兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
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エッセイという要素を上手く─
正直、寒い演出なんかが盛りだくさんで引いちゃうところはたくさんありましたが、そのおかげで笑えたり泣けたところも結構あったので、まぁ楽しく泣ける作品だと受け止めることができれば、面白い作品になるかと─。
決して幽霊ではない霊のようなものを存分に活用していたところが、何気に新鮮味があって面白かったです。
シンプルなビジュアルで感情の強弱で魅せるような作品だったという印象です。なので、演者の好演が光っていたかと─あくまで主要どころは、ですけど・・・。
とはいえ、ちょっとした仕草やセリフ、文章などの演出でも引き込まれたような─。
内容や雰囲気は何となく思っていたとおりだったのですが、出だしに持った印象が終いにはがらりと変わってしまった作品でした。
クスッと笑わせホッコリする作品😆
この兄貴はひどい
家族とは
親の顔色を伺う妹に対しマイペースで手のかかる兄の方が母受けが良く寂しい思いをした幼少期。
大人になっても仕事も家庭も上手くいかず作家になった妹に事あるごとに金をせびってくる兄とは疎遠になっていたが……。
家族とは何なのか、血の繋がりか、一緒に暮らすことか?育てることなのか。
泣いた。鼻が真っ赤になる程に泣いたので、すぐに映画館を出られなかったしこの映画を思い出せばいつでも泣けると思う。
満島ひかりに泣かされ子役に泣かされた。
結局さっさと死んで心に残り続けるんだからズルい兄だよなというのをオダギリジョーだからのバランスで好演。
笑わせる場面もありしみじみ良い映画だなという余韻に浸れる。
「呪縛ではなく支えである」
「支えであり、呪縛ではない」
中野量太監督による5年ぶりの新作。第38回東京国際映画祭に出品されていたことで興味を持っていましたが、今週、TOHOシネマズ日比谷で先行上映されることを知り早速の鑑賞です。
毎回“死生観”がテーマになる作品を作り続けている中野監督。そして今作もまた、突然、ゆかりがない土地の警察署から電話が入り、何の前触れもなく兄(オダギリジョー)の死を伝えられる妹・理子(柴咲コウ)が現地へ向かい、親族として兄の遺骨を持ち帰るまでの話。
冒頭にて、勉強机に向かう少年が、とあるきっかけに手に取る一冊の本。おもむろにその拍子をめくるとそこには「支えであり、呪縛ではない」とあります。この一言こそがまさに本作の全てであり、ひいては家族を喪ったことがあれば誰しもが何か感じるものがある“キラーフレーズ”。相変わらずの巧みな構成で、「やや緩すぎるかな」と思わせる前半の様子も、中盤以降はそれらがじわじわと効きだし、後半に至ればもう“波状攻撃”のように感情を揺さぶられて思わず嗚咽を漏らして抑えきれません。ただ、いわゆる劇場型な“カタルシス”とは違い、むしろそのシーンやセリフだけを切り取って見せられれば、「何とは無し」で「飾り気がない」ごく普通に見えるようなもの。だからこそ、それに「泣かされている」のではなく、あくまでそれを「自分を重ね、解るからこそ泣いている」と気づくのです。生きてるときは“呪縛”と諦めて遣り過ごしていたのに、喪って想うのはむしろ“自分への悔い、そして居なくなった寂しさ”。映画はそんな想いを浄化させるために“古典的なギミック”を思いっきり「有り」で展開する手法により、コミカル且つ羨ましいほどの幸福さで浸らせてくれます。
今作のキーパーソンである“兄の息子”・良一役の味元耀大さん。『ふつうの子ども』におけるやんちゃな陽斗役で記憶に新しいですが、今作も大変に印象深い演技で将来が楽しみな一人です。そして、何と言っても“私が一番泣かされた”のは元兄嫁・加奈子を演じる満島ひかりさん。元妻として、怒りはあっても愛が無くなったわけでない元夫への気持ち。そして母として、捨てられたと思われているのではと、すまない気持ちと不安に苛まれる息子への気持ち。普段のあっさり、さっぱりな態度と物言いの内に秘めた“深い情”が伝わって大変に感動しました。
実話ベースだけに共感できる人にとっては“わかりみ”が強くて深く刺さる作品。繰り返しになりますが「支えであり、呪縛ではない」、結局この一言に尽きます。参りました。
あゝ今夜は焼きそば、食べたいなぁ。。
苦い想い出から紡がれる優しい後味
どうしようもない「兄」に生前関わった家族それぞれの見せる複雑な心情が、回想だけではなく、後始末に追われる数日間における家族間の何気ないやり取りの中に自然に描かれていました。
実話に基づいたヒューマンドラマながら、重々しくなく比較的ライトな感じでストーリーが展開し、「兄」の実像が結び出される過程で、クスッと笑えるシーン、目頭が熱くなるシーンが折り混ざり、最後には優しい気持ちに包まれて私は鑑賞を終えました。この中野量太監督作品も、「家族」という深いテーマに対し、温かい気づきを与えてくれました。
「兄」オダギリジョーさんのコミカルでリアルな演技をはじめ、各役者さんの名演も光っており、この映画に強い説得力と魅力を与えていました。
私は「人」を描いた映画が大好きですが、そうでない人も少なくとも観て損はないと、控えめに言っても思います。
ダブルミーニング、トリプルミーニング
もどかしい気持ちを、
まっすぐに不器用なまま相手に伝えること、
その難しさにカメラを向け続ける。
カメラは〈ひたむきさ〉や〈いじらしさ〉、
〈健気さ〉そして〈滑稽さ〉までも逃さず、
延々とその表情を追い続けて、
作品全体を使って感情の輪郭を縁取ろうとしている。
具体的なシーンで言うと。
「おかあさんはお話しがあります!」
一言で、子どもの未来まで一望するような〈いじらしさ〉を、
たった一カットで射抜く精度、技術、
その演出と芝居に息を呑む。
〈滑稽な〉兄を持ち運べるサイズにしながら、
同時に〈ひたむきさ〉までも持ち運べる〈健気な〉サイズにする主人公。
このバランス感覚こそが本作の核心のひとつであり、
そこには周囲の正論も、
安易な好感度も入り込む余地がない〈持ち運べるサイズ〉というダブルミーニング、
作品全体で縁取ろうというスタンスは、
トリプルミーニング以上の意味が、
あるのかも知れない、
不器用だがその誠実さに胸を突かれる。
家族の大切さを改めて感じさせてくれる
■ 作品情報
疎遠な兄の死をきっかけに、家族が遺品整理を通して絆を再確認する人間ドラマ。監督・脚本は中野量太。原作は村井理子のノンフィクションエッセイ「兄の終い」。主要キャストは、柴咲コウ、オダギリジョー、満島ひかり。共演に青山姫乃、味元耀大。
■ ストーリー
作家として活動する村井理子(柴咲コウ)は、何年も疎遠だった兄(オダギリジョー)の突然の訃報を警察からの電話で知らされる。理子は兄の残した後始末のため東北へ向かい、そこで7年ぶりに兄の元妻である加奈子(満島ひかり)と娘の満里奈(青山姫乃)に再会する。彼らはゴミ屋敷と化した兄のアパートを片付けながら、マイペースで自分勝手だった兄に対する不満をぶつけ合う。しかし、理子が兄への悪口を続ける中、加奈子は「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」と語る。これをきっかけに、故人の人生を通して、家族というもののあり方を改めて見つめ直すことになる。物語は、世界一迷惑な兄の死をきっかけに、残された家族が直面する葛藤と、4日間のてんてこまいな後始末の日々を描く。
■ 感想
予告編で興味を抱き、幸運にも試写会に当たったので、一足早く本作を鑑賞させていただきました。ユーモラスな演出を随所に散りばめながら、家族について改めて考えさせる素敵な作品で、なかなかおもしろかったです。
特に印象的だったのは、主人公・理子の心の変化です。幼い頃は兄を慕いつつも、どこかで嫉妬心を抱き、大人になってからは自由奔放で無責任な兄を遠ざけていた彼女が、少しずつ兄への見方を変えていく様が、じわりと胸に染み渡ります。兄の元妻・加奈子と時間を過ごす中で、自分の知らなかった兄の一面を知り、いつの間にか心の奥底に埋もれていた兄への深い思慕を思い出していく描写は、非常に心地よかったです。
加奈子もまた、かつて家族4人で過ごした幸せな日々を思い出し、息子・良一と共に新たな出発を決意する姿が丁寧に描かれており、家族の再生を感じさせます。満島ひかりさんの熱演は、その感情の機微を見事に表現しており、涙を誘います。それを際立たせているのが、良一役の味元耀大くんの演技です。悲しみや自責の念から心を閉ざしていた良一が少しずつ心を開いていく様を、ほんのわずかな表情の変化で見事に表現しています。
家族の死を扱いながらも、ユーモラスな描写とオダギリジョーさんの軽妙な演技で、必要以上に暗く重い話にしていないのは好感がもてます。ただ、終盤のアパートでの邂逅シーンはちょっとファンタジックでくどかったので、あそこは良一だけで十分だったように思います。
ともあれ、「家族とは支えであり呪縛ではない」という言葉が印象的な心温まる作品でした。奇跡的な絆で結ばれた家族の大切さを改めて感じさせてくれます。
前半ちょいイラ、後半ほっこり たまにクスッと
試写会にて拝見いたしました。
ちゃらんぽらんな兄役はさすがオダジョー、宛て書きかと思うくらいドンピシャでした。
対する妹役が主人公となる柴咲コウさんですが、兄が濃い目のため、比較的薄味のキャラ設定。
ポスタービジュアルの感じから、もっとコメディコメディした笑える展開なのかと思ってましたが、どちらかというとハートウォーミングな感動できる作品でした。
コメディパートも適度に散らされており、感動一辺倒で疲れすぎないようにいい塩梅のバランスになっていたと思います。
劇中、「自分にとって家族とはどういう存在なのか?」という問いに対して、家族とは?で詰まってしまう主人公が印象的。
嫌ってきたはずの兄の、自分の知らなかった事や知ろうとしなかった事、遠ざけて会話をしなかった事に対する後悔。
劇中、不破万作さん演じる大家さんが、「死んじゃったら何も言えないもんな」というパートがありましたが、まさにその通りですね…
12/1修正
劇中、佐賀と滋賀を聞き間違えておりました、失礼しました
なんで新幹線移動なんだろう?って不思議だったんですが、滋賀からなら違和感ないですね
ちょっと泣く 家族を考える映画
試写会にて鑑賞。コメディかなと思ったらそんなにコメディでもない。兄が苦手だった妹が、4日間淡々と片づけていく話。
途中までなぜか中谷美紀さんの感じでみていた。中盤、柴咲コウさんだわ。と気づく。
柴咲コウさんの兄を見る能面みたいな演技大好き。
わかる、わかるよー。自分も兄が苦手だから。そういう顔になるよね。
何カ所かちょっと泣く。離婚経験ある人や男児育ててる人は特にちょっと泣いちゃうだろうなってシーンがある。
個人的に一番のキーパーソンは満島ひかりさんだと思う。この映画にとってすごく重要な役どころだった。満島ひかりさんの演技はすごく泣かせに来るし良かった。
家族とは、と考える映画だった。兄がいなくなったら、自分はどう思うだろうか。淡々と、片づけることができるだろうか。さみしさがあるのだろうか。虚しさが勝つんだろうか。
99%嫌いな人でも、いざ亡くなると1%のいい記憶が出てきちゃうのなんでだろうね。
また、故人が残していったものは、人それぞれ違うのだと思った。
ある人の見ている故人の顔と、ある人の見ている故人の顔は、違う。
人間は100面体のサイコロだと思う。
自分が見ている面は1面に過ぎないと思う。
自分の知らない顔がたくさんあると思う。
自分は兄とは大人になった今も仲が悪いが、兄の奥さんには私の知らない優しい顔を見せてくれているなら、兄が自分以外の人にいい顔を見せているなら、自分は救われる部分がある、その兄の自分の知らなかった顔を認めたいと思う。それが兄の人生と思う。
いや生きてるけど。
やきそば後ろから見ているシーンが好き。じゅ~って。わくわくするよね。
そんな父への思い残してもらって、よかったね。
めだって面白い!という映画じゃないけど、心のどこかに入って心のどこかにいる映画。
試写会で鑑賞。予告で厄介者の兄のイメージがあったが、厄介者ではある...
「兄の終い」
兄を持ち運べるサイズに
試写会にて鑑賞
ふざけたクズ男を演じさせたらNo.1のオダギリジョー様
さていかに
どんなクズ兄を演じてくださるのか
村井理子さんご本人の実体験を映画館されたもの
柴咲コウ演じる主人公の理子は
絶縁状態だった兄の訃報を
突然東北の警察署から電話で聞かされる
遺体を引き取るように促される理子だが
嘘つきでだらしがなく、身勝手で、
息子の良一をもだしにして金をせびるような兄に
恨みのようなものすら感じていた理子は
さっさと兄を持ち運べるサイズにしてしまおう
と、
兄の遺体を引き取りに遠方から向かう
そこで満島ひかり演じる兄の元嫁かなことかなこの娘麻里奈とともに、
兄のゴミ屋敷と化したアパートを片付けることに
最初こそ
兄への恨み辛みを愚痴りながら事を進めていくが、かなこや麻里奈と接しながら、兄の部屋に遺されたもの、兄を知る人の話から、自分の知らない兄を知ることとなる
やがて
ろくでなしだと思っていた兄は、嘘つきではなくいつでも最初は本気で、結果的に嘘をついたことになってしまうだけなのを気付かされ、人にはない優しさを持つ人だったことを思いだした
結果的に
あまり幸せと思えない最期を、迎えてしまったと思っていたが、そうではなく兄なりの優しさが満ちていたことを、そして家族というものがこんなにかけがえのないものだということを、思い知った理子だった
なかなかユニークで面白い映画
かなり涙腺が弱い私でも
じんわりくるぐらいで
そう泣けるような映画ではなかったなと思ったのだが、
入場特典のティッシュの裏に、原作者村井理子さんのエッセイ?が書かれていて
それを読んだらめちゃくちゃじんわり来てしまった
まさに「兄の終い」がしっくり来る
ふざけたクズ男だけど不器用な優しさを持つ男を演じさせたらNo. 1のオダギリジョー様です
オダジョーいい味
全128件中、101~120件目を表示
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