スノードロップ

劇場公開日:2025年10月10日

解説・あらすじ

生活保護を受給することに対し“根本的な矛盾の選択”をした、実在の一家をモデルに描いた社会派ドラマ。

認知症の母・キヨと暮らす葉波直子のもとに、蒸発していた父・栄治が20年ぶりに帰ってくる。突然の帰宅に困惑する直子だったが、キヨの希望で再び一緒に暮らすことになり、それ以来、栄治が新聞配達の仕事で家計を支えるようになる。それから10年ほど経ったある日、栄治は持病の悪化により新聞配達の仕事ができなくなり、一家は生活保護の申請を考えはじめる。申請のため市役所を訪れた直子は、ケースワーカーの宗村幸恵とのやり取りを重ねて申請作業を進めていく。母は重度の認知症、父も病気で仕事ができず、預貯金もほとんどない状態の一家は、生活保護を受けるには十分な資格があった。宗村の親切な対応により申請はスムーズに進み、訪問審査も受けて生活保護の受給はほぼ確定する。しかし訪問審査を終えた夜、栄治は直子に、ある衝撃的な言葉を投げかける。

西原亜希が直子役で17年ぶりに映画主演を務め、ケースワーカーの宗村役でイトウハルヒが共演。「Sexual Drive」「愛の病」の吉田浩太が監督・脚本を手がけた。

2024年製作/98分/G/日本
配給:シャイカー
劇場公開日:2025年10月10日

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映画レビュー

2.0 ただのサイコパスな女性の話

2025年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

認知症や生活保護など現代の問題を描いていると聞いて鑑賞したが結局は駄作。主人公の直子がサイコパスで自分勝手過ぎて全く感情移入出来ない。まずリアリティが主人公にない。女優だから最低限綺麗にって事なのか?月15万で化粧品買えるのか?母の介護ベットは何故買えたのか?社会保険入ってないんだろう。母の介護のために仕事してないって設定だが、これは演出が駄目だと思う。母親は奇声あげるぐらいで全く大変そうに見えない。介護経験のある人から見ればむしろ楽。食事シーンで少し見せるがただそれだけ。認知症の介護はそんなものではないし、10年やっていのであれば相当な進行状況度合いだろう。徘徊、昼夜逆転などあるから付きっきりでこれでは働きに出れる。直子はそこにかこつけて外に出なくていい理由にならないし、脚本もそうはなってない。
父親も生活保護せっかく通ったのに死のうとは話を進める為のご都合。それに乗っかる直子もまたサイコパス。死を考えるのであれば姉に相談すべきだし、どこかで見たような確執で親族を描くことは愚作だと思う。
生活保護が悪いとか良いとかは全く思わないし、権利だと思う。
こうゆう題材を扱うのであればちゃんと人間を描いてほしい。あまりに雰囲気映画でいい加減すぎる。

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るい

5.0 真面目な西原亜希さん

2025年10月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

今日の上映後の佐津川愛美さんとのトークショーで真面目な西原亜希さんだからこの映画が出来たと仰ってて、佐津川愛美さんのコメントに涙してしまった西原亜希さんにますますファンになってしまった。すごく重いテーマなのに、見終わったあとの二人のトークですごく爽やかな気持ちになりました。西原亜希さんの代表作になると思います。セリフは少ないけど、表情で言葉以上に語る演技は素晴らしかったです。大好きな女優さんこれからもますます応援します。

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よこ

3.5 まるで生活保護、更生施設の教科書、それでも取りこぼす。

2025年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ちょっと生活保護に興味あって「スノー」と「爽子」を見た。こちらは京都で実際あった事件をベースにしてる。
なんだろうなぁ、良いケースワーカーに当たっても崩壊していく人間の脆さのコントラストが凄かった。前半だけでは主人公の気持ちが分かりづらいと思うところはあるものの、現実でもこうなんじゃなかろうかと思う。この崩壊の予兆を気付くのは難しいのだ、そこを描いてる点が本作の優れた所ではないかと思っている。
審査基準としての財産、資産、収入、病気、肉体的なハンデ、、数値化できるもの以外に心の中に積もるストレスと尊厳の崩壊。法整備や審査基準で解決出来るかは甚だ疑問である。

監督も大病をして生活保護を受けた事があるそうだが、きっと何かを掴んだんだろうなぁ。個人的には更生施設に関してはもっとさらっとで良かったかなぁと思う、それが教則ビデオぽく見えた原因じゃないかな。
しかしアフタートークで監督は再生の可能性も描きたかったと言ってたからしょうがないかな。

西原とイトウは凄く良かったし、撮影部の頑張りが作品の質を上げている。

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masayasama

5.0 よくぞこの気持ちを拾い上げてくださった❗

2025年10月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

驚く

斬新

タイトルのように、俯いて咲く小さな花のような一人の女性の半生を丁寧に描いた物語です。

貧困、生活保護という再三取り上げられているテーマを、受給申請者の内面からの視点で描写しようとしていることに、物語の後半でようやく気付きました。
とうの昔に忘れていた、小さな記事の記憶と一緒に。

その瞬間、言語化せずに主人公の内面を描こうとしてきたこれ迄の試みが、それ故に緻密に張り巡らされた数々の伏線が、一気に観客の脳裏に蘇ります。
そして、更に終盤の長い対話シーンへと実に効果的につながってゆきます。
冒頭で挟まれた短いシーンは「あゝ、そいうことだったのか」と。

言葉を発することなく俯いた主人公の表情、無駄や乱雑さを排してどこまでも端正に整えられた画面、誰一人として悪意のある人が登場しないキャラクター設定。
全ては、この作品が描きたかった一見して分かりづらい、目立たたない感情が様々なノイズでかき消されることを避けるための計算しつくされた構成だったのだと感じられました。
最後まで観客を突き放さない、監督の優しい心遣いと共に。

この作品に出会えて良かったと思える一作です。

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さとうきび