タンデム・ロードのレビュー・感想・評価
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途方もない時間があった
冒頭のアニメーションで地球一周の予定ルートが示されるとき、当然のようにアフリカがすっ飛ばされた。なるほど、そういう水準で進むんだな、この映画は。非常に誠実なイントロダクションだと思う。
1台のバイクで30ヶ国を縦横無尽に駆け回ることそれ自体は非常に面白い。そして映画のためにチョップされた映像の切断面から耐え難い喧嘩や、故障や、待ちぼうけや、その他諸々の無数の困難が滲み出ており、本当にお疲れ様でした、と心から思った。
made in japanとはいえ度重なる悪路走行によって頻繁に故障するバイク。修理のためにどこかの街へ滞在するが、半日どころか数週間の待機を強いられることも。その長い長いひたすら長い痛苦がわずか一言のナレーションで時間の後方へ容赦なく流されていく。それほどまでの時間があったのだ、と感じさせたところに本作の意義はある。
ただ、映画の流れのほとんどは主人公であるアユミが独占的に握っている。プルースト効果よろしく、彼女が強く感じた部分は長く、そうでない部分は短く。「預ける」というフレーズが本作では象徴的に使われているが、映画編集の次元においては、映像は彼女の精神状況をトレースするものでしかなく、映像素材が持つ偶然性に身を任せきれていないように感じた。実はもっと面白い映像が撮れていたのではないかという渇望が湧いてしまう。
南米での「圧倒的な風景を見ると一つの部分が先鋭化されてそれ以外の部分が鈍る」という自白が本作の傾向を端的に一言で表している。別にそういう手法それ自体が無効だとは全く思わない。単に自分の肌に合わなかったというだけだ。
また、あれだけ多様な経験を積んだあとにコテコテのモンタージュによる原発批判をするのはかえって悪手だと思った。チェルノブイリとアウシュビッツと福島第一原発をシームレスに接続する無邪気さに若干辟易してしまった。批判は大いに結構だが、もう少し慎重な編集ができなかったものか。
あと東欧のどっかで車の後部座席に同乗してた白人のガキ、あれ絶対にツリ目ポーズだよな。心優しい現地人ばかりではないということが端的に示されたいいシーンだった。
そうなんだよな、何事も十把一絡げに結論を出すことはできないんだよな。あらゆるものにさまざまな側面がある。ちょうどそれは、旅の終わりを飾ったウユニ塩湖の透き通った湖面のように。
最高に面白かった!
バイクで世界一周を目指したナメさんとアユミさんの視点で 描かれたド...
苦手、不器用を払拭できる背中押しドキュメンタリー
こんなリアルな映画は無い
日本人カップル、アドベンチャーバイク1台で世界一周を目指した模様を...
日本人カップル、アドベンチャーバイク1台で世界一周を目指した模様を、自ら映像に収めた記録。
427日間、走行距離6万kmだとか。
日本の国内なら何とかなるとは思うのですが。
バイクに積めるものだけで、日本を飛び出して、道だか砂漠だか分からないような、果てしない旅路を続けられた模様。
お二人とも、日本語以外はからっきし。
感心したことは、
事前の不安と裏腹に、いざ旅立ったら、
出会った人とやり取りして、お二人それぞれの長所を生かして、欠点もさらして、なんだかんだ頑張っていたところ。
日本語しか喋れなくても、イラスト(女性側の特技)や、赤べこ(女性側の郷里の)で、意気投合できたり。
バイク仲間(男性側)は世界中で横のつながりがあったりも。故障メンテも自己解決したり。
また、移動中の模様を、動画で記録し続けていたことに拍手です。
記憶や思い出は、心の中で咲いたり枯れたりして、原形をとどめませんが、
残した映像は、当時のそのままですし。
実際の渡航は10年以上前だったとのこと。
いま2025年、もう運航が無くなった航路(稚内-サハリン) とか、
争いごとで、気軽に行き来できない国境もあるなど、切なさを感じます。
街の庶民レベルでは、どこでも大抵の人は、笑顔で親切なのですね。
また、一人旅だと、なんでも自らで決めて、行動して、責任を取りますが。
連れがいると、支えあい、なすりあい、どっちもありますよね。
感じ方次第で、諸刃の剣なのかもしれません。
時には単独行動したくなること、共感します。
わが家は海外旅行はよく夫婦2人で行きがちで、でも公共交通のみです。
憧れるところ(すっごい日数と距離)と、
耳が痛いところ(なすりあい 食い違い 等)と、
両方を強く感じてきました。
バイクで旅する2人の物語
バイクに乗って世界を旅した2人のドキュメンタリー。
世界一周のドキュメンタリーでもあり、狭い世界にいた人と付き合うことが苦手な女の子が旅を通じて成長する物語でもあった。
人間らしい感情、様々なトラブル、そして広い世界とそこで生活する人たちとの出会い、美しい景色と厳しい自然。約2時間の映画ですがとても濃い内容でした。
きっと映っていないところでも想像もできないような過酷なこともあったのだろうなと亜由美さんの感情が爆発するシーンで心臓がぎゅっとなり、たくさんの出会いで触れる人の優しさに気が付いたら涙を流しながら見ていました。
今ではもう見れなくなった景色もたくさん映っているのだろうと思います。
冒頭や間に挟むかわいいアニメーションとその時しか見ることのできないであろう臨場感あふれるリアルな映像で、バイクには触れてこなかった私でも楽しめた作品でした。自分の目で世界の景色を見てみたくなる映画です。
旅が好きな人、なにかに悩んでる人、行き詰まってる人にぜひ見てもらいたいです。
また旅に出たくなる作品
ライダーで良かったと思える映画
行動力とトラブルを何とかする力が素晴らしい
バイクで世界一周を目指す日本人男女の旅を記録したドキュメンタリー。多くの映画に助監督として関わってきた滑川将人(ナメさん)とパートナーの長谷川亜由美(アユミ)が、2013年6月福島を出発し、BMWのGSで世界一周を目指し、稚内からサハリンへ渡り、ロシア・モンゴル・北欧・ヨーロッパ・南米と、30ヵ国・427日間・走行距離約6万キロにおよぶ道程を自ら撮影し、アニメを交えて映画として完成させた。
入国トラブル、バイクの故障、大ゲンカ、別行動、各国の社会情勢への対応、資金難、など数々の困難に見舞われ、あまりの過酷さに旅に出たことを後悔するアユミだったが、道中で出会った人々との交流や想像を超える絶景、命を預けあうナメさんとの絆が、人と関わることが苦手な彼女の心を成長させていった、という話。
昔はナナハンライダーで、バイクで北海道を始め全国旅していた経験から、凄く興味を持って鑑賞した。
ロシアがウクライナ侵攻前だろうな、安倍首相のテレビとか映ってたから最近じゃないな、と思ってたら2013年から14年にかけての話だった。今はロシア横断とか難しいんだろうけど。
BMWを選んだのがメンテ保証が大きな理由みたいだが、ホンダとかヤマハの日本車じゃ故障した時にメンテが難しいのかな?
あと、やはり道がなくて川を渡らないと行けない所があり、オフロードバイクで最低地上高が高くマフラーも高い位置じゃないといけないのだろう。
やってみたい気は有るけど、やはり勇気がないなぁ。
日本を軽バンの車中泊仕様で回るのが精一杯かも。
とにかく、英語さえ殆ど話せない状態で出発した行動力とトラブルが起きた時の何とかする力が素晴らしい。当初の目的地のアラスカまでは行けなかったが、ボリビアまででもよくやったなぁ、と思った。
あの2人その後結婚されたみたいですね。良かった。
人生に悩んでいる方は見たほうがいい
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