「【”死が二人を分かつまで・・。”今作は英国の名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎を描いたブラックビターコメディであり、二人の会話演技を愉しむ作品である。】」ローズ家 崖っぷちの夫婦 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”死が二人を分かつまで・・。”今作は英国の名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎を描いたブラックビターコメディであり、二人の会話演技を愉しむ作品である。】
■建築家のこだわりが強いテオ(ベネディクト・カンバーバッチ)は勤めていた設計事務所で自分の意見が通らずに頭に来て、レストランの厨房に頭を冷やしに行った時に、アイビー(オリビア・コールマン)がニッコリと差し出したサーモン・ペッパー添えを食し、一目惚れ。
で、そのまま冷凍庫になだれ込み、その後、二人でアメリカへ。
10年後。テオは設計士として活躍し、アイビーは自分のペースで西海岸でレストランを経営している。だが、或る暴風雨の夜に二人の運命は変わるのである。
テオの拘りのデザインの建物は崩壊するが、アイビーの店には西海岸に来ていた人たちが押し寄せ、その中の料理評論家に激賞された事で、大人気店となるのである。
テオは設計事務所を首になり、アイビーの代わりに主夫として、子育てに邁進するのであった。だが、二人はすれ違い生活の中、徐々に距離が出来るがテオはやり直しの為の拘りの自宅を作り始め、その膨大な費用はアイビーが店を新規出店して賄うのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、1990年の「ローズ家の戦争」のリメイクであるが、英国の名優ベネディクト・カンバーバッチとオリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎模様を、名優二人が絶妙にコミカルに演じていて、面白く鑑賞した。
・特にプライドが高く、子供達の食事に気を配りながら、アスリートに育てるテオと、自由に育てたいアイビーとの対比の描き方は、ナカナカである。
・冒頭に映される、離婚調停に入った二人に対し、カウンセラーの女性が”お互いの好きな所は?”と言う質問をするのに対し、二人が”狼と暮らすよりマシ””腕がある。”と笑顔で応酬するシーンから、ドンドンとエスカレートして行くシーンは、可笑しかったなあ。
■テオの拘りの新居が出来上がり、中のキッチンにはアイビーの拘りのヴィンテージコンロがある。そして、新居のお祝いに友人達がやって来て、食事を摂るシーンもナカナカである。
特に、ケーキ好きのアイビーが作った新居ソックリのケーキを、手で毟り取って、客の皿に投げつけるように配るシーンは、吃驚出会ったなあ。
その後、テオは「2001年宇宙の旅」で描かれた宇宙船をコントロールする人工知能の”ハル”の如く、家を管理する”ハル”に対して指示を出し、アイビーを部屋に閉じ込めたりするところからの、キッチンを挟んだ二人の銃とキッチンナイフでの闘いのシーンからの、アイビー拘りのヴィンテージキッチンを叩き壊し、ガスが漏れだすシーンと、テオとアイビーが、最後の最後に赦し合う姿からの、テオが”ハル、暖炉に火を入れてくれ。”と指示を出すシーンでエンド、という流れは、見事でありました。
正に、”死が二人を分かつまで・・。”でありました。ブラックだなあ。
<今作は英国の名優ベネディクト・カンバーバッチ&オリビアコールマン演じる立場が逆転した夫婦の愛憎を描いたブラックビターコメディであり、二人の会話演技を愉しむ作品なのである。>

