クラッシュ(2005)のレビュー・感想・評価
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現代に潜むストレスの原因は妄想
この映画は人間が常にイラつき
常に人に高圧的になってしまっている原因を描いています。
人種問題を題材にはしていますが
描きたかった物の根本は『人種差別が行われる原因』だと感じました。
黒人は陽気でいい加減
白人は酒飲みで自尊心の塊
アジア人は意地が悪く
東南アジア人は貧乏で
中東系はテロリスト
これが自分の中にある偏見です。
この偏見は一体どこから来たものなのか、、
一部は経験から 一部はテレビから
一部は人の話から勝手にイメージ上の人物像が出来上がり今にいたります。
つまり、外国人と相対した時、
目の前の人物を見ることなく
一人で勝手に妄想し
一人で勝手に信じ込み
一人で勝手に相手を決め付け
イライラしたり、勝手に仲良くなった気になってるだけという(笑)
こういうバイアスや先入観は
映画を見たくらいで拭えるような代物ではないですが
同人種でも他人に意味なくイライラしたりしてしまうような時は
原因は自分にもあるという事を気づかせてくれるキッカケになる映画だと思います。
途中、息苦しくなるよう空気感でズシーンと進んでいきますが、登場人物達にとって救いのある終わりかたで
見てる側にも重いながらも爽やかな幕引きで良し。
シナリオはとても良くできているので
普通の映画として見ても楽しめます。
人間讃歌
何度観ても素晴らしい出来栄え。そして美しい。
登場人物が何人も出て来て、それぞれに焦点が当たるので三時間くらいありそうだけど、2時間弱でまとめられてて、且つそれぞれのエピソードやキャラクター造形がしっかりしてて物足りなさが全くないという凄さ。
俳優の演技はもちろん、やはり脚本が完璧なんだと思う。
悪いと思ってたやつが良い行いをしたり、良い人が過ちを犯したり、強がってる人が弱い人間だったり、全部ひっくるめて人間讃歌なんだと思う。
ロスと言う人間のるつぼを舞台に前半、色んな人種の色んな考えを持つ相容れない人たちがいるとふっといて、中盤から後半にかけて、たった1日でその人たちが絡み合いそれぞれの考え方や人生が変わる日になる。
何度観ても鳥肌が立つ。
ベスト10に入る映画。
登場人物が多いですが、頭を整理しながら見ると難しくはありません 途...
クラッシュ
登場人物が多く、最初は誰が誰だか話がこんがらがるけど、だんだんそれぞれの物語が見えてきて、最後数十分で全体像が見える。見事な脚本。最初に若者の死体のシーンを持ってきたことで、後のシーンが映える。あそこでハッとなった人は多いと思う笑
これだけ登場人物がいるのに完璧な良い人も、完璧な悪人もいない。あえていうなら世界が悪い、のかな笑 だからこそ全員が全員ハッピーエンドじゃないし、歯がゆいものも多い。人間誰だって自分の人生しか生きたことがないから、人と相いれないこともあるし、すれ違うし、よくぶつかる。「ぶつかるなかで、強くなっていく」っていう最初のセリフが、この映画を体現してる。
たくさん話はあるけど、女の子のマントの話と、白人刑事コンビと黒人たちの話が好き。若い白人刑事はこれからもっとぶつかってって欲しいなあ笑
とにかく脚本と映像が素晴らしい。見事に切ない。オススメです。
見事なテーマ
人種差別をテーマにしながらイデオロギーにならず多角的な視点から描く脚本は見事としか言いようがありません。押し付けがましい道徳観程萎えるものはありませんよね。正義、悪を分けるのではなく、人間をリアルに描いています。オムニバスではなく、進行型で物語がクロスしていく構成が素晴らしい。グッとくるシーンがいくつもありました。特に透明マントのところはよかったですね。家族側もそうですが、ぶっ放したおっさん。あんな救われ方もあるんだなぁと。この映画の核はタイトル通り「ぶつかり合うこと」。それを避けてきたリベラル刑事のトムのストーリーがぶつかり合うことを避けてきた人間がどうなるかというのを皮肉として描かれています。あういう人間が増えてきた今「ぶつかり合うこと」の大切さを問う深いテーマの映画でした。ラストはぼぼ降らないはずの砂漠のロスに雪が舞います。この映画をみて私たちは差別ない世の中などあり得ないと思うかもしれませんが、砂漠のロスにも雪が降るのだから、もしかしたら…
難点はたったひとつ
エンドレス
人種差別をテーマにした映画。このころは色々な物語が少しずつ重なっているっていうのは新鮮だったかもしれないけど、今思うとそうでもない。最近そういうの多いし。
黒人の差別だけでもアジア人とかだけでもない。どんな人種も差別される。被害者だけっていうのが存在しなかった。一番気になったのは、あの若い警察官。パートナーの先輩が黒人差別をしたからパートナーを変えて欲しいって言った。自分は差別なんてしない。そしてあの差別された黒人を守ろう。これでいいんだ。って思ってただろうけど、実際彼は黒人を知らない。近くにいるとやっぱり不安感や警戒心がある。だから最後はあの先輩と同じになった。というよりむしろそれ以上。実態を知らないとダメ。やっぱり自分は差別なんかしないと思っていても、どこかでそういう警戒心が生まれているのは事実。そして差別はなくならない。
結構考えさせられる映画だった。いい映画。
サードパーソン見てからこっち見るとちょっと落ちると思うけど。
人間の本質
人々が悔い改めていく群像劇。
全体的に印象良くない感じで現れた登場人物たちが順々に悔い改めていく群像劇。前半にものすごく胸糞悪いシーンがあってとりあえず「ウェイワード・パインズに帰れ!」って怒鳴ろうと思ったけど、最後はすごい泣いた。
鍵の修理屋を営んでいるヒスパニック系のお父さんが、引っ越す前に住んでいた家の近所で鳴り響いていた銃声が怖くて今もよく眠れない娘に、透明なマントをかけてあげる。そのマントはお父さんが自分のお母さんからもらったもので、銃弾をも通さない無敵のマントと言う。自分はもう大丈夫だから、と言い聞かせて娘も安心するんだけど、ある日、お父さんが恨みを買ってある人に銃を突きつけられてしまう。それを見た娘は「もうパパにはマントがないの!」と叫んで抱きついたところに銃声が轟いて・・・
もうね、このシーンがあるだけでこの映画の価値はあった、と思った。登場人物たちの日々が少しずつ交錯して、歯車が噛み合う中でそれぞれが何かを感じていく、というストーリーはさほど大きな盛り上がりがあるものではないけど。でもこのシーンがあったから超いい映画。素晴らしい映画。
「サンドラ・バロックだけが最後までクソだったね」by夫。おっしゃる通りです。
人種差別を描いた群像劇
人種差別を骨太に描きつつもドラマティックで飽きさせない内容。
一方的ではなく色々な角度から描かれているところが◎
例えば差別の原因も、単に白人万歳!な選民思想による場合もあれば、
黒人優遇政策によって、実際に損をした白人がそれを恨んでいる場合もある。
そもそも差別とは何か。
例えば普段は白人だけのコミュニティの中に、
珍しく粗末な服の黒人が1人紛れてきたとき、
その人物を警戒するのは許されないのだろうか。
そういう、簡単には割り切れない話が、
群像劇という形で巧みに描かれている社会派映画で、
そして何より感動のヒューマンドラマでもある。傑作。
人種差別がテーマの映画
人種差別がテーマの映画です。
アメリカは人種のるつぼと言われていますが、多様な価値観の人が住むことの難しさを感じました。
また銃社会アメリカならではの怖さについても考えされます。
映画全体を通してストーリー性もあり、アメリカ文化を知る良い映画だと思います。
暗くていい
前に見た時はそうでもなかったのだが、今回改めて見たら登場人物がみな辛酸をなめていて、いい感じで暗かった。また暗い映画が見たい気分の時に見返したい。特に正義に燃える若い警官が殺人を犯してそれを隠ぺいするのがよかった。
それにしても気が小さいのか、変に興奮しなければその場で小さく収まることが多かった。興奮するとろくなことがない見本のようであった。
さすが!
人種差別、権力の乱用、貧富格差、言葉の壁、風土の壁、銃社会の問題などなど。アメリカ社会の“歪み”を見事に描いた傑作。
はじめは断片的なエピソードが連続するのでみていて疲れるが、途中からそれらのエピソードが交わりはじめ、関連性を帯びはじめるため、徐々に加速して面白くなっていく。
また、各々で描かれているテーマは、重く、ずっしりとしたものばかりなので、ちょっと疲れてくる…かと思いきや!これが上手い具合に重くない。
問題(テーマ)を浮き上がらせ、観客に“感じとって”もらい、観客自身で“答えを考える”というような作りになっている。非常に巧妙だと思った。
自分自身も自身では気づいていないが、知らず知らずの間に、ここで描かれているような差別や軽蔑を行い、人を傷つけている可能性がある。と、考えると、とても怖くなってくる。
コレはアメリカの極端な例を描いたものだが、日本にも多くは当てはまるハズ。他人事だと思って距離を置くのではなく、自分事だと思って真摯に向き合うべきだと思う。
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