「居れば煩わしく居ないと寂しい」兄を持ち運べるサイズに U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
居れば煩わしく居ないと寂しい
家族が死ぬってのはそういう事かもしれない。
ちょっと共感できない事も多くて戸惑いはするのだけれど、消失を上手に描いてたのかもと思う。
あの兄はなんだかんだで愛されてはいたのだろうと思う。憎めない存在というのかなぁ…そんなポジション。
元妻と妹では見えてる側面が若干違うのも大いに頷ける。その異なる視点が「兄」の人物像を豊かにしてたのは確か。
ただ…何で?と思う疑問への答え合わせはない。
なぜ、長男だけを引き取ったのだろう?
なぜ、長男はあんなに塞ぎこんでたのだろう?
なぜ、喪服を忘れたのであろう?
なぜ、分骨が直だったのだろう?
色んな疑問に自分なりの答えを当てはめられた時に、この作品の全貌が見えてくるのかもしれない。
正直、満島さんを観に来た。
相変わらず素敵だった。
瞬発力のある感情表現が、台本の所在をあやふやにさせるようで魅入る。
なんちゅうか、他人の家ってある意味独立国家であり異文化なんだなぁなんて事を思う。
だから、なんかこんなボンヤリした感想になるんだろうなぁなんて事を思う。
感情移入しながら見れるような題材でもないのかもな。
ちなみに俺は持ち運ばられる側の存在ではあるが、俺が先に死んだとて妹連中は、俺の幻影などを作り出さないとは思う。
何故か?
劇中の兄ほど迷惑をかけてるつもりがなく…ソレは妹達の人生にどんな形であっても深く関わっていないからなのかもしれない。
リコにはずっと棘のように兄ってのが刺さっていたのだろうと思う。ソレが勝手に抜けた時にそれまで当然であったものが無くなり薄れていく消失感だろうか。
それに伴い棘自体に目を向けたのがこの物語なのだろうな。
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