「カリカリしなさんな」クラッシュ(2005) nok0712さんの映画レビュー(感想・評価)
カリカリしなさんな
やっぱ、人間カリカリしてちゃダメだよな。
色んなパターンの心の衝突を群像劇の形でぶつけまくらせていて、結果ハッピーになった人も居れば、アンハッピーになった人も居る、そんな映画。ただ、結果はどうあれそれぞれ何かしら得ていて、それを次の事に繋げたいなと、一歩進んだ状態で終わりを迎える。
難しい、難しい話だよ、ほんと。
人間ただでさえ完全には理解し合えないのに、社会の構造的な問題がより一層その事を深みにはまらせている。
特にアメリカにおいては黒人、プエルトリコ人、メキシコ人、中国人、ペルシャ人、その他大勢の白人が隣同士なんて事が普通だろう。
目で見て判断できる、区別できるという事は、簡単に人をこうだと決めつける意識を同時に与えること。
ちっちゃい頃からああ言った人達はこうだとカテゴライズされて来て、本人はそう思っていなくても、良い悪いではなく深層心理には深く刻み込まれた意識がふっと沸いて出てくるのはそんなに難しい事ではない。
まぁそれを表に出すのか出さないって事で衝突するのかしないのかって事だか、この映画の登場人物達はみんな事あるごとにその意識を表に出してくる。ほんとクズ人間ばかりだなって色んな場面で思う。
映画なんである程度演出と思いたいが、あまりにも自然にその意識を出して来るので、アメリカってこうなの?住みにくいなぁ、なんて思ったり。
「人間は触れ合いたい、心をぶつけ合いたい」
それにはどうしても認識の違い、理解の違いでの衝突は避けられない。それはストレスだし、みんなやっぱりそのストレスからは逃げ出したい。
一歩下がって冷静に考えればビックリする程進んだ位置に辿り着けるのに、当事者にはなかなか難しい事だよほんと。
認識の違い、理解の違いを簡単に埋められるスポンジのような人になれればなぁ。
だってあの女の子はホント天使のような人物じゃない。