ローズ家 崖っぷちの夫婦のレビュー・感想・評価
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製作総指揮兼任の主役二人が嬉々として演じている快作
頭を抱えてしまった
オリビアさんが
あの会話で笑える友人たちのメンタルも怖い
オリビア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチ、二人の演技が物語の大半を占めます。表情豊かでスクリーンに引き込まれそうでした(終盤までは)。
性差により脳の構造が異なるようで、それ故に思考も当然異なるのだと、どこかで脳科学者のどなたかが言っていたようなことを観ている最中に思い出しました。
極めて理論的に説明している(つもり)の夫、しかしその論理には「そもそも」の大切な部分が欠落しているから、ややもすれば妻が発するワードのあげあし取りになりかねません、観ているワタシの口からは「あ~あ、だめだこりゃ」と自らを俯瞰し、世を儚むような溜息すら漏れてしまいます。
物事を解決するためのタイミングはそこかしこにあったのだろうと思います。
友人の弁護士が発した「悪いことばかりじゃなかっただろう?良い時のことだけを覚えていて暮らすのさ」そんな内容の言葉が的を射ていたのではないでしょうか。
しかし、ラストに向けての夫婦でのバトルもそうですが、新居完成時に友人たちを招いての食事におけるみんなの会話がエキセントリック過ぎて、そこからのワチャワチャ感には離脱寸前の気持ちになってしまいました。
それでも、ラストシーンはワタシ好みで、何とか持ちこたえて微笑みながらスクリーンを後にすることができました。
犬も食わぬ夫婦喧嘩をコメディに昇華させるというのはやはりハードル高かったようで 英国生まれのプチブル、スノッブ風の夫婦がカリフォルニアでFワードを連発するコメディ
えー、昔から、夫婦喧嘩は犬も食わぬとか申しましてな。よそ様の家庭の揉め事にはあまり関わらないほうがよろしいかと存じます。ましてや、それをネタにして物語を作ろうなどというのは、神をも畏れぬ悪魔の所業といったあんばいでございましょう。
まあ想像してみてくださいよ。東京郊外の町田あたりに25年ローンかなんかで購入したマンションに子供ふたりと住んでいる夫婦の物語を。言いたくもないおべんちゃらを言い、つきたくもない嘘をつきながら、ようやく課長というポジションにたどりついた旦那と近所のスーパーでパートで働いている嫁が上の娘の進路についての意見の相違が原因で(嫁のほうが子供の頃に憧れていたけど入れなかった学園に、娘を中学から通わせたいと主張するのに対して、旦那は公立の中学でいいだろと反論します)、喧嘩が始まり、やがてそれが全面戦争に拡大してゆくなんてお話、誰も聞きたくないでしょ。
そこでこの作品では犬も食わぬ夫婦喧嘩を大人の鑑賞に耐え得るコメディに仕立て上げるためにいろいろと工夫を凝らしております。まずは喧嘩する夫婦に夫ベネディクト•カンバーバッチ、妻オリビア•コールマンという英国を代表する名優を起用、夫が建築家、妻がシェフというという、ふたりともアメリカなら6ケタドルの年収が可能な専門職に就かせ、英国から自由な風を求めてカリフォルニアにやって来た、プチブルにしてスノッブ風味をまぶしたハイソな雰囲気を漂わせる夫婦にしております。で、夫のほうが建築家としてかなり酷い失敗をして職を失ってしまうと、妻のほうがオーナー•シェフとして活躍するレストランが大繁盛し始めるといった具合に、ローンが半分以上残る町田のマンションに住む夫婦ではとても考えられないような劇的な展開をしてゆきます。でも面白いかと問われれば、まあそこそこは面白いけど、それほどでもないよなと答えるしかないレベルかな。
所詮は夫婦喧嘩、お前らふたりで勝手にやってろということなのでしょうか。犬も食わぬという表現には、ふたりの間に割って入って仲裁なんて野暮なことを試みても無駄だよという含意があると思うのですが、実はこの話、報酬を貰ってふたりの間に入る専門職のプロフェッショナルが出てきたときがいちばんコメディとして機能してるような気がします。まずはふたりの結婚についてのカウンセリングを行なうカウンセラーの登場時。お互いの長所を挙げてくださいと問われたふたりはイギリス人がよく使うサーカズムの反転版みたいな物言いで相手の「長所」をあげますが、まあそのえげつなさといったら…… 次に離婚に向けての話し合いにふたりがそれぞれの弁護士を連れてきたとき。特に妻側の弁護士が典型的なパワー•ネゴの手法でガンガン押してきます。で、その妻側の弁護士は脅しみたいな感じで話し合いの場に獰猛な犬を連れてくるんです。まあ英語圏に「犬も食わぬ」なんて表現があるかどうかは別として、「人を食った」話だなあとは思いました。
結局、物語はちょっと鼻持ちならないセンスの小ネタだとか、Fワード連発の罵り合いだとか(ふたりともイギリス人なのでBワードだと思っていたのですが、今はFが主流なのかしらん)を通り過ぎて、とりあえず、こんなオチでもつけとくか、みたいな、やる気が見えない結末で終わります。やれやれ。
これ、どうせスノッブ風味なら、ウッディ•アレンに作らせたら、苦いユーモアを含んだ洒落て粋な物語になったのでは、と思いました。
クジラを海に帰そう
なるほど、オースティン・パワーズですね
鑑賞して、見事な俳優らの台詞回しと間合いに圧倒されニタニタしながら劇場を出たのですが、帰宅して膝を打ちました。なるほど、このスピード感やお下品さはオースティン・パワーズのそれでしたね。 単純で簡単なことを大袈裟に脚色して皮肉も交えて演出するユーモアはほんと、英国人のそれでしたね。 いろんな事情で個人的には英国人は好みませんが、このエリート層の演出する笑いは他国では味わえない独自性があって楽しませてもらえます。題材は夫婦喧嘩で、終わりは少し捻ってみた感じになってますが、行き着くところまで行ってしまったあとで簡単に仲直りで はい、おしまい とも描けなかったでしょうからあんな感じで結ぶより無かったでしょうね。
面白かったですよ、とっても。 英語で聞き取れると面白さはマシマシです。 翻訳の方は苦労されただろうなぁと思いました。
オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンパーバッチの演技が圧巻❗️
ローズ家崖っぷちの夫婦を観たが、予定調和的な内容だったが面白かった。オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンパーパッチの演技が素晴らしかった。さすがハリウッド、イギリスのトップスターである。くれぐれも夫婦で観ない方がいい作品です。ぜひ、お一人で。オリヴィア・コールマンのヒール以外の演技は久々だがやっぱり上手い。
配偶者の不満を理解する勉強になるかも
宣伝も上映館数も地味な作品。他にやっぱり地味な邦画の観賞候補が有って選択に迷ったが、ハリウッド映画欠乏気味の状況が続く中カンバーバッチの名前を見て、彼もしばらく見ていなかったので彼を観たくて選択。
【物語
イギリスで出会ったテオ・ローズ(ベネディクト・カンバーバッチ)とアイヴィ(オリヴィア・コールマン)はアメリカに渡り、カリフォルニアで幸せな結婚生活を送っていた。 テオは建築家として順調なキャリアを積み、アイヴィは夢だった料理店を地元で開き軌道に乗りつつあった。二人の子供にも恵まれ、順風満帆な家庭生活に見えた。
ところがテオが設計し、地元の名所になるはずだった自信の建築物がお披露目当日に大嵐に襲われ、大勢の招待客の目の前で倒壊。 倒壊の原因は設計ミスとされて職を失い、テオの人生は突如として暗転する。 当面アイヴィの料理店経営で生計を支え、テオは専業主夫となって育児、家事を担当することにする。
アイヴィの料理店はマスコミに取り上げられたことで爆発的に客が増え、各地に店舗を増やして行く。 一時的のはずだった夫婦の立ち位置は変わらぬまま10年ほどの月日が流れる。経済的には何ら問題は無かったが、二人の精神的バランスは徐々に崩れて行く。
【感想】
期待通りのカンバーバッチと妻役オリヴィア・コールマンの掛け合いが素晴らしく、それが全てとも言える。大いに笑えて、大いに楽しませてくれた。
コメディー作品として楽しめる一方、男社会から男女同権社会へ移行中の社会の中で、とある家族を描いた社会派作品とも言える。現代の日本ではタイムリーなテーマだと思うが、女性の社会進出で日本の先を行くアメリカでも、こういう作品が作られるということは、アメリカもまだまだ移行途上ということなのだろう。それだけ社会通念の変化には時間が掛かるということらしい。
日本でも現在の若い夫婦では、専業主婦が絶滅危惧種になりつつあるが、我が妻はギリギリ「普通に専業主婦」。「普通」の意味は俺も妻に働いて欲しいとも思わなかったし、妻も働きたかったわけではなく、結婚による転居・退職が発生したため自然と専業主婦に、つまりお互い我慢してそうしたわけではないという意。
しかし、それでも作品終盤でテオがアイヴィにぶちまけたような不満を時々漏らす。簡単に言えば「育児・家事がどれだけ大変か分かっているの?」「外で働く方がよっぽど楽よ」的なこと。こちらからすれば「俺がどれだけ会社で嫌なこと、つらいことを我慢しているか知らないだろう?」と思うわけだ。 こんな思いは我々世代以上の専業主婦家族には「あるある」だと思うし、妻の気持ちも想像出来ているつもりだったが、本作で専業主夫をしている男のテオの口から聞くと、より腑に落ちた。「うちのカミさんの気持ちもこれだな」と。 本作では成功している妻への、テオの妬みも加わっているのだが。
共働きの夫婦であれば、外で働く苦労は共有されているのだと思うが、これからの社会では妻の方が出世して収入にも格差がつくということは普通に起こるだろうし、結果として最初は「半々の約束」だった家事・育児割合が夫の方が高くせざるを得ないという家庭も珍しくなくなるだろう。そういう状況ではテオに近い気持ちになる男達は増えるのではないだろうか?
そういう意味では若い世代も予習を含めて、観ておいて損は無いかも。
コメディながら愛情のすれ違いをリアルに繊細に描く。イギリス人俳優たちの演技合戦を堪能できます。
ローズ家の戦争…
下ネタが…
オリヴィア・ゴールドマンで評価が分かれる
スタッフ、キャスト、そして製作スタジオから察して、インテリ中高年層向けコメディだと思っていたが、その通りの映画だった。
脚本はオリヴィア・コールマンを想定して書いてる感じで、彼女はその期待に応えた見事な演技。映画ファンならそれを観るためだけに映画館に行っても良いと思う。
だがしかしこの映画の最大の欠点はオリヴィア・コールマンなのだ。理由はハッキリと言えないが、彼女が出てくると途端につまらなくなる。ケイト・マッキノンとベネディクト・カンバーバッチの絡みなんてクスクスするけど、そこにオリヴィア・コールマンが加わると笑えなくなってしまう。
映画で一番難しいのはコメディとよく言われるが、どんなに素晴らしい脚本でも何がが狂うと全く面白くなくなる。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主役交代劇は有名だが、作品の本質に主役が合わない、または共演者と息が合わないとなど、コメディにおける役者は最重要。オリヴィア・コールマンがこの映画の本質に合っておらず、そのため、悲劇と喜劇は紙一重とも言うが、その間を行ったり来たりのどっちつかずの展開になってしまって、この映画をどんな角度から観て良いのか分からなくなってしまった。
でもまたコメディは観客のセンスも問われるので、この映画を心の底から楽しんだ人もいても全く不思議ではなく、むしろ己の底の浅さが悔しい感じも。
因みにオリジナルの「ローズ家の戦争」は大好きで、華やかなスターが見せるあざとい笑いが俺の性には合っていた。
サタデー・ナイト・ライブ出身のコメディアンがスクリーンを賑わせ、センスある観客で埋め尽くされた銀座の映画館の椅子が、観客の笑いでリアル4Dになった時代が懐かしい。
熟年カップルの下ネタバトル
アメリカに移住した熟年カップルの離婚バトルをコミカルに描く。あんま笑えないけど。
日本人夫婦はセックスレスと言うけど、欧米人夫婦は、だいぶガツガツしてるようですね。
しまいに友だち同士でもパートナーのプライドを傷つけるような自虐下ネタ言いまくったり、友だちの旦那に欲情したりする奥さんいたりでさすが肉食だと思わせる。シーフードレストランだけど。
子育てとか共働きとか、主夫とか現実的な課題も描いてるけど、結局仲違いの決定打も下ネタの口喧嘩でもうぼちぼち飽きた頃に、衝撃のラスト。
畳み方はなかなか渋い感じで悪くない。
映画では一切描かないけど、逆説的に相手を思いやる気持ちが大事だと気付かされる。
子供が出て行ったら夫婦は・・・
イギリスのロンドンで出会い、アメリカに移住した建築家のテオ(ベネディクト・ガンバーバッチ)と料理家のアイヴィ(オリビア・コールマン)は、順調な仕事と可愛い2人の子どもに恵まれ、理想的な夫婦だった。ところがある時、テオの建てた幌付きの建物が暴風雨の時に設計倒壊し、設計ミスにより彼の建築家としての仕事が無くなった。一方、アイヴィの店は有名な料理評論家に絶賛され、予約も取れないほどの大人気店となった。そして、仕事がなくなったテオは家事・育児を担当し、子供をトレーニングしながら鍛えていた。このことをきっかけに、2人の関係は崩れだし、妻はどんどん支店を出し仕事に没頭し、夫は家事と子育てで子供の悩みも相談を受けていた。数年後、13歳になった子供たちはフロリダのスポーツアカデミーに入る事になり、家を出て行った。2人きりになった夫婦は、だんだんと相手に対する不満や嫉妬、軽蔑などが現れてきて、最初は嫌味を言い合う程度だったが、次第に口論、罵り合い、店の邪魔、建築家生命を断つようなフェイク動画の拡散、そしてナイフや銃まで持ち出す大喧嘩へと発展した。互いに一歩も引かず、攻撃し合うことになった2人は、命懸けの大喧嘩を繰り広げていき・・・さてどうなる、という話。
前作、ローズ家の戦争は未鑑賞。
最初の頃の立ちションする子供、内股貸すよ、という下品なエイミーなど、笑わせてくれた。
喧嘩と言ってもほとんどラストだけで、アイヴィは店の支店を何件も出し、経済的に家族を支え、夫が作りたいと思ってた家を建てさせてあげ、頑張ってたと思う。
テオは子供が出ていき、夫婦2人になってから、やはり仕事がしたかったのだろう。2人とも離婚したいと思うに至る気持ちはわかるが、離婚しようとしてる夫婦が離婚協議中に一緒に住む、ってありえない。
あんな立派な家をもらって1人で住んでも虚しと思うけど。
妻はただ単に夫の邪魔をしたかっただけかも。
いい日だけ見ろ、と弁護士の友人に言われてた様に、パートナーの悪いところを見だしたらキリが無い。良いところだけ見る様にすれば良いのに、と思った。
で、あれほど拘ったお気に入りの家は漏れてたガスで・・・というラストは笑うところだろうが、悲しくなった。
オリビア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチの夫婦は2人とも芸達者でさすがだった。
エイミー役のケイト・マッキノが下品で面白かった。
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