頭ない。
地場の因習や感銘を受けた人の心の拠り所だからこそ、それを争いの契機にするのはなんか不本意じゃないかというのが私の意見だ。
宗教は真理の証明なのかもしれないが、縄張り争いに利用されるものではない。発起人のひとつの思想の形態だ。
そして、歴史というのはわからない面積が多いからこそ面白みがあり、ロマンを感じるのだ。
ああでもないこうでもないと。
テーマは壮大だが、もう少しラフにはいかないか。むずかしいな。
絶対的なのだから従えというのはいささか乱暴だと考える一方で、実際に奇跡の人は存在したという願望に近い妄想もあったりする。
ラングドン教授が幼少期の絶体絶命の時に祈りを捧げたように。
続編の「天使と悪魔」や「インフェルノ」はやや刺激的な趣のある作品となっていくのだが、本作は裏切りやどんでん返しはあるものの三部作の中では比較的穏やかで神秘的なラストだったと私は感じた。
本作を通じて、西洋の建築・彫刻・絵画の三位一体の美や巧に魅了される契機になった。
正当性なんかどうだっていい、ただ眺めてみたらと。
そうすれば争いの火種はひとつ消えそうだと思うのは楽観的すぎるか?
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