兄を持ち運べるサイズにのレビュー・感想・評価
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思い出を胸に前に進んでいく姿に涙
柴咲コウさん演じる主人公が、オダギリジョーさん扮する亡くなった兄の幽霊?に翻弄されながらも、兄との思い出を振り返っていくというストーリー。
なぜか家族愛に触れて泣きたい気分だったことと、
監督の作品『湯を沸かすほど熱い愛』を観て号泣した記憶があったので、鑑賞しました。
狙い通り、しっかり感動して泣いてしまいました。
最初はどうしようもない嘘つきな兄だと思っていたのが、
物語が進むにつれて、本当は優しい嘘をつく不器用な兄だったことを思い出していく過程が描かれています。
信じたいけれど、信じられない。
人間関係の構築は兄妹間であっても簡単なことではないとリアルに感じられ、切なくなりました。
しかし、人生は続いていくもの。
残された人々が、思い出を大切に胸にしまい、新たな生活に前向きに進んでいこうとする姿に涙してしまいました。
兄の人生の結末は少し悲しいものでしたが、そのどうしようもない人間性をオダギリジョーさんがうまく演じていたと思います。
嘘と思いやり
故人への想いを持ち運べるサイズに
主人公の柴咲さんが、兄の死によって残された(元)家族との
葬儀や身辺整理による交流を通じて、
ときに過去に想いを馳せつつ、長年疎遠だった兄の知らなかった一面を知り、
気持ちに区切りを付けて一歩を踏み出すまでを描く。
特別に感動するエピソードが盛り込まれているわけではないが、
遺族たちの心の動きを丁寧に辿っていく展開、構成がすばらしい。
愛憎半ばの曲線的な感情の移ろいが
細かいシーンの積み重ねや小道具で表現されている。
元妻の満島さんの喜怒哀楽の入り混じった複雑な表情や
男の子の表情にもすごく引き込まれたが、
なによりお金にルーズで問題児の兄のカウンターとして
基本しっかり者の柴咲さんのちょっとユニークなキャラクターが滲み出るシーン
(子供に諭される。葬儀屋とのやりとり。本作品のタイトル命名。分骨 等)が、
時折いいアクセントになっていて面白く、
かつ映画全体の色調を明るく、鑑賞後感を爽やかにしていると感じた。
人との向き合い方
「湯を~」や「長い~」ほどではないが…ハンカチは必須
配信で「湯を沸かすほど熱い愛」「長いお別れ」を観てとても感動したので、中野量太監督の新作はぜひ劇場でと思い鑑賞。
観終えて正直なところ、トータル的には「湯を~」「長い~」ほど心奥底まで染み入るほどの号泣的感動はなかったが、それにしても何度かふいにグッときて自分だけなのか周りもなのかわからないがハンカチの出番あり。
出演陣みな良い演技をしていたと思うが、特に満島ひかりさんの演技は圧巻。「First Love 初恋」でその演技力は認めていたものの、本作でもその実力は全開。少しヘンテコなストーリーだが、彼女の演技で一気に引き締まる。
いずれにしても「家族」を描かせれば、ここ最近でいえば中野量太監督でしょう、といったところでしょうか。
死んだ人は思い出すと生き返る
柴崎コウを映画で観たのは、実に、まだ彼女は歌手だと思っていた頃の「黄泉がえり」以来では。歳を重ね、満島ひかりの義姉役が板につくようになったなぁ。
夜更けの電話を受けて家族に「兄が亡くなった」と言わずに「兄が死んだ」と言わせているところに、それなりの感情があると臭わせる演出は良かったのか、ちょっと冷たすぎたのか。最後に自分の中の兄に救いを求める会話に繋げるための最初の布石だったのかな?
アパートで死んだ兄を生き返らせる3人のお別れの儀式と、地下鉄の駅で松葉杖のお父さん達を見たサラリーマンが「ノーサイド」と言うシーンだけは少し冗長な構成にも思えたけれど、やはりオダギリジョー贔屓の私としては、その風体や演技と、この作品のカメラと出演者全員への演出に好印象を持ってしまうのでした。
共感できる?できない?
ある意味で死んだ人と向き合う話
なんだろ?この映画の幸福感、鑑賞中ずっと微笑みが絶えない
ガリバー旅行記
またかオダギリジョー
テンポが良いのか悪いのか⋯
起伏の無い映画だった
驚くほど「わたし」のことを描いた作品だった
作家の理子は、突如警察から、兄の急死を知らされる。兄が住んでいた東北へと向かいながら、理子は兄との苦い思い出を振り返っていた。警察署で7年ぶりに兄の元嫁・加奈子と娘の満里奈、一時的に児童相談所に保護されている良一と再会、兄を荼毘に付す。 そして、兄たちが住んでいたゴミ屋敷と化しているアパートを片付けていた3人が目にしたのは、壁に貼られた家族写真の数々。子供時代の兄と理子が写ったもの、兄・加奈子・満里奈・良一が作った家族のもの・・・ 兄の後始末をしながら悪口を言いつづける理子に、同じように迷惑をかけられたはずの加奈子はぽつりと言う。「もしかしたら、理子ちゃんには、あの人の知らないところがあるのかな」 兄の知らなかった事実に触れ、怒り、笑って、少し泣いた、もう一度、家族を想いなおす、4人のてんてこまいな4日間が始まったー(公式サイトより)。
本作は、ひょんなことから、たまたま、何の予備知識もなく、付き合いで観に行った程度だったのだが、少し恥ずかしくなるくらい涙が止まらなくなった。なぜなら、それは、驚くほど「わたし」のことを描いた作品だったからだ。
そもそも、映画を観たレビューをここに書き連ねるという行為自体、どこか無粋だという自覚があるので(なぜなら文章で表現できるなら、監督は映画を撮っていないのだから)、ほのかな罪悪感から、できるだけ主語をぼかしたような、例えばテーマ設定や脚本、映像美、俳優の演技、社会的背景等、レビューの書き手である「わたし」という主体がなるべく起き上がってこない一般化、抽象化、テクニカル論を心がけたテキストを意識的にあげてきた。だが、本作にはそれが困難なほど「わたし」がいた。今日だけはその禁を解こうと思う(勝手に自縛していただけだが)。
わたしは東北出身で、オダギリジョーと同い年で、ちょうど本作と同じくらいの年齢差の妹がおり、人生において、何度か、予期せぬ不運な死を経験してきた。その結果、人の死自体に意味などないのだから、遺族が悔やんで現実社会を前に進めなくなるのはナンセンスで、その死にどういう解釈を与えて前に進むかはいまを生きる人間の権利と責任であるという考えを持つに至り、実際にそういう趣旨の弔辞を読んで、葬儀会場をややざわつかせたことがある。さらに最近、本作のお兄ちゃんと同レベルのダメな親族の瀕死を経験し(幸いにも死ななかった)、そのことを形象化するために、小説に相当する長いテキストを書いた。
もともと、家族愛や母性神話やジェンダーロール、死によって故人を美化する風潮等、ありきたりな固定観念を熟慮せずに、所与のものとしてとらえたり、肯定したり、礼賛したりするような作品があまり得意ではない。ちなみに映画を観ても、葬式に出ても滅多に泣かない。
本作にはつまり、上に挙げた要素が詰まっている。
人の死は色々なことを浮き彫りにするし、どんなに憎んだクズ人間の死でも、兄や元夫の死を受容していくのは容易ではない。天啓が降りてきて悟りを開くことも、死によって全てが美化され赦す展開になることも実際にはない。現実には解決すべき問題が山積しているし、とにかく部屋は臭くて汚いし、数年離れて暮らしていた息子はろくに箸も持てないし、前髪は不必要に長い。現実を生きる妹や、元妻や、娘や息子は、兄・元夫・父の後始末を通してクズ人間の足跡を辿り、じんわりと、ただじんわりと、物理的にも精神的にもかれを、自分たちが明日に「持ち運べるサイズ」にしていく。
「支えであり呪縛ではない」という、最初はよく分からない冒頭の文言や、豊橋に着いた加奈子がわざわざ戻ってきて理子に告げる宣言めいたことばや、クズ人間の兄がしばしば口にする「それはお前が答えを出せ」という科白に、6歳で実父を亡くした監督のメメント・モリが柔らかく織り込まれている。
特に後半は、ずっと、つーと涙が流れ出ながら鑑賞した。わたし自身が遺族に対して発した「人の死に意味などないのだから前を向こう」という考えや、形象化のためにテキストにして公開するということと、同じ感覚を持つ人に初めて出会えた気がした。死者や、悲しみに暮れる遺族に鞭を打つようなことばじゃなかっただろうかというそこはかとない迷いが解かれたような、赦されたように感じたのだろう。遺骨なんてシートの隙間から裸で渡すくらいでいいのである。
それにしても満島ひかりの凄さである。亡き人を「持ち運べるサイズ」にして明日を生きていくとはこういうだという傑出した演技を見せた。オダギリジョーの憎めないクズっぷりも良かった。柴咲コウは、懐古的な「甘える」演技にぎこちなさがあったが、ラストシーンでその不自然さを一気に回収した。その気持ち、泣けないわたしには痛いほど分かる。
本作がここまで刺さったのは、あくまで「わたし」という個人が極めて色濃く投影された作品だと「わたし」が感じたからであるが、シネコンで小さなスクリーンしか与えられなくても、「わたし」にとってかけがえのない作品に出合えたことには感謝したい。長生きするぞ。
映画が終わったらノーサイド
オダギリ先生は最近観る度に角度の違うダメ人間ばかり演じているなあと感心。しかし今回はかなり鈍角、161度くらいでしょうか。クズっぷりにリアリティがなく、実は心根はいい人間という雰囲気も皆無。さらには寸劇まで披露するという、鋭角なダメ人間像からは遠い不思議系お兄さん役です。
柴咲コウは実はお兄さんよりもポテンシャルがある独自OSを搭載している妹役。ちゃんとメガネに度が入っている点が良かった。
急に蔦屋書店が出てきてなんでかと思ったらカルチュアエンタテインメントが製作に関与していたようで、エンドロールで鼻白む。はあ、二時間経っちゃった。
ただ満島ひかりがカワイイので、星五つです!
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