「人種問題のドラマか、一晩中歌い踊る狂乱か、吸血鬼か 各要素がバラバラでうまく絡み合っていない」罪人たち ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
人種問題のドラマか、一晩中歌い踊る狂乱か、吸血鬼か 各要素がバラバラでうまく絡み合っていない
1930年代アメリカ南部の田舎町を舞台に、人種問題の人間ドラマを背景に、吸血鬼との一晩の抗争を描く。
IMAXフルサイズでの鑑賞で、久々にいくつかのシーンでは天井から床までの映像を味わえました。ところどころだけなのが残念。
終映後は、めずらしく拍手が起きましたが、自分としては物足らず。
人間ドラマ部分も、吸血鬼部分も、そのミックスは面白いが、両方中途半端に終わった感じ。
人種問題ではきっと数々の示唆があるに違いないのですが、不勉強でよくわからず。
公開翌日昼にもかかわらず、早くもパンフレットが売り切れのため、背景の解説を読むこともできず。
グランドシネマサンシャイン池袋では良く有ることですが。
その中で、ダンスが盛り上がり、時間と空間の境界線を超越したエネルギーが巻き起こるところがみどころ。
この部分について、予告編から、一晩中踊り明かす話ことを中心にした話と思い込んでおりましたが、この狂乱のダンスは1曲か数曲のみで、あとは「よくある」吸血鬼との攻防戦になってしまうのが残念でした。(「遊星からの物体X」的な要素もありつつ。)
吸血鬼であることに人種の偏見による対立をうまく組み合わせれば、面白くなってたかもしれない。
中盤で、すぐに黒人たちも吸血鬼になってしまって、人種問題が関係なくなると、単なるB級ホラーになってしまい、その頃には、歌とダンスも関係なくなってしまうのが、非常に残念。
吸血鬼に引っ張られすぎたうえに、その描写も平板で、人間ドラマ部分がおざなりになってしまうのが本当に残念でした。
登場人物の中でも、外見は普通の白人と変わらない女性について、もっと掘り下げるとかあっても良かったとも思います。
『罪人たち』というタイトルの意味も不明。
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