「【"一卵性双生児の兄が弟が亡くなった後に彼の恋人の傍に”兄として”寄り添っていた訳。”今作はある悲劇の後に優しい嘘をつき続ける男女を描きながら、ラストでは未来への希望を感じさせる恋物語である。】」楓 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"一卵性双生児の兄が弟が亡くなった後に彼の恋人の傍に”兄として”寄り添っていた訳。”今作はある悲劇の後に優しい嘘をつき続ける男女を描きながら、ラストでは未来への希望を感じさせる恋物語である。】
ー 一卵性双生児の弟、ケイ(福士蒼汰)と恋人アコ(福原遥)は、天体観測に出掛けたニュージーランドで事故に遭い、ケイは帰らぬ人になる。
だが、暫くして二人は仲良さそうに一つ屋根の下に暮らし、一緒に家を出る。だが、”ケイ”はバスには乗らずに、近くの公園のコインロッカーに入れてある服に着替えて、少し悲しそうな顔でWCの鏡で自分の顔を見て髪型を直し、伊達眼鏡を外しカメラマンとして職場に出掛けるのである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤は、”ケイ”の代わりをしている一卵性双生児の兄、リョウ(福士蒼汰)が弟の残されたた恋人アコを心配して、代わりを務めているのかな、アコの事故による複視が治ったら別れるのかなと思いながら観ていたのであるが、アコが”ケイ”ではなくリョウである事に気付きながら、彼の優しく哀しい嘘を受け入れている事が分かるシーンが、まず沁みるのである。
だが、彼女は複視が治ったタイミングで、リョウに別れを告げるのである。このままでは二人の未来が開けないと判断したからだと思う。
■今作が一番琴線に響くのは、高校時代に合唱で独唱をするプレッシャーの為に屋上にいたアコの姿をカメラに収め、彼女の頭に手を置いて、
”バターが溶けて流れ込んで行く。”
というプレッシャーを除くオマジナイを掛けたのがリョウであった事が分かる、二人が別れ三年後にアコがケイの部屋で母(大塚寧々)に、ケイの姿をしたリョウの写真を見つけるシーンである。
【リョウは、心配と同情心ではなく初めてアコと会った時から、彼女に惹かれていた事】が分かるシーンだからである。
だが、リョウはアコのケイへの想いを知っているので、その想いをずっと封印していたのである。故に彼はケイ亡き後に、アコの傍に”ケイ”として居続け、彼女を見守っていたのである。
・そして、アコは世界を写真家として飛び回るリョウを探すのである。
或る日、ケイと話していた新星の彗星を見つけたアコは、国立天文台にその事を届ける。すると、後日天文台から電話ががありそれは、既に見つけられている彗星であるが、直前にある若者から同じ電話があったことを知り、彼が居るニュージーランドに行くのである。
そこでは、リョウが星空を眺める人達の姿をカメラに収めているのである。
リョウはアコの姿に気付く。
そして、リョウとアコは初めてお互いを確認し見つめ合いながら、満天の星空の元、湖に浮かべた舟で、共に星空を見上げるのである。
<今作は優しく哀しい嘘をつく男女の姿を描く、切なく哀しくも、ラストシーンで、微かなる未来への希望を感じさせる恋物語なのである。>
共感ありがとうございます!
後半の伏線回収で涼と恵が別の高校に行っていたことが分かるまで、亜子も周りの人たちも、一卵性双生児であることに気付いていないのが不思議でした。涼と亜子の関係性だけでなく、日和の切なさが伝わってきてその部分でも涙腺が崩壊しました。
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