「さすが!」クラッシュ(2005) サケビオースさんの映画レビュー(感想・評価)
さすが!
人種差別、権力の乱用、貧富格差、言葉の壁、風土の壁、銃社会の問題などなど。アメリカ社会の“歪み”を見事に描いた傑作。
はじめは断片的なエピソードが連続するのでみていて疲れるが、途中からそれらのエピソードが交わりはじめ、関連性を帯びはじめるため、徐々に加速して面白くなっていく。
また、各々で描かれているテーマは、重く、ずっしりとしたものばかりなので、ちょっと疲れてくる…かと思いきや!これが上手い具合に重くない。
問題(テーマ)を浮き上がらせ、観客に“感じとって”もらい、観客自身で“答えを考える”というような作りになっている。非常に巧妙だと思った。
自分自身も自身では気づいていないが、知らず知らずの間に、ここで描かれているような差別や軽蔑を行い、人を傷つけている可能性がある。と、考えると、とても怖くなってくる。
コレはアメリカの極端な例を描いたものだが、日本にも多くは当てはまるハズ。他人事だと思って距離を置くのではなく、自分事だと思って真摯に向き合うべきだと思う。
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