楓のレビュー・感想・評価
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双子でも身代わりは無理だよね
■ 作品情報
スピッツの名曲「楓」を原案としたラブストーリー。監督: 行定勲。主要キャスト: 福士蒼汰、福原遥、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗。脚本: 髙橋泉
■ ストーリー
ニュージーランドで事故により命を落とした須永恵。恵の恋人である木下亜子は、その深い悲しみと混乱の中で、恵の双子の兄である須永涼を恵本人だと誤解してしまう。真実を打ち明けられない涼は、亜子を気遣い、弟のふりをして共に過ごす二重生活を始める。彼は弟として振る舞いながらも、しだいに亜子に強く惹かれていく。しかし、亜子もまた涼には言えない秘密を抱えており、二人の間には隠された想いと葛藤が生まれる。彼らの複雑な関係は、真実を知る幼なじみの梶野茂、涼のアシスタントである遠藤日和、亜子の相談相手である辻雄介といった周囲の人物たちの想いをも巻き込みながら展開する。物語は、大切な人を失った喪失感と、秘められた愛が織りなす切ない運命を描く。
■ 感想
予告編から既に物語の切なさを感じ取り、どのような結末が待っているのかという期待感を胸に本作を鑑賞してきました。
冒頭から、兄・涼が事故で亡くなった弟・恵の身代わりとして恋人の亜子と生活していることが明かされているため、観客は自然と涼の心情に寄り添いながら物語を見守ることになります。仲睦まじく暮らす二人の姿が、いつかこの幸せが終わってしまうであろうという予感と重なり、かえって胸を締め付けられます。二人の仮初めの幸福が、優しい嘘の上に成り立っていること、そして当人たちもそれに気づかないふりをしていることが、俳優陣の繊細な演技からひしひしと伝わってきます。
ただ、そんな演技と冒頭のわかりやすい伏線のおかげで物語のオチは中盤には見えてしまいます。本作の最も重要な仕掛けであっただけに、ここはもう少し目立たないように仕込んでおいてほしかったです。
しかし、それでもなお作品に深く没入できたのは、登場人物全員が互いを「慮る」純粋な愛情に満ちた展開が心地よかったからだと感じます。「いくら双子でも身代わりなんて無理だろう」という観客の疑問に対しても、納得がいくような展開と、それを支える丁寧な描写があったのが好印象です。特に、涼が深夜まで左手で字を書く練習をしていたシーンは、弟への、そして亜子への彼の深い愛情と葛藤が凝縮されており、最も心を揺さぶられます。
ラストも、不必要にその後を描かず、余韻を残す形で締めくくられていたのが非常によかったです。鑑賞後には温かく、どこか清々しい気持ちになれる後味のよい作品です。
バター
「大切な思い出」「遠慮」「美しい変化」
調べたら、楓って花言葉が有るんですね。
「大切な思い出」「遠慮」「美しい変化」
なんかこの映画にぴったりな花言葉じゃないですか。
花言葉を意識したんですかね。
それと、名曲って有無を言わさぬ力が有りますよね。
十明さんの寄り添う様な優しい歌声のカバーが流れて来た時、それだけでこの映画を観て良かったと思えたもん。
それから、この映画で好きなシーンが有って、校舎の中で今の二人の前に高校時代の二人が現れるところ。
ファンタジー設定ではないこの映画で、あれをやるのがとても映画的で好き。
私、フィクションの映画作品は所々大胆にやって欲しい派なんですよね。
最後に、個人的に映画化して欲しいと思う過去の名曲が有るんですよ、それはブリーフ&トランクスさんの『石焼イモ』
残酷
なんと言っても亜子(福原遥)による
涼(福士蒼汰)への仕打ちが残酷すぎて、
いい話に持っていっていきながらも、
猛烈に感動する境地には至らなかった。
いや、双子で顔がそっくりとは言え、
自分が悲しいとは言え、わかっていながら
恵(福士蒼汰二役)の身代わりとして涼を扱うのか?
この倫理観がぶっ飛んだ亜子にどうしても感情移入できず
私にとっては感動作にならなかった。
福原遥は好きだから、こういう役なのが残念!
福士蒼汰は頑張っていたと思う。
今まで観てきた作品の中では随一だと思う。
ただ、いかんせん地味というか記憶に刻まれるキャラでは
ないので、実にもったいない気がする。
伏線回収をちゃんとするところや
ニュージーランドの風景が美しいことや
海岸での撮影シーンが美しいことなど、
よいところもたくさんある映画だが、
いかんせん亜子のキャラになじめず、
もったいない作品となってしまった。
劇中の「楓」カバーは刺さらず、
やはりエンドロールでの本家スピッツによる歌唱が
至高である。この曲を最後に聴くための映画であった。
青春(愛)とは、後悔しないことである。テカポ湖も、すばらしい
12月ヘルニア手術で入院した。病室のベッドのTVをなにげに見ていると、急に、ミルキーブルーというかターコイズブルーの湖が目に飛び込んできた。あれは!テカポ湖ではないか。10年ほど前、ワーキングホリデーでニュージーランドにいる娘に会いにに行った、ニュージーランドのテカポ湖。「人生で一番の星空が見られる場所」のキャッチフレーズどおり私の目にも南十字星がはっきり見えた。
12月19日の封切りの日。わざわざ、大都会の「県都」まで映画を見に行った。
懐かしのテカポ湖が眼前に広がり感無量であった。
特にラスト20分ほどは、圧巻であった
映画のストーリーは、予想通りコテコテの胸キュン青春純愛映画であった。
青春とは忘れ去ることなり。
降る雪や 青春は 遠くなりにけり
少壮幾時(いくとき)ぞ老いを奈何(いかん)せん『秋風辞』
舞台挨拶付きで鑑賞。挨拶の中で悪い人のいない映画とのコメントがあり...
PC瀕死第②弾。 長えなぁ。 ちなみに『楓』は草野マサムネ氏が歌うから『楓』なのだ。それ以外はない。
俺 スピッツ 何枚もCD💿購入してるしDVDも当然。
だから観たよ。
しかし Beatlesのレットイットビー が オリジナルしかあり得ないように
『楓🍁』は スピッツだからこそ『楓🍁』
カバー曲 が鬱陶しかった。申し訳ない
スピッツ 草野マサムネ草野正宗さんの歌唱が全て なのに 最後のエンディングロール場面ヘタクソ
ラブストーリーとしては 生徒役と大人役わけたのは正解✅だが 冗長に感じた。
もうわかりきったストーリー延々。
石井杏奈さんの役 憎たらしすぎ ある意味でヒールは 憎まれててナンボ 好演と言える。
でも長かったなあ
NZランドの良さはわかったけど⭕️
有料パンフ🈶は中綴じにスピッツ関連ある他は極めて平均的。以上 普通の作品でした。
あっ 電源が放電してきた・・・もう 戦艦大和 坊ノ岬状態
あっ HPによると 『遠慮的』
な主題。
確かに 同じ大物 ゆずさん と比べると スピッツさんは 昭和日本人の持つ 遠慮が十分。
『栄光』とか 僕たち可愛いでしょは 無いよ
外来語禁止ゲームに注目!
舞台挨拶で福士蒼汰が1番お気に入り?泣けるシーン?的な話で「外来語禁止ゲーム」と話していた。
どゆこと?って思ってみていたが冒頭早々にそのシーンが登場。途中まで「?」だったが亜子が涼が恵のフリをしているの最初からとわかる。
回想で亜子と涼の日常のスタートが描かれており、「ゲームしよっか」という亜子に対して何が答えかわからずに「えっと、じゃんけん?」と答える涼。それに対しての亜子の「え、外来語禁止ゲームじゃなくて?」の会話で涼が過去に恵が亜子との日常で外来語禁止ゲームをしていたことを知り、自分もそのやり取りを亜子と始める。
そこを知ったうえで冒頭の外来語禁止ゲームのシーンを思い返すと、あまりにも自然なやり取りだったと気づく。一体涼がこんな自然なやり取りになるまでどんな感情を経てきたのだろうか。そう思った時に涙が溢れ、福士蒼汰が言ってた意味がわかった。
涼は恵と亜子どちらもが大切だからこそ、そして亜子も涼にすがらないと自分を保てないほど苦しい状況で、そしてその相手を思いやる気持ちがあるからこその踏み込めない遠慮があって、この2人の絶妙な関係があったのだなと気づく。
喪失だけじゃなくて、2人のその先の希望が見える映画で良かった。
ポスターにニュージーランド版もあったが、これはラストのその後だったりするのかな?とも思ったりした。
見るたびに考えさせらるし新しい発見ができそうな映画。
名作です。
それは愛ではなく、雰囲気だった
「感動しました」と言いやすい空気を丁寧に醸成することに、ほぼ全リソースを振り切った作品である。言い換えれば、観客の感情ではなく、感想欄の雰囲気を設計した映画だ。
喪失と愛を描くと言えば聞こえはいいが、その実態は倫理的にかなり危うい行動のオンパレードである。身代わり的に他人の人生へ入り込み、相手の悲嘆と混乱に付け込む構造は、現実世界なら恋愛ではなくトラブル案件だ。しかし本作は、その問題性を真正面から扱う勇気を持たない。代わりに、美しい風景と名曲と意味深な沈黙で「これは純愛です」という顔をしてやり過ごす。
細部も同様だ。私有地への無断侵入、野良猫への餌やり、距離感を誤った接近行為。どれも現代的な感覚では一発アウトだが、カメラが寄れば許されるらしい。倫理や現実は、画角の外に置いてくるものだという、古き良き“雰囲気映画”的発想が透けて見える。
台詞に至っては、会話というより説明文だ。人間が本来言葉にしない感情を、登場人物が律儀に口に出すため、観ている側は感動する前に冷静になる。「泣いていい場面ですよ」と肩を叩かれているようで、感情が立ち上がる余地がない。
結局のところ『楓』は、切なさを描いた映画ではない。切ないと言ってもらうための映画だ。優しそうな嘘を積み重ね、問題点をすべてロマンに変換する。その手際は見事だが、観終わった後に残るのは感動ではなく、「これは本当に肯定していい話だったのか」という、消化不良の違和感だけである。
5回泣きました
泣かないつもりで観に行ったのに、結局5回も泣いてしまいました。
気づけば、邦画のラブストーリーの中で一番好きな作品になっています。
福士蒼汰さん演じる恵の想い、福原遥さん演じる亜子の揺れる気持ち、
そして石井杏奈さん演じる日和の切なさ。
誰か一人に感情移入するのではなく、
**登場人物それぞれの「誰かを思う気持ち」**が痛いほど伝わってきて、
そのたびに胸がいっぱいになり、何度も涙がこぼれました。
物語を追ううちに、これは「楓」という一つの物語でありながら、
スピッツが楓と共に両A面シングルとしてリリースした「スピカ」のような作品なんじゃないかと思いました。
天体観測のモチーフが、登場人物それぞれの想いを静かに照らしていて、
誰かを見つめる視線や、すれ違う心の距離が、
まるで星の配置のように感じられました。
特に心を掴まれたのが、
福原遥さん演じる亜子の目線で、福士蒼汰さん演じる恵を見つめるシーン。
事故の後遺症による複視で恵の姿が二重に見えているところから、
ふっと焦点が合い、ひとりの姿として定まる瞬間があります。
それは、ずっと涼の面影を重ねてきた視線がほどけて、
亜子が「誰かの代わり」ではなく、
一人の人間として恵を見て、好きになっていることが、
視覚的にも感情的にも一気に伝わってくる名演出でした。
この一瞬で、亜子の心の変化も、物語の重なりもすべて腑に落ちて、
思わず「行定監督、天才じゃん…」と心の中で呟いてしまいました。
あまりにも心に残って、すぐにもう一度観に行き、
2回目でも同じように5回泣きました。
観るたびに新しく気づく感情や視点があって、
星座をなぞるように、また別の「誰かの想い」に涙してしまう作品です。
期間中にもう一度観たら、今度は何回泣くんだろう。
きっとそのたびに、この物語をもっと好きになる気がします。
何度も観るたび涙のポイントも変わる作品
まだ1度目の鑑賞ですが、伏線回収からずっと涙が止まりませんでした。あの時の涼くんや恵ちゃんの思い、亜子のその瞬間からの思い…あまり言うとネタバレになるので控えますが、これは深いヒューマン恋愛映画です。
余韻がすごくて、とても頭に残るし心に残る作品です。
楓の花言葉のように、
「大切な思い出」⇒出会ったあの瞬間が全てを紐付けていて、
「遠慮」⇒相手を慮るゆえの嘘や秘密があり、
「美しい変化」⇒歌詞にある『さよなら』と『僕のままで』が見事に伏線回収されてて、
「調和」⇒バランスが取れなかった2人が再生していく
そんな物語に、感動しないわけありません。
30年前の自分
この作品を見終わって、30年前の自分を思い出した!私もこんな恋をしていたんだと。この作品の括りはラブストーリーなんだけど決して派手な恋物語ではない。だからこそ自分も若い頃はこんなふうに愛情に燃え、コテンパンに挫折して泣き叫び、それでも這い上がってと。何故そんな事を思い出したのか?凄く昔から聞いていたスピッツの楓と、あのニュージーランドの美しい大自然の映像が私をノスタルジックな気持ちにしてくれたのかなと!とにかく疲れた私を癒してくれた作品には違いない。楽曲のちからとは偉大なもので、楓は30年近く前の曲なのに全然色あせてなかった。本当に不思議だ!この作品は悲しくて辛い場面も多いんだけど最後は癒されて、優しい気持ちにしてくれる素敵な作品でした。
涙、自然に流れました。
消化できないレベルの違和感
感想としては、それ別にスピッツの「楓」である必要なくね?って感じでした。物語の展開もなんとなく想像がつく感じではありましたけど、個人的にどうしても引っかかったのは節々の違和感です。例えば、仕事先の後輩とプライベートでばったり会うとか。平日の高校に普通に入って行って屋上でストーリーが進むとかね。これは第三者的な目線で見ると部外者の侵入ですよね。あとニュージーランドでばったり発見、なんてのも少女漫画みたいで冷めてしまいました。そういった細々としたディテールの甘さがどうしても感情移入を阻害してきました。
あと、頭に手を添えるおまじないですが、
側から見たときのシルエットあんまり良くないなあって思いました。特に初対面の異性に対してアレをするのは、顔がいいから許されてる感がありますが、通常であればこれは事案です。まず追って勝手に写真撮ってる時点でそうなのですが。
(上記の部分まで“違和感”といってしまうと映画なんて作れないと思うので、そこは目を瞑ります)
良かった点としては、福原遥ちゃんが可愛かったのと、スピッツの「楓」はやっぱり素敵でした。
そもそも劇場の音響で楓を聴きたかったから足を運んだので満足ではありました。映画自体は、あんまり良いものだとは思いませんでした。
全107件中、41~60件目を表示
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