兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
全41件中、21~40件目を表示
全く共感できない
何を伝えたいのかがさっぱり分からず、共感できる部分もほとんどない作品でした。まさか幼児虐待を扱った内容だとは思わず、さらにその加害者である父親を許すような展開には不快感すら覚えました。それに加え、各キャストのコミカルな演技と物語の重たさとのバランスも悪く、ちぐはぐな印象を受けました。
原作は未読なので、原作と本作と展開が一緒なのかは不明ですが「一見ダメ人間に見える兄も、実は根はいい人だった」という展開なら分かるのですが、「やはり本物のクズでした」という展開に至るのは理解に苦しみます。少なくとも本作のコミカルなトーンとは合っていないと思います。
恐らくキャストの皆さんも演じるのが難しかったと思います。そんな中、娘役の役者さんはとても自然な演技で良かったです。
泣きすぎて頭痛くなった
予告から気になり、原作は手に取るものの
まだ読んではおりませんが
先に映画を観て良かったのではないかと思っています。
死がテーマですが、重苦しさはなく
ユーモアと愛情と時々憎しみがスパイスになった感じで
ダメダメな兄貴(オダギリジョー)なんだけども
作家の妹の本が何冊も本棚にあったり、
幼少期の頃の家族写真が飾ってあったり、
別れた妻と娘の写真が飾ってあったりと
書きながらまた泣きそうです。
憎みきれない愛しい家族…
救えなかったのは自分のせいかと苦悩する妹や息子
いやもう嗚咽状態でした。
あまり話題になっていないのでしょうか。
ぜひ一人でも多くの方に観て欲しい家族の愛の物語です。
それぞれの価値観とそれぞれの感じ方、そして人と関わり変わること
いい映画でした。生前はわがままで身勝手、金をせびるだけの兄。訃報を受け、行ってみるとゴミ屋敷状態の部屋。腹の立つことばかりだけど、後始末をしながら、加奈子の言葉で兄の人生を振り返ってみると、そこには違う兄がいた。僕たちは先入観や決めつけでついつい人を判断したり、自分の考えに固執したりする。でも、違った目線で、違った角度で見直すとまた別の事実に気がつくこともある。そんな心の柔らかさを感じる映画だった。今の世の中、他人の意見を聞かず我を通す人、自分と違った意見を持った人を誹謗中傷する人…排外的な人たちや意見が多い。でも、自分が間違いないと信じることも実は一面的な見方であるかもしれないことを忘れてはいけない。
そんな気持ちで兄の人生をたどってみると、気づかなかったことに気づき、別の兄に出会うことができた。金をせびり、どうしようもない兄も現実かもしれないけど、そうでない兄もいたことが大事。それに気がつくと、とんでもないメールが愛おしくなってくる。温かい気持ちになる映画だった。
原作は読んでいませんが、映像でしか表現できない部分があって、映画の良さを感じさせてくれる作品だった。言葉の表現ではしづらいことも、映像で感じさせることによって、心に染み入ることはよくある。この映画もそんな感じがした。いきなり東北に行ってしまう、ピアノ、湯沸かし器、募金…特によかったのが、終わり近くのシーンで、きれいに片付けた兄のアパートで、自分の一番好きな兄にそれぞれが会いに行く場面。三人が並んで、どうぞみたいな、そのシーンが温かくて、そしてアパートのドアがまるでタイムマシンの入り口か、どこでもドアみたいに感じられ、それぞれが兄をどう受け止めているかが伝わり、自分としては印象に残るワンシーンでした。
ズルいしか出てこない。
もうね。ほんとにね。ズルいねん。
兄弟姉妹いる人にも、いない人には親子愛でサポートしてるし。さらに保険で夫婦に家族愛も付けてまえって感じだし。
思いのほか泣ける作品やね。
お兄ちゃんはオダギリジョーなんだけどズルいよね。何笑ぅてんねん!!って突っ込みたくなるぐらいにダメ男なのにニヤついているし。でもなんか憎めないし。
キャスティング的にこの人しかいないやんって思えるしサイコーだよね。
でもやはり私的には最大の功労者は満島ひかり演じる加奈子やね。
めっちゃ難しいポジションだよね。
このダメ男の別れた(しかも2度目となる再婚の)元嫁で2児の母で息子は旦那に引き取られてたまにしか会えない。しかも久しぶりの元義理の妹といろいろ後始末だなんだと。
複雑だよねぇ。難しいよね。でもあの笑顔や泣き顔を余す所なく発揮して乗り越えたあたりは流石の一言ですわ。うん。
ラストのタックルには………ヤラれました。ズルいよね。みんな思ったりフツーにやってるウソをぶつけてくるなんて。
「自分で壊したくせに」
家族写真が兄の家の壁に貼られているのを見た時の、このセリフがとても印象に残りました。
どうしようもない最低な人ではあるけど、「兄」なりに人間らしく精一杯生きた結果なのだと思います。
考えさせられる、ちょっと胸が苦しい映画でした。
エッセイ作家さんの物語
時間的にこちらが先に都合がついたのでこちらから鑑賞‼️。
感動するかな❓って思ってたけど私的になく終了。
こればっかりは感覚が人それぞれなので仕方ないですね。
人によっては「泣けました〜」ってあるからその要素はあるとおもいます💧。
笑えるというか呆れるというか兄に振り回されてますね理子は💧、生前は嘘ばっかりついてと思っていたけど兄の元妻加奈子と話をするうちに色々と気付かされていく姿はクスッと笑えました。
兄は本当に素直に思った事を言葉や行動にしてたんですね、結果的には嘘にはなってしまってたが☺️。
ただ息子はサイズの合わない下着だったり普通の生活じゃなかっただろうが父と居れるだけで本当に幸せだったのか❓とは少し疑問だったが、そこも関係ないぐらい一緒にいたかったのだろう😳(ちょい無理あるような気がするが)。
兄もまたいいキャラでしたね、理子の頭の中の兄ではありましたがいい感じのヨイショよいしょで出てくるんだから、最初は本当の幽霊的な❓って思ってたけど頭のイメージなんだね、だから加奈子にも子供達にもそれぞれの夫や父がいるんだね👍。
中々良い作品でした☺️。
予想以上の良作
見方によっては既に死んでしまった駄目な人間の良かった部分を(生きてる人間の脳内で)フォーカスして感動物語に仕上げた作品とも言えるが、それが妙にきちんと感動物語に仕上がっている。理性的な妹と感情的な兄の対比も面白いが、やっぱりオダギリジョーの存在感が最大の魅力なんだと思う。元妻と実妹というそれぞれの『家族』、元妻が引き取った娘と夫が引き取った息子、いろんな対比があって面白く感じました。そして結構泣きました。
特に終盤の、アパートでそれぞれが対面を果たすシーンは妙案だったと思います。
色々思い返して良い人だったと思いはするも、でもやっぱり駄目な人間だったよねと、しっかり認識して終わるのも、ちゃんとしていて良かったと思います。
心の豊かさだけでも、生活の豊かさだけでもダメよね。
全てはバランスが大事⚖️
音信不通…と云うより、一方的に無視をしていた兄が、突然…ポックリと逝った。
離婚を機に、再起を賭けて、、地団駄踏んでゴネてゴネてゴネまくって【絶対に幸せにする!】条件で、姉弟の内、息子の親権を分けてもらって…一路、東北は宮城県の多賀城へ!
最初はイイ。
最初は本当に本気で頑張る予定だった。でも、、いつしかナシ崩し的に…有言不実行😫
やる事為すこと全部…嘘になる。
オダジョー演じる主人公作家の兄は、そんな男である。
好きな事には何処迄も熱中して上手く出来るのに…
ソレ以外は、からっきし😰
挙句の果てには困難からは直ぐに目を背けて、直ぐ逃げる。
兄の突然死を受けて、否応なしに兄と向き合わざるをえなくなった妹からは、
そうとしか…そう云う人間にしか視えなかった。
でも、、知らない事が多すぎた😖
汚部屋とかした安アパートを片付けている内に、少しずつだけど垣間見える、兄の知らなかった一面。
いや、知ろうとしなかった別面。
無責任でいい加減なくせに、飄々とした愛されキャラで、誰とでも割りと直ぐに仲良くなれる奴…
母から一心の愛を受け、溺愛され、、家族と無難に相対せる自分より、問題児の方が親からすれば可愛いの?と思わせてくる奴…
私に嫌われていると知りながら…図々しい金の無心だろうが、繋がりを切らずに、関わり合いを持とうとしてくる奴…
私に見捨てられたクセに、私が困って助けを求めたならば…即座に助けてくれる奴…
荼毘に付して、運べるサイズの壺🏺に収まった兄を見て、思い出し、想い返す…兄特製:焼きそばの味。
……無駄に器用だったから、何気に美味かったんだよなぁと。
誰もが持つ家族の好き・嫌い…
それが自分自身のオリジン…起源を、勝手に定める呪縛にならない様に、
自分を嫌いにならないように…
まぁ、それが一番難しいのだけれど😜
憎み切れないロクデナシ
憎み切れないのは、オダギリジョーさんだったからかな。
兄は子供の頃からマイペース過ぎて、自分勝手で無責任なのに、母親の愛情を独占していた。大人になっても、器用で人当たりは良いけれども、仕事が長続きしない。嘘つきで、しかも金の無心ばかり。よく作ってくれた焼きそばは家族の為と言うより、自分のこだわりだと思いました。そんな兄から多大な迷惑をこうむって来た理子。
こんな人とは縁を切って二度と関わりたくないです。だけど、死んだ?…兄からはもうせびられる事は無いのだから、遺体の引き取りはしてやろうか、と思えたのは、理子に金銭的な余裕があったからですね。そして兄の息子の良一の存在が大きかった。自分も2人の子供がいる理子は甥を放っておけません。
作家の仕事も一段落して、滋賀県から宮城県まで出向き、遺体を引き取って火葬し、遺骨にして持ち帰る事を決意しました。警察署に着くと、兄の元妻加奈子と娘満里奈も来ていました。
火葬までの手続きも納棺師にお願いするとお金がかかり(3万5千円⁉)、ごみ屋敷と化したアパートも業者に頼むと高いから3人で片付け、ごみも処理場に持ち込み、とか諸々の作業が切実です。
食べ散らかしたゴミや布団をどかしたらテーブルや畳に染み1つ無かったのはリアルじゃなかったです。
アパートの部屋の壁には、兄が自分の失った家族との幸福な時間の写真が貼ってあったのですが、これは映画オリジナルのシーンでしょうか。家族に愛情があるのにきちんと責任を果たせない、つくづくダメ人間と感じました。2回も結婚、離婚しているから女性に依存しがちな人間ではなかったかと思います。というか、究極の人たらしで、女性の方が放っておけなかったんでしょう。
それでも映画の後味は良いです。元妻も子供たちも良い子。
満島ひかりさんの演技が素敵で、柴咲コウさんも良かったです。
加奈子との会話で、理子は兄との良い思い出もあったことに気付き、加奈子も夫の長所を思い出しました。
理子の家族との絆も見せ、心温まる作品です。
所々ユーモアもあって面白かったですが、ちょっと綺麗事に描きすぎかもしれません。
今は亡き兄の本質
兄が亡くなってから、
その兄(オダギリジョー)と関わった人々とともに過ごすことにより
生前の兄の解像度があがっていく。
理子(柴咲コウ)がうそつきと思っていた兄は、
実はそうではなかった。
愛情に満ちた人だった。
幼少期の頃からそれは一貫していたことを思い出す理子。
家族の大切さをあらためて感じる。
本音で語ることでスッキリする加奈子(満島ひかり)、
優しいうそでもついてほしくないと思うようになる理子。
それは兄が全部本当のことを言っていたから。
オダギリジョー演じる兄は実に軽やか。
最近はエキセントリックな役が多かった柴咲コウの演技も
実によい、特に笑顔がよい。
この役もちょっぴり変だったりはするのだが雰囲気がすごく良いのだ。
コミカルな表現がありつつも、じんわり心に沁みる
実に巧みな紡ぎ上げられ方をしていて感動したし、非常に鑑賞後感が良かった。
こういう作品をもっとたくさんの人々に鑑賞してほしい。
面白い
理由は分からんのやけど胸にスッと入ってきて琴線にも触れる映画。
宣伝見ている限りではコメディかと思っとったけど全然違た。
ただ椅子の隙間から遺骨をパスされるシーンは笑た。
満島ひかりの演技久しぶりに見たけどやっぱ凄いな
大嘘つきのクズ兄と、堅実なエッセイストの妹。ところが物語が進むにつれて、嘘が本当だったり愛のある嘘だったり、気が付いたら涙腺が崩壊してました。
アバンで少年が机に向かって本を読んでいる場面。想像と違う始まり方に一瞬「スクリーン間違えた?」と思ったけど、すぐにキャストの名前が出てきたから合っている事を確認。自分は間違えたことないけど、大きな単館からシネコンに移行してからは、昭和20年代世代は結構間違えているみたいです。
ある日家族の団欒の中で村井理子(柴咲コウ)に警察から電話が掛かってくる。実兄(オダギリジョー)が死んだので遺体を引き取りに来て欲しいとのこと。子供の頃は母親に溺愛されていた兄に子供ながらに嫉妬していた理子は、ダメ兄でも両親が鬼籍に入っているので自分しか役目を果たせないからと自宅の滋賀県からダメ兄の終焉の地、宮城県の多賀城市に向かう事を決めます。
母に甘えていたダメ兄は、母に末期がんが見つかった事を知ると母を置いて東北に逃げ出して母の死後に急遽帰宅、喪主を務めた理子に香典の分け前をねだるクズ兄っぷりを最大限に発揮します。
最近送られてきたダメ兄からのメールは、湯沸かし器が爆発したからとか、生活費を全額寄付したからとか、息子の良一にピアノを習わせたいからとか、天職が見つかったので給料日まで金を貸してくれとか、胡散臭い理由の借金の催促ばかり。
現地に到着したら、ダメ兄と離婚した加奈子と良一の姉の満里奈と合流して、ゴミ屋敷の整理に着手します。そこであれほど憎らしかったダメ兄が、自分や加奈子や満里奈と楽しく過ごしていた頃の古ぼけた写真を壁に貼っていたのを見つけてダメ兄を憎んでいた気持ちが混濁するのです。
子供の頃喫茶店を経営していた両親の帰りを待ちながら寂しくなってダメ兄と自転車で店に様子を見に行く理子。親が元気に働く姿を見て安心します。帰り道に巡査に止められて「子供が夜遅くに出歩くな」と注意されますが、アドリブの嘘で「妹が星空が好きなんで夜に天体観測に出掛けるんです」と言って巡査を煙に撒いたりします。なんだ、優しい嘘もつけるじゃん。
その後も、良一が募金箱に少ない小遣いを突っ込んだり、児童養護施設でピアノを弾いていたり、ダメ兄の住んでいたアパートの外を見たら、本当に湯沸かし器が爆発して無くなっているのを見たりしたら、ダメ兄は嘘をつかずに家族を大事にしていたことも知ります。
自分が特に好きだったのは、アパートで良一、加奈子、理子がそれぞれの心の中にいるダメ父・ダメ夫・ダメ兄に逢って涙するシーンと、新幹線の中で弁当を食べながら分骨するシーンです。
いつもは綺麗な役どころの柴咲コウも満島ひかりも、すっぴんに近い控えめなメイクで、現役主婦像をちゃんと作っていたのも魅力的でした。
兄が急死して、その後片付けに奔走する4日間。
兄役がオダギリジョー以外では成立しない映画でした。
いい加減でおちゃらけてて、嘘つきで借金まみれ・・・
いつも妹の理子(柴咲コウ)はその嘘の借金の言い訳に、
迷惑をかけられてウンザリしていました。
そんな兄貴が突然、病気で急死する。
それも滋賀県から遠く離れた宮城県の多賀城市。
滋賀県に住む妹の理子は作家です。
とりあえず本の締め切りやらを片付けて多賀城市に向かった。
家族が他県で急死したら?
いったいどうしたらいいのでしょうか?
兄の死の連絡を受けた妹がその後片付けに奮闘する四日間を、
心情や現実をリアルに描いた映画です。
ちょっとしたHOW TOものとして役に立ちます。
まず一番大事にこと。
残された息子の良一(小学校5年くらい)の身の振り方。
このことは意外とすんなりと行きます。
兄の別れた妻(満島ひかり)が、引き取ることに。
良一本人にもなんの不足もありません。
(普通はこう簡単には行きません、母親が再婚してたり、
(経済力が無かったり、子供に情が無かったり・・・)
■
もう一つはアパートに残された遺品と、ゴミ屋敷と化していた、
その部屋の後片付け。
不潔になっていたので大変なことに。
あともう一つは、
★亀のカメ吉の身の振り方・・・
兄が離婚の際にどうしても渡さながった良一。
意外なことに彼はお父さんが大好きでした。
海に浮かぶ麒麟(きりん)をみたり(???)、
図書館で寛いだり、
お父さんが作る焼きそばが大好きだったり・・・
いいパパだったのは、本当に良かった。
最後に元妻の加奈子の言った名言をひとつ。
■
お金の無い家族に、幸せな家族はいない、
果たして、この名言を覆す現実はあるでしょうか?
◆
ポロリとしたり、身に積まされたり、ちょっと切なかったり、
いい映画ですが、中野量太監督の「浅田家!」や
「湯を沸かすほどの熱い愛」に較べると、
ややこじんまりとした印象でした。
【”家族とは支えであり、呪縛ではない。”今作は疎遠だった身勝手で”嘘つき”の兄が突然亡くなり、妹と元妻が困惑しつつ後始末をする中で、兄、元夫への想い出を綴っていくヒューマンドラマである。】
ー 中野量太監督は、驚きの商業デビュー作「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」「浅田家!」で、様々な家族の形を描いて来た監督である。
特に「湯を沸かすほどの熱い愛」を劇場で観た際には、宮沢りえさんの熱演もあり、場内が啜り泣きで包み込まれた事を、今でも思い出すのである。-
■エッセー作家である理子(柴咲コウ)の下に、或る晩宮城県の塩釜の警察から兄(オダギリジョー)が亡くなったので遺体を引き取りに来て欲しいと夜に電話が入る。兄に対し幼い頃から”早く消えて欲しい。”と屈託した想いを持つ彼女は”仕事もあるので、5日後に・・。”と言い電話を切るが、息子二人と夫から早く行きなよと言われ、滋賀から出かける。兄が引き取った息子の良一は児童養護施設に居る。そして、元嫁、加奈子(満島ひかり)と娘、満里奈と共に、そそくさと葬儀を済ませ、兄が住んでいた多賀城のアパートを掃除しに行くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作も変わらずに、安定した面白さである。
今までは生きた家族の物語であったが、今作の兄は既に病で亡くなっている。だがオダギリジョーが演じる兄が、憎めない男なのである。オダギリさんのコミカル演技が炸裂するシーンの数々が可笑しいのである。ゴミ溜めのような部屋の整理をして車でそれをゴミ収集所に運ぶ際に、得意だった柔道着を着ながら並走したり、ゴミを投げ捨てるシーンではゴミと共に理子に投げ捨てられたり・・。
・だが、彼が理子に送っていた”金くれ!”メールに書いてあった様々な出来事
<1.良一にピアノを習わせたい。2.酔って生活費全額を募金した。3.天職を見つけた!>が、徐々に本当の事であった事が分かる展開や、兄が良一を含めて多くの人に愛されていた事が分かるシーンの描き方も良いのである。
・兄の部屋には、理子と一緒に写った幼い時の写真など、家族写真が丁寧に壁に掛かっているのである。このシーンも良いのだな。少し「浅田家!」を思い出しつつ、このシーンで理子や加奈子、満里奈は亡き彼への想いを募らせていくのである。
・理子は母から言われた”貴女は冷たいけれど、お兄ちゃんは優しいから。”と言う言葉と共に兄が母に可愛がられていた事が心に引っ掛かっているのだが、徐々に兄の優しさが明るみになって行く描き方も良いのである。
それは、兄が家族の為に焼きそばをソース二種類使って作る姿に象徴されるであろう。
■アパートはすっかり綺麗になるが、良一が”もう一度アパートの部屋に行きたい。”というシーンが良い。
1.良一は部屋の中で父が焼そばを作る背中を嬉しそうに眺め、
2.加奈子は白いタキシードを着た元夫の姿を見て、喜び、
3.理子は、天職である警備員のユニフォームを着た兄と会うのである。
そして、どのシーンでも、兄を演じるオダギリジョーさんは素敵な笑顔を浮かべているのである。
<今作は疎遠だった身勝手で”嘘つき”の兄が突然亡くなり、妹と元妻が困惑しつつ後始末をする中で、兄、元夫への想い出を綴っていくヒューマンドラマなのである。>
出来てしまった溝、あとで解る誇られてた私。
とある夜、兄の訃報の電話を警察から貰い、遺体のある宮城県多賀城市へ向かう事になる妹・村井理子の話。
今までのこと、兄ばかりを可愛がる母の姿を見て「お兄ちゃんは居なくなればいいのに」と思ったあの日、兄が亡くなったアパートでの遺品整理、兄の周りにいた人間から聞き知る、兄の姿と兄から貰ったメールの真実…。
兄妹の関係が少し解り理子の対応、態度に納得と思う序盤から、多賀城市のアパートでの遺品整理、合流した兄の元妻と娘を絡めながらの解り合えなかった兄との溝とメールの回収。
居なくなった家族、残される息子の姿にしんみりで、亡くなったと思えばそれぞれが想う兄の姿が現れれば笑えてホッコリ、兄は亡くなってしまったけれど出来てしまった溝が徐々に埋まってく過程がよかった。
幼いころ仕事で帰ってこない両親に寂しがる理子を見て、自転車の2人乗りで両親の働く職場へと行ったあの夜、そこに兄のホントの優しさはありましたよね。
笑えて泣けてホッコリ出来た本作面白かった。
身内の恥
原作は未読で、さらに村井理子さんという作家さんを恥ずかしながら存じ上げず。
上映前のおまけ映像(先行上映限定?)でこの物語がノンフィクションであることを知りました。
うーん、ちょっといらない前情報だったかも?
というのも、純粋に映画だけ観るとオダギリジョーは飄々としたダメ男だけれど佇まいがカッコ良すぎるし、柴咲コウも満島ひかりもお母さん役としてはかなりの美女。何やら相当美化されてる?などと穿った見方をしたくなってしまう。
邦画だと雑多なノイズが気になってしまってストーリーに入り込めないのは私の悪い癖です。
まあそれは良いとして、主人公は作家なので脳内に浮かんだ文言がたびたびポエムのように画面上にフィーチャーされるのですが、それがなんかもう恥ずかしいというかクサいというか…共感性羞恥心発動でムズムズしてしまいました。
さんざん迷惑をかけられた兄に対してやるせない想いを抱いているのはわかるのだけど結局はネタにして本にしているわけで、それも兄が死んだからできたわけで、なんだかなあと。
兄が必死に生きようとした痕跡が所々出てきたり、元嫁の感情の揺れ動きなんかは描写が細かくて良かったのですが。
死んだきょうだいの身辺整理を遺族が淡々とやるシーンは、来るべき現実として身が引き締まりました。
オダギリジョー、好きなんだけど最近似たような役柄が多くていつもあわわ、あちゃ〜みたいな演技。
警備員の制服着てるシーンなんかは「時効警察」かと思ってしまった 笑
20年くらい前のナイーブでナイフみたいな鋭い切れ味のある演技がまた見たいです。
満島ひかりさんとは「夏の砂の上」に続いての共演であちらでは満島さんが妹役。
シングルマザーというキャラクターも微妙にかぶっていて面白かったです。
息子役の子が一番自然で良かったです。
他人事とは思えない
一般公開の1週間先行上映のタイミングで鑑賞しました。兄の妹・兄の元妻と子供たちの人間関係が描かれ、見て良かったと思える作品でした。
とはいえ、この映画で描かれたお兄様は、やはり生前はいろいろと問題の多い人物だったと思われます。亡くなられた方を貶めることになるのは本意ではないですが、妹さん(原作者)や元妻さんやお子さんたちが、葛藤あったでしょうがかなり良い人たちだったので、お兄様へは彼の実力以上の良い思い出を持つことができたのかなと思いました。
妹さんや元妻さんの生活状況も、たまたまある程度以上の水準があった時の出来事だったから何とかなったのでしょうが、彼女たちどちらか1人でも厳しい状況にあったなら、それに追い討ちをかけることになったのではと思います。なくなってからも迷惑をかけ続けるお兄様になっていた可能性も高いように思われ、そうならなくて本当に良かったと思います。私だったら彼女たちのような寛大な行動が取れたか、かなり自信がありません。
タイトルなし(ネタバレ)
エッセイストの村井理子(柴咲コウ)の元に、兄(オダギリジョー)死亡の報が入る。
滋賀県で家族と暮らす理子。
兄は宮城県で突然死したらしい。
警察の捜査で、理子がもっとも近しい縁者だとわかったからだ。
だが、理子と兄は何年も会ってない。
兄が金の無心をメールで寄越すだけだ。
死んだ兄のもとに向かったのは理子のほかには、兄の元妻・加奈子(満島ひかり)と娘・満里奈(青山姫乃)。
兄と加奈子は7年前に別れて、それ以来、会っていない。
兄に引き取られた小学生の息子・良一(味元耀大)は、現在、児童養護施設に引き取られている・・・
といったところからはじまる物語。
とにかく、中野量太監督によるオダギリジョーのダメ男節が炸裂。
彼のダメ男ぶりを観ていられるかどうか。
2時間超えで長尺なれど面白く鑑賞しました。
なれど、オダギリジョーのダメ男ぶりが魅力的なので、映画の比重としては「ダメ男も死んだらいい思い出・・・ 家族は支え・・・」の方向に傾いていき、そこんところはあまり好きじゃない。
「愛すべきひと」でも、ダメなひとは「ダメ」。
そう思うのも、ひとつの踏ん切りだと思うもので。
まぁ、登場人物のひとりが最後で言っていますが。
これがあるので、鑑賞後の感じがよくなりました。
試写会にて鑑賞
家族をテーマにした作品。
どうしようもない兄でしたが、人には良い所も悪い所もあると言うような…後半ではなんだかほのぼのした感じで後腐れなく観る事が出来ました。
前半の葬儀場での憎しみしかない兄への死装束¥38500にもお金をかけたくなかった妹の言動には大爆笑。
兄に育てられていた息子が純粋に育っていた事でも兄の人柄がわかりました。
たかが焼きそばされど焼きそば!
老若男女誰が見ても、何かを得られるような映画だと思います。
全41件中、21~40件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。













