おーい、応為

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劇場公開日:2025年10月17日

解説・あらすじ

江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもあった葛飾応為の人生を、長澤まさみ主演で描く。飯島虚心の 「葛飾北斎伝」(岩波文庫刊)と杉浦日向子 の「百日紅」(筑摩書房刊)を原作に、「日日是好日」「星の子」の大森立嗣が監督・脚本を務めた。

浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。

北斎の娘であり右腕であり、やがて類まれな絵の才能を開花させていく主人公・お栄/葛飾応為を、「MOTHER マザー」以来の大森監督とのタッグとなる長澤が演じた。北斎役を永瀬正敏、応為の良き理解者となる浮世絵師・渓斎英泉を「King & Prince」の髙橋海人が務めた。

2025年製作/122分/G/日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2025年10月17日

オフィシャルサイト

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(C)2025「おーい、応為」製作委員会

映画レビュー

5.0 85点/☆3.5

2025年10月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい。今作の感想はとにかく難しい。

葛飾北斎の娘・葛飾応為(お栄)の半生を描いたこの映画。
江戸中期の浮世絵界を舞台に、天才絵師の父娘が織りなす師弟関係と女性の覚悟を追う。

期待を胸に劇場へ足を運んだが、ハッキリ申し上げれば、面白くなかった。

是か非かで言えば、圧倒的に「非」が勝り、せっかくの「是」さえもったいなく霞んでしまった。
こういった作品だとレビューをわざわざ読む人も少ないだろう。
それでも、数少ない「面白かった」と感じて訪れた人に「つまらなかった」と突きつけるのも、レビュアーとしてどうかと思う。だからこそ、書きづらい。難しい。

物語は、夫と離縁したお栄が父・北斎のもとに戻り、再び絵師としての道を歩み出す姿を描く。
本来であれば「父の名声に隠れた娘の才能と苦闘」が主軸になるはず。だが蓋を開けてみると、印象はほとんど北斎の伝記映画。娘の視点で描かれているようで、結局は父の老年期の哀愁と豪快さが主役を食ってしまう。

夫との離縁以降に焦点を置いた構成のため、父娘の関係性の原点がぼやけ、師弟関係への移行も弱い。
また、応為や北斎の事前知識がなければ理解が追いつかない展開も多い。
キンプリの髙橋海人をキャスティングしたことで若い観客を呼び込んだのは確かだが、その層に向けた導入や説明がほとんどなく、作品としての「親切さ」に欠けていた。結果、観客は置き去りにされてしまう。

どうしても看過できないのが音楽。
全編に散りばめられたトランペットの旋律が、作品世界を著しく損ねている。
「なぜトランペットなのか?」
江戸の情緒と噛み合わず、映像との齟齬に鳥肌が立つほど。
冒頭とエンディングで同じメロディーが繰り返されるのも、作品全体を軽く見せてしまった。

それでも救いはある。キャスト陣の演技。
長澤まさみの応為は、成熟した女性の色気と覚悟を見事に両立している。
「兄妹としてしか見られない」とフラれた後、女を捨て絵師として生きる決意を固めるシーン。
服の着こなし、かんざしを捨て去る覚悟、髪型の変化。
細部の演出で、応為の内面的変化を静かに、しかし鮮やかに映し出していた。

そして何より、真のMVPは永瀬正敏。
老年期の北斎を、繊細さ・豪快さ・哀しみのすべてで体現した。画面に立つだけで空気を変える存在感。今年の映画賞で彼の名を聞く日も遠くないだろう。

そして、終盤の父娘のシーン。
死を悟り、娘を気遣い自由に生きろという北斎の言葉に、お栄は激高する。
娘であり弟子でもある。その複雑な関係性がぶつかり合う。
父への尊敬も、絵師としての誇りも、同じ熱で燃えている。
弟子であり娘であるからこそ、彼女は言う。
『嫌なら、最初からここにはいない』
その一言に、すべてが込められている。

85点/☆3.5

哀しい。映画を酷評するために観に行くわけじゃないし、そんなレビューを書くためにサイトを訪れているわけでもない。
ただ、この胸の奥底から湧き上がる虚しさを、文字に昇華しないと気が済まない。

応為の人生は、本来もっと輝くはずの物語。知れば知るほど、応為の情熱と自由奔放さが現代に響くのに、この映画はそれを十分に引き出せなかった。
せめて演技の余韻だけは心に残るだろう。

2018年にNHKで放送された
『眩(くらら)〜北斎の娘〜』(宮崎あおい・長塚京三主演)の方が応為という人物の魅力と苦悩を、より丁寧に描けていたと思う。
女性の立場、絵師として生きる日常、描くことを魅力的に表現した演出、絵師とは何かの本質に最も近づいた映像化だったと思う。
ここに、その記憶を記しておきたい。

こんなレビューは、もういらん。

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共感した! 2件)
映画感想ドリーチャンネル

3.0 ⭐︎3.2 / 5.0

2025年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
まー。

3.0 北斎の娘として良くも悪くも作用。

Kさん
2025年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

葛飾北斎の娘に焦点を当てた作品を
楽しみに待っていました。

皆様の熱量ある演技に感動。
劇伴も素晴らしくて聴き入りました。

絵師としての葛藤や満たされない心、
死への恐怖に深く共感。

そして、不器用な親子関係の中にある確かな繋がり。

絵の一枚一枚に魂が込められていて
構図、色彩、色の濃淡など息を呑む美しさ。

寺島しのぶさん演じる応為の母親・ことが
「女は、赤いものを身に付けると
やさしくなれるんだよ」いう言葉が印象的。

この“女らしさ”を自分の容姿にではなく
絵の中で表現していた応為。

『吉原格子先之図』がもう恋しくなっています。
彼女の巧みな技量と謎に包まれた生涯に魅了されました。

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共感した! 2件)
K

3.0 江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもあった葛飾応...

2025年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

癒される

カワイイ

江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもあった葛飾応為の人生を、長澤まさみ主演で描く。
長澤まさみという役者を観ることができ嬉しくなる作品。

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共感した! 2件)
てかる