ORLIKのレビュー・感想・評価
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ゴダール・・・
正直、意味不明で、まさにゴダール的な難解さ。それでも、ゴダール作品を受け入れられなかった自分でも、この作品は、しっかりとゴダールみたい…と思いつつも愛しい…と思っちゃいました。その要因、それはアニメーションだから?我ながら安直な帰結と思うのですが、意外とバカにならないかも─と。ゴダール最後の長編?「イメージの本」などはまさにアニメのようなコラージュ作品で、行き着くところはこんな感じだったのかと今更ながらに想起してしまいます、ゴダールのは全く自分的にはダメでしたけど・・・。
この「ORLIK」は、自分的には、ゴダールを超えていた!と思いました。それは多分、ゴーストバスターズの要素がたくさん含まれていたからなのでしょう、どこが?と問われると返答しかねますが、めっちゃオモロかったことだけは確かです、あくまで個人的見解で。
といいつつも、最初はかなり眠気と戦っていましたが、この映画こそが世界だというまさにゴダール的など思想を感じ取れた瞬間、めっちゃ見入りました。もう何が起こっても、どんな展開になろうとも、全く臆することなく、ただただ作品を楽しんでいたような気がします。音楽の使い方は意外と分かりやすかったので、それも手助けになったかも。
世界が滅亡する瞬間、自分はこの作品を見ていたいかも─、と思ったり─。自分が死ぬ瞬間はべつの作品がいいんですけど─。
映画監督の逆襲!
映像から広がるイマジネーションは、自身の記憶や体験を呼び覚まし、
まだ知らない世界や、見て見ぬフリをしている世界が広がります。
美しいもの汚いもの。喜びや悲しみ、楽しさや辛さ。怒りや妬み僻み、理不尽なことでさえ。その全てが映画になりうる。
映画の優しさと危なさ。
他人の息づかいを感じながらスクリーンに目を凝らすこの時、一人一人が平和の体現者。
映画を観るって、なんてエキサイティング!
美しくノスタルジックなピアノの旋律が素晴らしい。
私は単純な人間なので、もしかするとこの音楽に泣かされたのかもしれませんが。
劇場のシーンは涙が止まりませんでした。
しかし!ノスタルジーやセンチメンタルに浸らせてくれないのがhaiena監督。
スタイリッシュな映像と辛辣なユーモアがやみつきになります。
映画への逆襲であり、自分自身との決別。
次回作が楽しみでならない。
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