「感性」楓 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
感性
は、人それぞれだ。
「君の声を抱いて歩いていく」
「僕は僕のままでどこまで届くのだろう」
「さよなら」
この辺の詩を膨らますとああなるのだろうか?
正直「楓」という歌はサビしか知らない。
歌から着想を得た映画というあまり聞いた事のないコンセプトに惹かれて観にきた。
監督なり脚本家のフィルターを通したらああなるのだろう。…俺にはあまり共感できる話ではなかった。
ただ創造力や想像力は旺盛だったなぁ。
あの詩から
双子が生まれ、天体観測が生まれ、複視が生まれ、ドラマが紡がれる。大した料理人である。
ラストにご本人の「楓」が流れた時にグッとくるものが無かったのが、この解釈に共鳴できない証明なのだろう。
最後の「やっと見つけた」は技ありだなぁとは思ってて、「楓」へのアンサーのようにも思う。
本編はというと匂わせの箇所が多くて…座り心地悪し。
正直、気持ち悪いレベルのシチュエーションでもある。
どのくらいの期間、2人で過ごしてたのだろう。
季節をだいぶ跨いだようにも思うし、短くても半年以上はやってそうだ。
その間の2人の心中を想像すると、どうにも。だって屈託なく笑うんだぜ?お互い。記憶喪失だったならまだしも、初めから知ってたって…えええ。
そしてキスまでしちゃう。
お互いが交わす初めてのキスなんじゃなかろうかと後になって思うのだけど、初めから気づいてたって設定が明かされるとどう解釈していいのやら。
あんなにこやかに近づいて、なんら不自然な素振りも躊躇もなく出来ちゃうなんて1月やそこらでは出来ないようにも思う。
なんていうか、時間がもたらす異物感を誤魔化そうと言うか、有耶無耶にしようとしてる節がある感じで萎えたりもする。
あの後、2人はどうなるのだろうか?
友人にはなれると思う。
恋人ってゴールは無理だろう…と思う。
どうにも落とし所に戸惑う物語であった。
サビの部分に帰結はするものの、この解釈なのか感性は俺には合わなかった。
キスの際に、一瞬の逡巡すらないんですよね。
まぁ同棲してるし日頃からしてたのでしょうが、お互い「違う」と分かってるからあまり映してしまうと気持ち悪くなる。
これに限らずそういった不都合な面を、仰るとおり有耶無耶に誤魔化してるように感じました。
『楓』を原案とするなら、せめて亜子は最後涼のところへ行ってはいけない気がします。
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