「予告映像からサスペンスを期待すると裏切られる異形のラブストーリー。結局誰も得をしないしオチも不明確な謎作品。」恋に至る病 おつろくさんの映画レビュー(感想・評価)
予告映像からサスペンスを期待すると裏切られる異形のラブストーリー。結局誰も得をしないしオチも不明確な謎作品。
自分は原作未読なので、映画だけ観たレビューです。あしからず。
親の都合で7回も転校を繰り返したせいで、コミュニケーション能力に難のある宮嶺望(長尾謙杜)と引っ越した家の向かいに住むクラスの陽キャの寄河景(山田杏奈)。この二人が普通に惹かれ合うなら、食パンを咥えたまま家を飛び出して家の前で激突しなければならないのに、初手のやり取りはクラスでの自己紹介に戸惑っている望に、知り合いだと嘘をついてグイグイ接近してくる景の謎行動。景の一目惚れっぽい感じはしますが、普通の会話もない段階でのこれはちょっとやり過ぎではないかと。今のZ世代はこれが標準なんですかね?
下校時に自転車に乗りながら会話をして距離がちょっとずつ近付いている辺りの描写は微笑ましいというか、学園ものラブストーリーの定石ですね。望も次第に周りに打ち解けて違和感のなくなったところで景からデートのお誘い! 青春ですなぁ。関係ないですがロケ地が地元なんで、脚本に自分の既視感がプラスされて何だか劇の中に片足を突っ込んだような妙な感じがしました。
普段の学校生活に戻って、クラスメートの弟が二人のデートを目撃したあたりから雲行きが怪しくなってきます。クラスのムードメーカー(担任談)の根津原(醍醐虎汰朗)のグループに妬まれて陰湿ないじめを受けてしまいます。最近の学園物にはいじめがデフォルトですが、いじめに関わったメンバーが次々と不審死を遂げる展開に。「もしかしてそれって景が関わっているんじゃないか」と鈍い望が気付き始めた時、なぜか景がシリアルキラーになる事を宣言。正式な彼ではなくても一緒に時を過ごした女子がそんなこと言いだしたら止めるのが普通なのに自分が被疑者になっても良いと受け入れてしまう望。二人とも精神科の受診をオススメします。
この辺りから連続する怪異には「ブルーモルフォ」という組織が関係しているという事が報道により明らかにされますが、組織の目的も具体的な行動も明かされないまま事態は進行します。尺のためかこの辺の切り取り方が雑で、観客は(自分も含めて)理解するのに相当苦労すると思います。
その後、理由も明かされないまま自殺を試みる先輩を景が止めたり、根津原を殺したのは実は私たちで、景を囮に使っただけと言うクラスメートが出てきたり、前半部分を頭の中で整理している最中にドンドン話は変な方向に進んで行き、景が例の先輩に理由も不明確のまま「カッターで刺殺(不可能)」されたり、望が景を殺したのは自分ですとか変なことを言ったり、刑事の入見(前田敦子)が防犯カメラに写ってるからそれは違うとキレ散らかしたり、グチャグチャのまま事態は終焉へ。
望がクラス女子と都市伝説の話をしていたところから、望の消しゴムをパクったのは景だと類推していましたが、最後の最期で望に景の両親から渡された景の宝箱の中に望の消しゴムが入っていたのは、オチとしては「だから何?」という感じでした。
共感&コメントありがとうございます。
なるほど、原作はそんな感じなんですね。
それなら景に対する見方も変わってくるし、ちょっとすっきりします。
原作のほうがおもしろそうですね。
これっぽっちもラブストーリーを期待しないでみたので?それなりには楽しめましたw
原作と同じだと尺の都合もあるし、かといってイジり過ぎると違う話になってしまうし、とはいえそれが必ずしもダメという訳でもないし、難しいところですよね。
コメントありがとうございます。
私も原作未読なのですが、設定に違う部分があるのですね。
私は割と楽しんで観られたのですが、結末があまり好きでありませんでした。
おっしゃる通り支離滅裂な感じでしたね。私としては山田杏奈を観る映画…でした。長尾謙杜は他作で脇役のときは、さほど演技について思うところはなかったのですが、本作はとても気になりました。
こんにちは!
序盤はめちゃくちゃ好物だったんですけどね~、イジメの展開からえっ?!なっちゃって。
完全にシンプルラブストーリーと思っていただけにガッカリが眠気に変わりました(笑)






