「ドラマ版からの完璧なアンサームービー」劇場版 時をかける愛 ハマーさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ版からの完璧なアンサームービー
17歳の黄雨萱(ホァン・ユーシュエン)は28歳の李子維(リー・ズーウェイ)と出会う。
既視感のある二人。それもそのはず、黄雨萱が幼いころ迷子になっていたのを助けたのが当時高校生だった李子維だから。
【以下、ドラマ版の内容補足。ご興味があればお読みください】
★★★李子維は高校当時、陳韻如(チェン・ユンルー)という同級生がおり、性格や表情が暗い陳韻如に対して李子維は恋愛感情はない。いっぽう陳韻如は明るい李子維へ恋心を抱いていた。
ところが、陳韻如に未来から来た黄雨萱が入り込むことで陳韻如は性格が明るくクラスの人気者になっていく。この女性二人はそもそも顔が瓜二つなのがキー。
自分は未来から来た黄雨萱だと名乗り、このままだと本当の陳韻如は事故死する運命だから助けなければと李子維とその親友の莫俊傑(モー・ジュンジュエ)が奮闘。
中身が明るい黄雨萱の陳韻如に李子維はどんどん惹かれていく。
親友の莫俊傑は暗いほうの陳韻如が好き。見た目は同じなので性格が変わってしまった彼女(陳韻如)は一体どこへ行ってしまったのか。
いろんな手立てをするがけっきょく陳韻如は死に、黄雨萱が未来からくることも不可能になる。
10年ほど後の場面。あろうことか莫俊傑が陳韻如を殺したという無実の罪で収監されてしまっている時空で、李子維は自動車事故に遭い死にかけるが、まったく別の場所で自殺しかけていた王詮勝(ワン・チュエンション)という人物の身体をかりることになり、中身は李子維で外見は王詮勝という人物が出てくる。
この王詮勝は、記憶は李子維の部分が多いので、何もかも知っている状態で黄雨萱に意図的に出会う。。うまく恋人になり束の間の幸せ。
ところが王詮勝は結局飛行機事故で死ぬ。
こんどは黄雨萱が過去に行き、死んだはずの恋人と瓜二つの高校生の李子維(この時点では単に李子維でしかない)に出会う。→冒頭の★★★にもどる
カセットテープで意図的にタイムトラベルを繰り返したせいいで、シチュエーションが重層的になり収集がつかなくなる。
黄雨萱と李子維は、意を決していったん時空をリセットすることを決意。伍佰(ウーバイ)のラストダンスを聞きながら、忘れてもきっとまたどこかで出会えると信じながら。
莫俊傑がカセットテープを処分することで時空の行き来ができなくなったはず。。。
【ここまでがドラマ版の概略です】
最後のエンドロールで、これはコロナ禍に製作されたんだと我に返るまで映画の世界感に浸りっぱなし。
アリス・クーとグレッグ・ハンがドラマと映画でも3、4人を演じ分けていて見事。
特にアリス・クーは、黄雨萱の現在と過去、陳韻如の現在と過去、黄雨萱の内在した陳韻如、陳韻如の内在した黄雨萱、心の檻に入れられた黄雨萱あるいは陳韻如(ドラマ版のみ)、映画版の既視感はあるけど李子維と初めて出会う黄雨萱など、いったい何パターンの人物を演じたのか。
羅列しただけでもこんがらがりそうになります。
この映画が公開されるのを何年も心待ちにしていました。このドラマ版のおかげで中国語に興味をもち勉強、映画版もところどころを原語で味わえ感慨深いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。