罪人たちのレビュー・感想・評価
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魂を震わす新時代のFrom Dusk Till Dawn
今週はF1を観に行くつもりだったがあちこちでこの映画の評判を見聞きし、急遽予定を変更。
確かに評判に違わず楽しかった!ザッツエンターテイメントな映画!
やはり音楽が良い!そしてある意味爽やかな鑑賞後の感覚は、これまでの〇〇ものとは違う見せ方だからか?
2025年上半期ベスト1でした。
前半サイコー!後半…?
とにかく前半は文句なしに最高!!
仲間が揃うまでの流れはずっと音楽が鳴り続けていて
どの画面もキマっていてかっこいい!!
特にサミーとスタックとスリム3人の道中で囚人に会った後、
スリムがその囚人の過去の酷い経験を話す所。
絵的には車でスリムが語っているだけだが、その語りの展開に合わせてBGMで争いの声や殴る音が流れてくる。
情景を見せずに音を聞かせる事でこちらの想像を掻き立てられるすごい演出だった。
そして店でのサミーの歌のシーンは文句なしにすごすぎる!!
あのシーンだけで音楽がなぜこんなに心を打つのか、どれだけ素晴らしいものか視覚で伝わってきて
映画でしか表現できないシーンで本当に感動した。
ただ店での歌のシーン以降の後半はなんだか納得がいかない事が多かった。
冒頭で"超常的な力を持った音楽"という設定の説明があった時に、音楽パワーで色んな事が解決するんだと勝手に期待してしまったからかも。
まずは吸血鬼について。
音楽の呪力とは関係ない怪異が急に登場した事で
え、何で急に⁈と色々考えてしまい、集中が途切れてしまった。
そもそも吸血鬼の設定にする必要はあったんだろうか…
(自分の不勉強かもしれないが、何か歴史的な関係があるの?)
歌の呪力が、力を与える代わりに悪いものを作り出すなら
サミーの歌に力を与えた代償にレミックたちが悪者にされてしまい襲ってくる、とか
吸血鬼の設定を無理やりくっつけない方がスッキリする気がしたけど、どうなんだろう?
もうひとつは最終的に敵は吸血鬼なのかKKKなのか、最大の見せ場は何処なのか要点がよく分からなかった所。
吸血鬼と主人公たちはルーツは違うけど、同じように不当な扱いを受けていた同士だから、そこが対立するのは何だか疑問に感じてモヤモヤした。
あと吸血鬼vs主人公勢、スモークvs KKKも普通に物理暴力対決で、
せっかく音楽呪力という唯一無二の設定があるのにそれを使わないのはもったいない気がした。
例えば主人公の酒場に吸血鬼が来たあと
主人公サイドも全員吸血鬼になっちゃって
結果、さまざまな地域の音楽のルーツがごちゃ混ぜになってスゴい音楽ができちゃってそのパワーでKKKをぶっ倒す!
とかくらいファンタジーバトルものに舵を切っちゃっても良かったんじゃ…
音楽をテーマにするには歴史など語らなければいけないことが沢山あるのは分かる。
でもその全てを取り入れた結果、後半は全ての要素が中途半端になってしまっていて
観ている自分の感情も中途半端にしか動かない感じで不完全燃焼。
エンドロール途中や最後までダラダラ続くし。
なら普通に呪力や吸血鬼とか出さずに人間ドラマにした方が良かったのでは…?
ぶっ飛んだ設定で遊ぶには作りが真面目すぎる印象。
とか色々言ったけど
店でのサミーの歌、そのあとの吸血鬼の歌は
本当に素晴らしくてそのためにもう一回観たいくらい。
てか普通にサントラ最高で聴きまくってる!!
だからこそ後半乗れなかったのがなんか悔しい!!
奇妙な、でも心に残る
サミーが、酒場で熱演した場面で、カオス‼️と笑った。エレキギターやら、DJ、様々な民族、ダンスが入り乱れ、心を打つ音楽は、時代も地域もジャンルも越えると表現してるのかなと思った。
その音楽に惹かれて、邪悪な者も引き寄せられる。3人による演奏が軽妙なカントリーで、しかも上手なので吹き出してしまった。本当に奇妙。
入る許可がないと吸血鬼は入られないなんて知らなかった。混乱した女性の一声で入ってきて戦いとなるのだが、ほとんどノープラン。
結局、才能ある若者だけが生き延び、自分の道を進む。KKKが大っぴらに黒人を殺害してた時代。最初に吸血鬼になった夫婦の家の中にも白装束があった。
その親が貸してくれた建物の中で暴行してたのだろうなと冒頭のやり取りを思い出して想像した。
下ネタエロシーンはいらなかったなあ。
奇妙でとっ散らかっているけど音楽は良く、レビューに困る作品。
エンドロールの後に後日談。老年のサミーに吸血鬼の2人が会いにくる。その時に兄から杭を打たない代わりに天寿を全うさせてくれと頼まれたと知る件。苦しい時代を乗り越えてギターで身を立てさせたいとの思いが伝わった。
そしてまた、エンドロールの後のシーン。これは、どういう意味なのかな。あの日の前の演奏の様子。
一作でいくつも味わえる圧巻の映画
1930年代アメリカ南部信仰深い人々が暮らす田舎町に、スモーク&スタック兄弟が帰っ帰郷。他の街で稼いだ血塗られた資金で、酒とダンスのバーを開店。開店初日、店がホールの熱気で盛り上がる中、招かざる者達の来店に人知を超えた夜が始まる。
一人二役のマイケル・B・ジョーダンが良い。優しく厳しく腕っぷし強いの兄、お調子者で優しい弟、彼らの血の絆を熱演している。
舞台のアメリカ南部の田舎町や綿花農場、伏線も色々張られ、設定・演出は見事だ。何かが起こる期待感はばっちりだ。
見所として、物語は中盤に向けて幻想性を高めていく。ブルース曲がホールを熱くしトランス状態に陥るが、そのシーンの昇華の描き方が最高だ。映画史に残る演出と言っても過言ではない。
それでいて、さすがクーグラー。エンタメ性は健在。スリラー要素を、スタイリッシュなアクションで飽きさせない。おそらく、企画はサバイバルスリラー、脚本は黒人文化の遺伝子記憶の中の魂のリズムの存在を描きたかったのでは、と感じた。
一作でいくつも味わえる圧巻の映画です。何といっても全編に流れる音楽が秀逸です。是非映画館の大音響でお楽しみください。
一夜限りの宴!絶望と解放のブルース!
「謝るな、ずっと護ってくれた」
▼感想
映画館で鑑賞!
マイケルBジョーダンとライアン・クーグラー監督のコンビの新作映画!このコンビが大好きだから楽しみにしてた!
今作はスリラー映画。他のクーグラー監督の作品と同じく、黒人の歴史や文化がこの作品に盛り込まれていた。自分が思うこの作品のテーマは「解放と自由」、それが作品全体のテーマとして一貫している。
面白いのが吸血鬼の行動原理にもこのテーマが色濃く出ている。普通は食欲や支配のために襲うが、彼らは解放のために人を襲うのが斬新。人としての人格が残っているのもドラマを生んだ。
主演のマイケルBジョーダンは大好きな俳優!今作では双子役だけど、話し方や雰囲気で双子役を演じ分けていたのはさすがだった!タンクトップ姿での格闘戦や二丁拳銃で敵を撃ち抜く姿はもうめっちゃかっこよかった!アクションだけじゃなく、従兄弟の歌が上手くて笑うシーンなどには彼の魅力的な笑顔が輝いていた。
ホラーとしてはアメリカ映画的なびっくりさせるような怖さで、そんなに怖くなかった。今作のキーとなるブルースは物語を盛り上げ、最後には感動を誘った。
マイケルBジョーダンとクーグラー監督のスリラー映画への初挑戦は大成功だった!このコンビの更なる挑戦に期待!
▼お気に入りのシーン
スモークが最後に戦うシーン!
そのビブラートする指でボタンを。
1930年代、…飲んで歌って踊れるバーを開き儲けようと地元に戻る双子の兄弟スモークとスタックと従兄弟のサミーに起こる話。
ボタンの扱い方をスタックから教わるサミー、…開店準備が整いオープンするが招かれざる客の出現で楽しいムードは一変することに…。
とりあえず事が起こるまでの前置き長い~、ヴァンパイア作品とは知ってて観に行ったけど、それが出て事を起こすのは終盤、もうちょっと早い段階で終盤のアクションを見せて欲しかったかな個人的に。
やたら愛撫ネタがチラホラがありながらも終盤ラストの歳を重ねたサミーの元に現れたスタックとメアリーで上手くまとめたなって印象。
変わった映画だが傑作まではいかない
1番思ったのが、吸血鬼の展開要らなかったのでは?
普通にkkkの襲撃でもストーリー展開出来たとは思う。音楽と社会派ドラマに何か+aを足したかったんだろうけど、ならばもっと吸血鬼の展開を上手く話に絡めて欲しかった。
一応、ホラー映画?音楽とドラマが熱い。
【注意】エンドロールは絶対に最後まで観て!
なんの前情報もチェックしないまま、ジャンルがホラー、IMAXフルサイズ画角がある。との情報だけでエキスポIMAX GTで観てきました。
エキスポまで行って、大勝利やないかー!
人にどんな映画?と聞かれて
1930年代、黒人差別、ブルース、信仰、ダンス、家族愛、あらすじに書いてる「招かれざるものたち」の部分。
を軽くお伝えしたのだけど、この設定も差別や悪意の伝播のメタファーなのでは?と思うんですよね。なのでこれをホラー映画と分類するのも悩ましい、ジャンル分けの難しい映画だなと。
ブルース=黒人の音楽=悪魔の音楽と言われ、黒人と言うだけで無実の罪を着せられ悪者にされる。何もしてなくても罪人として扱われる世界で生きる人達の魂の音楽とダンスとアクション、いやこれ最高にカッコイイよ。
それを奪おうとする敵も、その魅力に気付いてる訳で。あー、なんだもう、イイな!w
音楽がルドウィグ・ゴランソンてことできっと良いだろうと思ったら、最高すぎた。
一部IMAXフィルム撮影ということでフルサイズのIMAX画角になるのだけど、まー、そのシーンの素晴らしいこと!フルサイズで見るダンスシークエンスや、家族の姿とか⋯
全然ホラー映画の感想に見えないでしょwでも一応ホラー要素はメインにあるんだわ。でもそれ以上にそれぞれの登場人物が魅力的で、ドラマが良かったので、思いもかけずとてもいいものを観てしまった!こういうの大好きです!
まさかあんな泣くと思わなかった。家族愛とかにすごい涙腺ゆるいんだってば。あと愛してるから、誰より大切だからこそ突き放すとか、そういうのにもとても弱い。
プリーチャーボーイ、よくあんな役者さん見つけて来たなってぐらい、いい声だった⋯
【パンフレット】手に入れることが出来たら感想書く!w完売て!
ババンババンバン
バンパイア要素いらないな。
青い空に白い雲。
コットン畑の中を
どこまでも続く道。
邪悪なものを呼び込む魂の音楽。
(先住民や京劇なんかいっぱい出てきたの面白かったけどいらないな)
酒場を開くために人集めしてる前半、すっごく好きな感じだったのに。
バンパイア出てきてからというか、バンパイア役が「28年後」の、、。 (演じる役考えて受けてほしいな)
バンパイア要素なしで、KKKに襲われて闘う話でも充分面白かったろうに。でもそれじゃあダメなんだな。
IMAX上映終わってたので、DOLBY CINEMAで。
音響の良い劇場で観ることができて良かった。
見応えはあった。
黒人ブルースvs吸血鬼音楽のバトルミュージカル
罪人とされる人の方が紳士的に見えるのは、あの時代が遺した人類への課題のようにも思える
2025.6.26 字幕 T・JOY京都
2025年のアメリカ映画(137分、PG12)
1930年代のミシシッピ・デルタを舞台にした一夜限りのパブの悲劇を描いたホラー映画
監督&脚本はライアン・クーグラー
原題の『Sinners』は「罪人たち」という意味で、キリスト教的には「神の教えに背く行為をした人」という意味
物語の舞台は、1932年のアメリカ・ミシシッピー州クラークスデール
退役軍人のイライジャことスモーク・ムーア(マイケル・B・ジョーダン)とイライアスことスタック・ムーア(マイケル・B・ジョーダン)の双子は、パブを始めるために白人のホグウッド(Dave Maldonado)から工場跡地を買うことになった
二人に加わるのがいとこのサミー(マイルズ・ケイトン、老齢期:Buddy Guy)で、彼の父ジェド(Saul Williams)は町の牧師をしていた
3人は機材を拾ってテナントへと向かい、パブを開店する用意を始めていく
スタックは町に出て、ピアニストのデルタ・スリム(デルロイ・リンドー)をスカウトし、用心棒としてコーンブレッド(Omar Benson Miller)を雇い入れる
店の看板を仕入れ屋のグレース・チョウ(リー・ジンリー)に依頼し、夫のボー(Yao)も開店準備を手伝うことになった
スタックと共に行動していたサミーは、そこで歌手活動をしているパーリン(Jayme Lawson)と出会い、店に来るように誘う
そこにはスタックの元恋人メアリー(Hailee Steinfeld)もいて乗り気だったが、スタックは店は黒人専用だから辞退して欲しいと伝えた
一方その頃、スモークは別居中の妻アニー(ウンミ・モサク)の元を訪れ、パブでの料理を依頼する
出征時に渡したペンダントを引き合いに出し、息子は助からなかったが、スモークには加護があったと言い、二人は再び結ばれることになった
物語は、パブを半日で仕上げていく様子が描かれ、その背景である男が白人夫婦の元に向かう様子が描かれていく
アイルランドから来たレミック(ジャック・オコネル)は、ジョーン(Lola Kirke)とバート(Peter Dreimanis)の元を訪れるのだが、そこでバートがレミックに襲われてしまう
レミックは吸血鬼で、噛まれたバートも吸血鬼化し、ジョーンもその餌食になってしまう
そして、レミックに支配された二人は、彼と共に開店直後のパブに姿を現すのである
映画は、いわゆる吸血鬼映画で、吸血鬼のルールである「住人の許可がないと建物に入れない」というのを強調したシナリオになっていた
ジョーンがレミックを見かねて招いたり、グレースがレミックを挑発するなど、事態を悪化させていくのは女性となっていた
だが一方で、愛に従順で尽くす様子も描かれていて、激情的なものが生み出す光と影がそこに描かれていたように思える
映画の冒頭は、惨劇が起こった後から描かれ、「1日前」へと戻る構成になっている
その1日前では、ジェド牧師がサミーに対して、「コリント人への手紙」の「第10章13節」を引用して、神様の教えを説いていた
この節はかなり有名な一節で、「神様は乗り越えられない試練は課さない」というもので、「耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださっている」という言葉となっている
映画のタイトルもキリスト教的な意味合いでの「神様の教えに背いたもの」みたいなニュアンスになっているので、この一連の惨劇はサミーに下された試練というように描かれている
彼は父に言われてもギターを捨てることがなく、あの日始まったものを老齢期まで続けていた
サミーは「悪魔をも呼び寄せる魂の歌を歌える人」なのだが、悪魔を呼び寄せた一方で、犠牲になった人々を歌の世界に生き残らせている存在でもあったと言えるのだろう
そして映画のラストでは、ある人物との再会が待っていた
彼らは「ある提案」をサミーにするものの、「私は十分に生きた」と答える
それは、あの言葉で「試練が完結する」ようにも思えていて、サミーは人生を通して、神様の教えに背かない人生というものを貫いたのだろう
犠牲になった人々が背いた人とは言えないと思うのだが、あえて吸血鬼化することで生き延びようとした人々は、文字通り「罪人」と呼ばれても仕方がないのかな、と思った
いずれにせよ、かなり宗教色の強い作品で、1930年代のアメリカの黒人差別の状況であるとか、ミシシッピデルタがどんな地域だったのかを知っておいた方が良いと思う
一応は、町には白人専用のものしかなく、黒人は奴隷のような扱いで綿花事業に従事しているなどのわかりやすさもある
地主の双子に対する態度を考えると、あの夜に吸血鬼が来なくても、KKKによる襲撃はあったと思う
吸血鬼を焚き付けたのが彼らだとまでは言わないが、行動は同じようなもので、立ち入りの許可を求めるだけ吸血鬼の方が紳士的のようにも思える
それを踏まえた上での反撃というものがあるので、このあたりの土壌はしっかりと認識しておいた方が良いのかな、と感じた
これは面白い!
間違いなく、人生で最高の一日だった。
意外なホラージャンルという点以外に 生命力の炸裂する爆弾みたいな映...
色々な意味で最高に贅沢な時間。
黒人奴隷の過酷な環境の歴史とホラーをブルース全開のミュージカルと掛け合わせためちゃくちゃアナーキーな内容なのにちゃんと泣けるように出来てて最高に面白かった。
バディ・ガイが酒場で生演奏をするシーンまで登場してなんて贅沢なエンタメ映画なんだと終始笑顔が絶えなかった。最近のミュージカル映画の中でもダントツで曲も良かった。
エンディングクレジットの参加楽器隊の中に確かにドラムでラーズ・ウルリッヒの名前を見たのだがまさかメタリカのラーズじゃないよね?????エンディングで流れた曲から黒人からの搾取者を〇〇で表現したのねと納得した。泣けたなぁ。
これは最高の映画体験なので観てない人はすぐに映画館に行こう。IMAXで上映してくれてありがとう!
搾取者
ライアンクーグラーというブレない一貫性
ライアンクーグラーとマイケルBジョーダンのタッグでフロムダスクティルドーンの舞台でblaxploitaonをやってみました、という映画。思えば、ブラックパンサーがその代表例ですね。ある程度、前提知識が必要なので躊躇するも、北米でヒットしたから日本公開が急遽決まったのもその辺の事情でしょう。
ロバート・ジョンソンの逸話やヴァンパイアのルール、なぜアイリッシュ系の歌を唄うのかとか。そこらを飲み込めるかでおもしろさが左右される気がします。メタファーとされるブラックからホワイトが文化的搾取としての吸血行為といわれてますが、んーだったらそこはアイリッシュじゃないでしょ
ただまあドルビーアトモスで観たので音圧と画面の見事さはさすがでした。
思えばライアンクーグラーはまだ若いひとなのに、自分の色をだして数々のヒットを出しているので本当に凄いな、と
盟友、マイケルBジョーダンの立ち方も素晴らしい。ポストクレジットまわりも大好きでした
音楽、ロマンス、兄弟愛、アメリカ南部、そしてヴァンパイア…恐るべき全部載せ
IMAX視聴。禁酒法時代のアメリカ南部を舞台に、シリアスで重厚なドラマを積み上げていき、故郷に戻った双子の兄弟が建てた酒場の開店初日の夜、酒とダンスと音楽の織りなす夢のような「自由」のひと時へと結実する…そこにヴァンパイアを乱入させて(ほぼ)皆殺し!無茶苦茶である。(それまでの人物描写が素晴らしいだけに)観ている方の情緒もおかしくなろうというもの。何故か音楽に理解のある愉快なヴァンパイアなので、なんとか真夜中の音楽バトル(ブルースVSアイリッシュ)でコトが済めば良かったのに…その後もKKK相手のランボーみたいな銃撃戦あり、と破天荒にドラマを振り回しした果ての、何重底ものどんでん返しを含む結末。要素やプロットだけならB級にもほどがあるが、これが不可思議なアンサンブルとして成立していて、心揺さぶられる。題材的に音楽の良さは前提のようなものだが、俳優陣も男女老揃って皆匂いたつようなセクシーさで、その生き様死に様ともに魅了される。
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