アニタ 反逆の女神のレビュー・感想・評価
全2件を表示
こんな素敵な女性がいたなんて
ローリング・ストーンズのまさにミューズ、アニタ・パレンバーグ(1944-2017)の波乱に満ちた人生を描いた傑作ドキュメンタリー。
イタリア系ドイツ人でモデル、俳優、ファッションアイコンであったアニタ。その稀有な魅力で1960~70年代のロック文化における象徴的存在となった。
1965年にブライアン・ジョーンズと恋に落ちメチャいい関係になったけど、ブライアンのDVで破局。
ブライアンの没前からキース・リチャーズとつき合い始め、結果彼との間に3児をもうけることに。キースこそが運命の人だった。
映画で共演したミック・ジャガーも虜になり、撮影中に関係をもったようだが、キースのもとに戻っている。
ミックの恋人でアニタの親友でもあったマリアンヌ・フェイスフルは恋に敗れたが、ミックもアニタを自分のものにはできなかった。
その時の心情を歌ったのが「無常の世界(You Can’t always get what you want)」だというが真実は如何に。
誰をも虜にする素敵な女性だったけど、人生の後半戦は不遇だったようで、それが残念で仕方がない。
神様はホント悪戯だ。
ちなみにアニタの死後に発見された回顧録を読んだのはスカーレット・ヨハンソン。彼女の声が今作を更に特別なものにした。
生き抜いた人生
生き抜いた、という言い方が一番しっくりくるのではないだろうか?
戦中生まれで10代でNYに渡りウォーホルやジャスパー・ジョーンズといった当時の最先端アートの強烈な洗礼を受けた後のストーンズとの出会い。家族を築きながらも薬物に溺れ、幾つかの死と共に全てを失った人生。やがてそこから這い上がり、大学に入り直し女優としても復活を遂げる。
なんと清々しい人生だろう。死後発見された自筆の回想録の、スカーレット・ヨハンソンによる朗読が素晴らしい。ケイト・モスとツーショットに収まる年老いたアニタの姿は、あまりにも美しい。
素晴らしい人生讃歌。
全2件を表示

