劇場公開日 2025年12月19日

「胸キュン少なめ、事件も起きないけど、みんなが適度に温ったかいラブ・メルヘン」楓 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 胸キュン少なめ、事件も起きないけど、みんなが適度に温ったかいラブ・メルヘン

2025年12月28日
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鑑賞方法:映画館

福原遥は今や、永野芽郁が卒業してしまった天真爛漫・純真無垢の枠を独占状態ではないか。
この映画もリアリティが全くないのになんとなく観させるのは、彼女の個性の所以だと思う。
なにしろ、アラサーのカップルがプラトニックに同居しているのが考えづらいし、顔認証も通過できるほど同じ顔の双子はいないだろう。
あ…『イーグルアイ』(’07)では国防総省の極秘システムが双子を見分けられなかったか!

たまに製作される歌謡映画。
むかしは曲がヒットした熱いうちにタイアップで映画化された。大むかしは歌い手自身が出演するのが定番だった。
が、昨今の歌謡映画は過去のヒット曲をテーマ曲に持ってきて製作される傾向みたいだ。

スピッツのヒット曲「楓」がモチーフだが、この歌が特にストーリーに影響はしていないうえに、劇中ではなぜかスピッツではない歌声のこの曲が流れる。エンディングロールでやっとスピッツの原曲が聴けるのだ。
どういう効果を求めているのか、よくわからない。

物語は怪しげに進んでいく。
思わせぶりではあるが、行定勲のサスペンス演出は大人しめで、まったりと展開していくから悪くいうと退屈だ。
双子が身代わりを務める無理のある話だと事前にわかっているのだが、だからこそ無理筋が気にかかる。気づかないはずがないだろう、と。
ところが、メルヘンなりにちゃんと理屈があって、どんでん返しというか、仕掛けが用意されていて感心した。

福士蒼汰は同年代の俳優たちが次々に飛躍を遂げているなかで、ここのところ影が薄くなっていた気がする。歳下の松坂桃李や水上恒司らの追い上げも厳しい。
芸達者なアイドルグループ系俳優の競技場になっているラブ・ストーリーで、存在をアピールできたか。
果たして、裏のある怪しい人物と真直な優しい人物をちょっとした表情で巧みに演じ分けていた。
淡白ではあるが、それが福士蒼汰の魅力なのだと示したようではある。

脚本の高橋泉は最近では『東京リベンジャーズ』シリーズというヒット作があるが、あまりパッとしたイメージはない。WOWOWのドラマ「かなたの子」の脚色は上手かった記憶があるが。
そもそもラブ・ストーリーが得意なのだろうか。
あえてキラキラ映画にしたくなかったのかもしれないが、やはりラブシーンは入れるべきではなかっただろうか。大人の恋なのだから。
行定勲と高橋泉のベテランどうしのコンビが、少し照れながら創ったようなメルヘンチックなラブ・ストーリーだった。

kazz
トミーさんのコメント
2025年12月28日

共感&コメントありがとうございます。
福士くん、亜子の手術の時はほっぽり出してましたからねー石井杏奈さんのフォローが大変そう、売れっ子なんスかね?

トミー
トミーさんのコメント
2025年12月28日

楓2があるとすれば、深い仲の二人に向けられる冷たい目、亜子尻軽!気持ち悪い・・って話になると思います。

トミー
uzさんのコメント
2025年12月28日

ラブシーン入れちゃうと、別人(の体)なのに、という気持ち悪さが出ちゃいますからね…
その辺を誤魔化すくらいなら同棲させない方がよかった気がしますが。

uz
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