愛がきこえるのレビュー・感想・評価
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エンドロールも見逃さないで
ユニークでポップな聾唖コミュニティが魅力的で、笑えるシーンも満載。
ちょっと生意気なムームーちゃんが可愛いすぎ!
後半はドキドキハラハラ。
親子の愛に涙が止まりませんが、決して同情の涙ではなく、どうしようもなく理不尽な社会に対して“声にならない声をあげる”ことに対しての感動の涙でした。
『アイ・アム・サム』世代なので、てっきり親権問題をめぐる聾唖者親子の愛を描いた感動作だと思っていましたが
社会的な闇の問題まで描かれていたとは!
かのスティービー・ワンダーも、子供の頃はよく出演料を騙されたそう…
コミュニケーションの壁のせいで経済的に搾取されたり、働ける職種が少なすぎるのも問題。
社会的弱者として哀れんだり手を差し伸べるといった“健常者上から眼線”の時代は終わったと感じます。
手話は第三の言語。
国ごとにも違うし、地域にしか伝わらない手話もある。
美しい敬語やスラングがあるように手話にも上手い手話や下手な手話もある。
聾唖者は決して話せないのではなく、手話という豊かな言語を持っている。
健常者が聞こうとしていないだけ。
残念なことに聾唖者も、健常者はわかってくれないと諦めたり、泣き寝入りせざるを得ない状況になっている。
聾唖者の親を持つコーダの立場にあたる主人公は、聾唖者かそうでないかを一目で見抜くコツを知っています。
映画『エール』や『コーダ』『ぼくが生きてる、ふたつの世界』などでは、通訳者として頼られてしまう問題が描かれていましたが
今は間に通訳をたてなくても、アプリで直接コミュニケーションが取れる時代!
この映画のムームーは、そんな2つの世界の壁を突き破り、橋渡しをしてくれる存在でした。
マザーテレサの言葉を思い出しました。「愛の反対は憎しみではなく無関心」
この映画の親子は、お互いを知りたいという強い愛で繋がっている。
父親が娘の声を聞いてみたいと思う気持ちに号泣でしたが
私もクジラ同士で楽しく交わされている会話を聞いてみたいし、聾唖者同士が楽しくおしゃべりしている内容をもっと知りたい!
そう思わせてくれる映画でした。
この映画を通して、聾唖者コミュニティの豊かさを知るきっかけになると感じます。
実際の聾唖者も沢山出演されているので、ぜひエンドロールも見逃さないでください!
涙で一杯になった館内。
泣く、泣く!
ちっちゃいムームーに残酷な判断をさせるなよ。
離婚した母親、ろう者を利用する悪人、融通のきかない司法。
耳の聞こえないパパさんとムームーに突き付けられる現実に劇場内は涙で一杯になってたよ。
子供と父親の奮闘ぶりを観ていて、いやでも「クレイマー・クレイマー」が頭をよぎる。
あれも子供に残酷な判断を迫る作品でした。
しかも本作では中国のろう者が絡む社会問題を内包して犯罪映画の側面までも見せて来ます。
ちびっ子のムームーや耳の聞こえないパパさんが不憫でならない。
試写を観ながら何度「パパさんやめて」と叫びたくなった事か。
映画のラスト。
おっきくなったムームーが一目見ただけで
「何故ろう者と分かるのか」
を尋ねられて答えた一言で更にブワッと涙が溢れました。
そしてエンドロール。
涙で画面が見えなくなりました。
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