「楓」楓 ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
楓
曲の映画化ってどこに需要があるんだろう?と公開される度に思うんですが、その多くが余命映画になってしまうのもあり、これは観にいかなあかんなという使命感に駆られて鑑賞。
案の定微妙というか設定が飲み込めない作品でした。
双子での入れ替わりや死との関わり方なんかが後付けで捕捉されるとはいえ中々モヤモヤさせられるので困ってしまいました。
ただ余命の方向に行かなかったのでこれは良くも悪くも一筋縄ではいかんなと思いました。
もう冒頭から笑っちゃうんですが、運転して一時停止していたら対向車線から思いっきり爆走しているトラックが走ってくるので、あっこれは轢かれるなと思ったんですが、もう故意に直撃してきており、対向車の運転手の描写も何もないので、有名な「前から車が〜!」の逆verみたいで笑ってしまい、そして行く先が不安になりました。
この事故の後遺症で合併症発生させないよな?と余命ものを感じさせましたが、そこには辿り着かなくて良かったです。
そこからの双子の弟と入れ替わりというのも同じ顔だとはいえ過ごしてきた人生があるから溶け込むのは無理があるだろう〜と思いましたが、なんとかうまくいっている状態には外野からは見えたのでヒヤヒヤでした。
ただ偽物とはいえ2人の生活は朗らかで、福士君と福原さんの笑顔が眩しくてとっても栄養素でした。
涼と亜子に近しい人が偶然なのに必然な勢いで現れるのはかなりのご都合主義を感じますし、涼の同僚の日和の「ヘイ彼氏〜ホテルでも直行しちゃう?」は中々のゲス発言で笑ってしまいました。
そんなにおんなじ場所で偶然会えるかーいとツッコミをせざるを得ませんでした。
登場人物のほとんどに相手にGPS付けてんじゃ?ってくらい相手のところへ向かう能力がずば抜けており、それに加え透明人間なのか?ってくらいどこにでも侵入できちゃうので、そこでかなりリアリティが削がれたなと思いました。
そこから2人の隠し事が色々と明かされてはいくんですが、涼の隠し事である弟との学生時代の入れ替わりはロマンティックだなーと思いつつも、回りくどいなとも思ってしまいました。
亜子は目の手術を黙って受けたというまぁ予想範囲内の事だったので、ここで失明とかしたら嫌だなーと思いましたが、そちらへは進まなかったので一安心です。
年月が経ってからの物語が意外と長く、久々の再会も美しいよりも先に恐怖が勝たない?と思ってしまいました。
星空が美しいだけに人間の物語が霞んだなーという印象です。
「楓」のカバーとBGMが何度か流れるんですが、ぶーやんと十明さんのカバーの流れるタイミングがなんとも微妙で、しかも同じ曲なので歌声以外の変化がないので感情が揺さぶられなかったので、カバーは無くても良かったんじゃない?と思ってしまいました。
お二方のカバーは良かっただけにもったいなかったです。
歌詞をなぞっていけばある程度ストーリーと密接ではあるなと思いましたが、双子と亜子の共通アイテムであろう星空がメインにはなってくるので、これもう「天体観測」では?となってしまいました。
いつ2人が午前2時に踏切に行くんだろうとソワソワしている自分がいました。
ハマらずといった感じでしたが、役者陣はとても良かったですし、映像面での見応えはあるので、物語のチグハグささえ無ければなーと思いました。
鑑賞日 12/23
鑑賞時間 16:45〜18:45
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