「久しぶりの劇場鑑賞」V/H/S ビヨンド Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりの劇場鑑賞
2012年の衝撃作、「V/H/S シンドローム」から10年以上の月日を経て本作もとうとうシリーズ第7弾に突入した。
2016年の「V/H/S ファイナル・インパクト」が評価や興行面で苦戦を強いられた影響からか、日本での劇場公開は無し、当シリーズも終了かと思われたものの、ショートフィルムを扱う映像プロジェクト「V/H/S:Video horror short」で成功し、その後立て続けに「V/H/S/94」、「V/H/S/99」、「V/H/S/89」と新作を打ち出したものの…
日本ではソフト販売すらされないという一大ショックに陥ってしまった。簡単に書いたが個人的に本当にショックだったのである。
そんな中公開された本作にはかなりの期待をしていた。この際面白くなくても良いやとさえ思っていた位だが、これがまた面白くて大当たりである。
好きなシリーズだが正直コケた第3弾からあまり刺さる作品に出会えず(YouTubeに誰かがアップした日本語字幕無しの94、99、89を鑑賞済み)、もう終わったものだと勝手に思っていたが、第7弾に来て新機軸と原点回帰を織り交ぜた作品に出会えるとは思わなかった。このシリーズは何といってもエロ+グロ+意味不明の三拍子が見どころなのだが、3作目から6作目にはイマイチそのテンポが弱く、どちらかと言うと地味なイメージになっていたのだが、本作の初っ端からチェーンソーでゾンビの頭を叩き斬るそのハイテンションさにやられてしまった。ムンバイの女優が暴れるのも良かったが、本作には一貫して1つのテーマがある。それが、「エイリアンとの遭遇」なのだ。メインストーリーはシリーズで初めてドキュメンタリー形式になっており、その合間でVHSの映像が流れるのだが、今回は映像の数々がメインストーリーに影響する事はなく、全作品が独立した形で存在しているというスタイルであった。本作から羽ばたいていったアダム・ウィンガードはもうすっかりハリウッドで活躍し、「ゴジラVSコング」で特大ヒットを出すフィルムメーカーになったが、シリーズのしがらみ等に捉われずに好きな様に好きな作品を描けるこういった舞台は我々観客もだが監督らも息抜き程度に自由に出来る為、このシリーズはやはり続けるべきだろう。だからこそ「ドクター・スリープ」のマイク・フラナガンや、「ドクター・ストレンジ」や「ブラック・フォン」のヒットメーカー、スコット・デリクソンらも参戦するのだろう。次回作はいつになるか不明だが、マーベル作品で幹部を務め、対立した結果DCに移り、この夏その真価が問われる「スーパーマン」が控えるジェームズ・ガン監督は興味津々では無いだろうか。その際は是非劇場で観たい。
