劇場公開日 2006年2月11日

「人種の多様性が見せる混迷のドラマ。しかし、感動の一作。」クラッシュ(2005) 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人種の多様性が見せる混迷のドラマ。しかし、感動の一作。

2013年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

2006年アカデミー作品賞受賞作。下馬評では、「ブロークバック・マウンテン」が受賞と言う感じだったんですが、大どんでん返し。もっとも、監督賞は「ブロークバック・マウンテン」のアン・リーだったんですが。この結果は、「ブロークバック・マウンテン」は同性愛を描いていたので嫌われたが、無視できない作品だったので、監督賞を与えたと言うような都市伝説になってもいます。
白人、黒人、ヒスパニック、アジア系・・・。様々な人種が入り乱れて生活し、それぞれ依存し、対立している。アメリカの縮図そのものを描いています。また、家族同士も愛し合い、誤解し、すれ違う。様々な局面に人生の無常観を強く感じますね。物語上、特に大きな事件はおきません。淡々と、様々な人種が入り乱れて関連しているある一日が描かれています。それでも、人種間の摩擦を下とした様々な問題が引き起こります。これを見ると、1992年に起きたロス暴動は、起きて当然かなぁと言う気にもなります。
ドン・チードルが良いです。彼の哀しい表情は何とも言えないですね。『ホテル・ルワンダ』でも良かったですが、この作品でもいいです。サンドラ・ブロックは、ああ言う演技しか出来ないのかなぁ・・・。引き合いに出して悪いかもしれないですが、ドン・チードルの様な、表情で見せる演技って出来ないんですかね。
何れにしてもいい映画です。お薦めです。

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勝手な評論家