BAD GENIUS バッド・ジーニアス

劇場公開日:2025年7月11日

解説・あらすじ

日本でもヒットした2017年のタイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」をハリウッドでリメイク。

貧しい家庭に育つ天才少女リンは、名門高校に特待生として入学する。ある日、リンは落第の危機に陥った親友グレースを助けるため、試験中に奇想天外な方法で解答を教えてしまう。グレースの恋人で弁護士の息子であるパットは、そんなリンの才能に目をつけ、学校の劣等生たちを救う“裏ビジネス”を持ちかける。やがてその計画は、前代未聞のカンニング作戦へと発展していく。

「プレゼンス 存在」のカリーナ・リャンが主人公リン、テレビシリーズ「Bel-Air(原題)」で注目を集めるジャバリ・バンクスがリンの相棒となるバンク、「ドクター・ストレンジ」シリーズのベネディクト・ウォンがリンの父モウを演じた。「ルース・エドガー」の脚本家J・C・リーが初メガホンを取り、「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」の監督・脚本で知られるジュリアス・オナーがリー監督とともに脚本を担当。製作には「コーダ あいのうた」のパトリック・ワックスバーガーが名を連ねた。

2024年製作/97分/PG12/アメリカ
原題または英題:Bad Genius
配給:ギャガ
劇場公開日:2025年7月11日

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映画レビュー

3.5 米社会状況を巧みに盛り込んだ趣向が興味深い

2025年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

タイ映画の米リメイク作。良質な原石に米映画界が飛びついたという見方もできる一方、出来上がった作品が娯楽作でありながら、現代アメリカの社会状況を映し出す鏡としても機能していることに驚かされる。脚本にはジュリアス・オナーが参加。となるとつい監督作『キャプテン・アメリカ』(25)を引き合いに出したくなるが、比べるべきはむしろその前の『ルース・エドガー』だ。現代アメリカの形を若者目線で見つめるかのようなその構造は『バッド・ジーニアス』でも踏襲されている。その上、本作ではアジア系ヒロインの移民としての立場があり、彼女をとことん利用しようと群がる吸血鬼のごとき特権階級の同級生たちの存在がある。また、誰かが決めた物差しやルールを破壊しようとする若者世代の渇望も見え隠れする。いずれにしても製作時の2024年よりも、トランプ政権下にある今の方が見応えは増す。重すぎず、軽すぎず。96分の気軽さで楽しめる一作。

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牛津厚信

4.0 舞台を米国に変えたがゆえの長所と短所

2025年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

ドキドキ

本作については当サイトの新作評論枠に寄稿したので、ここでは補足的な事柄をいくつか書いてみたい。

「ルース・エドガー」でコンビを組んだ脚本家と監督が、役割を交換して「BAD GENIUS バッド・ジーニアス」を作ったことは評で紹介した。同作は白人の養父母に育てられたアフリカ出身の優秀な男子高校生が、やはりアフリカ系の女性教師と対立する話。多民族国家であるがゆえの根深くて複雑さを増す人種の問題に以前から意識的だったコンビゆえ、2017年製作のタイ映画を脚色する際に天才の苦学生2人を有色人種に設定した改変は、アメリカで切実な状況をリメイク版に反映させたいとの狙いがあったろう。経済格差の問題について考えることを促す、啓発的なメッセージは元のタイ映画にも当然あったが、そこに貧しい有色人種の家庭と裕福な白人の家庭の対照性を加えることで、問題の深刻さを一層感じさせる効果があるように思う。

ただ一方で、原作ではタイに暮らす苦学生たちが共通試験を受けるためにオーストラリアのシドニーを訪れ、さらに米国の大学に進学することを目指すという、現実から夢への振り幅の大きさもまた冒険感やドラマチックさに貢献していた。しかしリメイク版では、西海岸で暮らす2人が、タイムゾーンが違う東海岸側の会場に飛んで受験するというだけの話にスケールダウンしてしまった。初めての異国でカンニングのミッションを遂行する心細さも、海を越えた先の超大国で大学に通う憧れもなくなっている。ジュリアード音楽院に進学したいというリンの夢も、彼女の音楽の才能や献身的な努力についての描写が伴わないので、とってつけた設定のように感じられた。

つまるところ、舞台を米国に移したリメイク版で、多人種の要素を加えて問題の複雑さを加えることができた反面、アジアの途上国からシドニー経由で夢のアメリカを目指すというダイナミックさが損なわれた点が惜しい。

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高森 郁哉

3.0 面白かったですよ…

2025年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

アメリカのお受験の様子を垣間見て興味深かった。

結局、金と地位と権力にものを言わせた結末!

良いことをしました感はあるけど、リンも最後はそこにのかったのね。

アメリカらしい価値観だし、主人公が中国系だから、現代中国の価値観も上塗りされ、

正義は語るものであって、実践するものではないということを言いたいのだろうと思った。

げんなり!

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うさぎさん

3.0 オリジナル版>リメイク版

2025年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

天才高校生のカンニング計画を描いたバッドジーニアスのハリウッドリメイク版。オリジナルのタイ版も鑑賞しましたがスリリングな展開が多く非常に見応えがあった。今回のハリウッド版も楽しみに鑑賞したが、やはりリメイクということで新鮮味がなく、オリジナル版をほどの面白みはなかった。

2025-126

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隣組

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