「前半サイコー!後半…?」罪人たち リコピン大王さんの映画レビュー(感想・評価)
前半サイコー!後半…?
とにかく前半は文句なしに最高!!
仲間が揃うまでの流れはずっと音楽が鳴り続けていて
どの画面もキマっていてかっこいい!!
特にサミーとスタックとスリム3人の道中で囚人に会った後、
スリムがその囚人の過去の酷い経験を話す所。
絵的には車でスリムが語っているだけだが、その語りの展開に合わせてBGMで争いの声や殴る音が流れてくる。
情景を見せずに音を聞かせる事でこちらの想像を掻き立てられるすごい演出だった。
そして店でのサミーの歌のシーンは文句なしにすごすぎる!!
あのシーンだけで音楽がなぜこんなに心を打つのか、どれだけ素晴らしいものか視覚で伝わってきて
映画でしか表現できないシーンで本当に感動した。
ただ店での歌のシーン以降の後半はなんだか納得がいかない事が多かった。
冒頭で"超常的な力を持った音楽"という設定の説明があった時に、音楽パワーで色んな事が解決するんだと勝手に期待してしまったからかも。
まずは吸血鬼について。
音楽の呪力とは関係ない怪異が急に登場した事で
え、何で急に⁈と色々考えてしまい、集中が途切れてしまった。
そもそも吸血鬼の設定にする必要はあったんだろうか…
(自分の不勉強かもしれないが、何か歴史的な関係があるの?)
歌の呪力が、力を与える代わりに悪いものを作り出すなら
サミーの歌に力を与えた代償にレミックたちが悪者にされてしまい襲ってくる、とか
吸血鬼の設定を無理やりくっつけない方がスッキリする気がしたけど、どうなんだろう?
もうひとつは最終的に敵は吸血鬼なのかKKKなのか、最大の見せ場は何処なのか要点がよく分からなかった所。
吸血鬼と主人公たちはルーツは違うけど、同じように不当な扱いを受けていた同士だから、そこが対立するのは何だか疑問に感じてモヤモヤした。
あと吸血鬼vs主人公勢、スモークvs KKKも普通に物理暴力対決で、
せっかく音楽呪力という唯一無二の設定があるのにそれを使わないのはもったいない気がした。
例えば主人公の酒場に吸血鬼が来たあと
主人公サイドも全員吸血鬼になっちゃって
結果、さまざまな地域の音楽のルーツがごちゃ混ぜになってスゴい音楽ができちゃってそのパワーでKKKをぶっ倒す!
とかくらいファンタジーバトルものに舵を切っちゃっても良かったんじゃ…
音楽をテーマにするには歴史など語らなければいけないことが沢山あるのは分かる。
でもその全てを取り入れた結果、後半は全ての要素が中途半端になってしまっていて
観ている自分の感情も中途半端にしか動かない感じで不完全燃焼。
エンドロール途中や最後までダラダラ続くし。
なら普通に呪力や吸血鬼とか出さずに人間ドラマにした方が良かったのでは…?
ぶっ飛んだ設定で遊ぶには作りが真面目すぎる印象。
とか色々言ったけど
店でのサミーの歌、そのあとの吸血鬼の歌は
本当に素晴らしくてそのためにもう一回観たいくらい。
てか普通にサントラ最高で聴きまくってる!!
だからこそ後半乗れなかったのがなんか悔しい!!
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