ただいまを返す旅のレビュー・感想・評価
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ただ暇を返す旅
予告でクオリティが低そうだったのでスルー予定でしたが、せっかく下北沢まで来たので。
VTuberにはまったく興味がなく一人も知らなかったが、意外にも演技はそこまで悪くなかった。
その代わり、絵はとことんヒドい。
基本の歩きすらまともに描けておらず、表情は声のテンションに届かず、止め絵すらバランスが悪い。
水の表現だけは良かったが、それも部分的。
世界観もまったく掴めなかった。
異様に明るく密度の高い星空に、やたらデカい星がひとつ浮かんでいて、頻繁に流れ星が流れる。
海の中の線路や駅、トンネル、砂漠、鳥居…精神世界かと思えばカイやリリが普通に追いかけてくる。
マナの家の入り口は土間のようになっており、およそ人が住んでると思えないほど物が無い。
受話器が大きいのは作画の悪さなのか、そういうデザインなのか、マナの顔が小さいのか、もう分からん。
話としても都合良く記憶を消したり戻したりして自己完結しただけ。
三角関係は何一つ解決せず、終盤2人は出てもこない。
監督はアニメ制作を志した高校時代から、作画、音楽、脚本などを広く学び、本作もほぼ個人制作らしいが…
どれひとつとして鑑賞に耐えるレベルには達していないので、僭越ながら今からでも専門を絞るべきでは。
個人制作の映像の質としては20年以上前の『ほしのこえ』にも届かず。
脚本としてもほぼ同じ尺の『言の葉の庭』に及ばず。
新海誠ってやっぱ凄いんだなぁ、と改めて思った。
おかえり
自主製作のアニメ映画が劇場公開となるとそりゃ観にいかんとという事で観てきました。
特典はポストカードでした。
自主製作だからこそ得れる栄養がたんまりと存在していました。
インスピレーションを受けた作品の要素をガッツリ入れてみたりと遊び心満載でとても見応えのある作品でした。
記憶を取り戻すために旅へ出向く少女のお話で、過去のトラウマによるものから失った記憶、現在進行形での葛藤なんかのドラマも展開されたりとで、少女の辛さがそこにあるはずなのにうまく掴めないもどかしさが今作のらしさを発揮していたなと思いました。
親と子の関係性のお話が多い中で違うアプローチが展開されていたり、子供から大人になる成長過程なんかが心情に表れているってのも素敵でした。
空白の多い世界観というのも観る側が考えることが沢山あるなぁというのも良かったです。
途中ガッツリ水面を走る電車が出てきて「これは千と千尋の神隠し」だなぁと思いましたが、監督が舞台挨拶で衝撃を受けた一本として挙げていたので納得できちゃう描写でした。
他にも星空の美しさだったりボーイミーツガールなところは新海監督の影響かなぁと思ったら「秒速5センチメートル」からも影響を受けているみたいで思わずニヤニヤ。
物語の根幹に歌が関わってきているのも「君の名は。」以降の新海監督っぽさもあったりして良きでした。
こういう影響を隠したがる監督さんも多い中で、はっきりと明言してくださったのは凄いなと思いました。
アニメーションとしてはそこまで動きはないですが、シンプルだからこそ感じられる登場人物の些細な変化がビシバシ感じられましたし、今作を観ようと思ったきっかけであるキービジュアルの美しさは水彩画として映画内でも力を発揮していてお見事でした。
水彩画タッチでのアニメーションの展開もあったりとしたら面白いなとも思いました。
声優さんは意図せずVtuberの方々が集まったというのも面白かったですが、皆々様とてもお上手でキャラにもマッチしていてとても良かったと思います。
それぞれのVtuberの方々の肩書きが気になりすぎてそれぞれの動画を巡回しちゃいました。
今作が引退作でありながら次回作の構想を練っているという事らしいので、次回作はどんな作風で攻めてくるんだろうととても楽しみですし、オリジナルアニメに沢山救われてきた人間ですのでこれからも応援し続けたいなと思いました。
これもまた劇場体験。
鑑賞日 8/1
鑑賞時間 20:20〜21:10
待ちに待った公開!
このクオリティをほぼ一人で制作してた監督も凄かったし、キャストの皆さんもそれぞれ良い演技をしていたし、挿入歌や主題歌もとても良かったしで、本当に良い作品でした!
不幸も幸せの一部、このテーマは特に印象に残っていて、今後の人生で思い出すといい教訓になるかなと思いました!
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