六つの顔

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劇場公開日:2025年8月22日

解説・あらすじ

「ジョゼと虎と魚たち」「のぼうの城」の犬童一心監督が、人間国宝の狂言師・野村万作を追ったドキュメンタリー。

日本で650年以上にわたり受け継がれてきた伝統芸能・狂言の第一人者であり、芸歴90年を超えて現在もなお舞台に立ち続ける野村万作。2023年には文化勲章を受章し、翌24年6月には受章記念公演を開催、ライフワークとして磨き上げてきた珠玉の狂言「川上」を上演した。本作では、その公演が行われた特別な1日に寄り添いながら、万作が自身の過去に対して思い浮かべる“六つの顔”をアニメーションで表現するなど、大胆かつ繊細なアプローチで彼の芸境に迫る。狂言への思いを語る万作の姿に加え、息子・野村萬斎、孫・野村裕基へのインタビューも収録。さらに、「川上」の物語の舞台である奈良・川上村の金剛寺の荘厳な原風景もカメラに収め、万作が長年にわたり追求してきた世界観を、その至高の芸とともにスクリーンに映し出す。

「頭山」でアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた山村浩二がアニメーションを手がけ、俳優のオダギリジョーがナレーションを担当。野村万作と野村萬斎が監修を務めた。

2025年製作/82分/G/日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2025年8月22日

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(C)2025 万作の会

映画レビュー

5.0 盲目の男が自分の目と引き換えに何を手に入れるか❓

2025年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

映画「国宝」からの古典芸能シリーズということで、「覇王別姫」(京劇)はさんで、本物の人間国宝、狂言の野村万作さんのドキュメンタリー観てきました。

前半は、撮影時点で93歳、現在94歳。ご自身がまだ到達されてない高みを追求するストイックな姿勢から、お父さん万蔵さんへの憧憬、野村家のルーツまで(万作さんのお祖父さんが金沢から上京してスタートとな!)、オダギリジョーのナレーション、俳優として人気の萬斎さん(万作さんの息子)、その子どもたち(万作さんの孫)のインタビューで語られます。

後半は、文化勲章記念公演の舞台裏から、本番舞台(4カメ、セリフの現代語訳付き)までしっかり見せてくれ、ここがむちゃくちゃ素晴らしかった。

演目は、万作さんがコミカルな狂言ではなくシリアスな狂言として選んだ「川上」。

盲目の男が奥さんに見送られながら、参拝すると目が見えるようになると評判の地蔵にお詣りに。はたして目が見えるようになった男が、地蔵に言われた条件とは?というお話。

みなさまおなじみの、夢を叶えるために何らかの代償を払うはめになって苦しむという定番ストーリー。古くはギリシャ神話のメフィスト伝説、音楽界隈ではクロスロード伝説、日本だと笑うせぇるすまん的なやつです。

盲目の男役の万作さんが、今年観た映画「罪人たち」のバディガイと被って見えました。

「川上」は、ほとんどが盲目の男の一人芝居でこのあたりも見どころですが、93歳が演じるのと例えば50代が演じるのでは受け止めるものがずいぶん違うんだろうなと想像しながら観てました。お芝居の面白みですよね。

映画観ながら、10年ほど前に地元の薪能で野村万作さんの舞台を観劇してたことを思い出しました。あの時も所作というか体の使い方がすごかったのが印象に残ってます。

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minavo

3.5 顔の違い

2025年9月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

驚く

癒される

能と違って面を使うわけではないので顔を使い分けるということ?

狂言はわかりやすく、コミカルな表現だけど、映像で見ると体幹がぶれていなくてしっかり体を使って表現してるのがわかるし、見て良かった

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ふわり

4.5 記録映画となる作品

2025年9月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

癒される

この時間で収まるものでないのは明白だが、それでも舞台と舞台裏、過去の記憶とインタビューを交えながらのこの作品は、これからの歴史と記録になる大きな意味のあるもだと思う。制作にあたり資金一部はクラファンを使ったようだが、本来なら文化庁がもっと支援すべきものだと思う。

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AATT

4.0 素人です。

2025年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

驚く

狂言は中学校の古典の授業でならった程度の知識しかない。

もちろん、実際の狂言を見たことなどない。

映画とはいえ、狂言の一作品を通してみることができたのはいい経験になった。

「川上」という狂言。

夫婦のお話し。

なんに予備知識もなしに鑑賞。

話しの筋立ては、なんてことない単純な話だと思いながら見ていた。

最後の夫婦で手を取り合ってゆっくりと舞台袖にはけるふたりの背中をみていて、

いやいや、それは違うと、やっと気が付く。

川上の地蔵様の功徳は、目が見えるようになることではなく、

より夫婦の愛が深まることだったのだ。

自分の感性の低さに呆れてしまう。トホホ

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うさぎさん