劇場公開日 2025年11月28日

「残された人が事実を美化していく、それが生きていくということ」兄を持ち運べるサイズに 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 残された人が事実を美化していく、それが生きていくということ

2025年12月2日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

2025年映画館鑑賞119作品目
11月30日(日)イオンシネマ石巻
FSシネマチケット1300円

監督と脚本は『湯を沸かすほどの熱い愛』『長いお別れ』『浅田家!』の中野量太

23時過ぎ疎遠の兄が亡くなったという知らせが宮城県の塩釜警察署からあった
夫と息子2人と滋賀で4人暮らしの作家の村井理子は仕方なく宮城県に
塩釜警察署で兄の元妻とその娘と7年ぶりの再会
兄と同居していた兄の息子は児童養護施設で保護されていたがのちのち合流
兄の葬儀を済ませて火葬し骨壷に
兄が住んでいた多賀城市のアパートの片付けに四苦八苦の女3人

まあなんてことはない話の内容

柴咲コウはこの映画についてのインタビューでこう答えている
「理子本人は苦しかったと思います。もうこの世にいない兄をこれ以上恨んでも憎んでもどうしようもできない。どうあがいても解決できないのであれば、あとはもう自分で補完していくしかないと思います。何事も時間が解決する、というのは、時間が経てば経つほど残された人自身が補完して事実が美化されていくからではないでしょうか。それが生きていくということだし、それでいいと思っています。」
僕もそう思う
彼女のこのコメントがこの作品のメッセージのほぼ全てが詰まっているのかもしれない
しかし僕は美化できていない

最大は売りは柴咲コウと満島ひかりの共演でしょうか
初共演?

妹も元妻も故人を嫌っていたのか好きだったのか微妙な感じ
愛されクズか
クズでも子供2人拵えただけでもいまどき偉い

オダギリジョーはクズがよく似合うらしい
取り立ててそうは思わないがクウガの件をいまだに引きずっているオタクおじさんが多いのかな
クウガなんて四半世紀近く経つというのに

パソコンで文字を打つあの演出は嫌いじゃないが特に好きじゃない
主人公が作家ならでは

理子は度々兄の幻想を見る

夫や子供という家族がいても両親やきょうだいを全て失くすということはとても寂しいものです
しかもあの年齢でお察しします

あと葬儀はびっくりするほどお金を取られる(100万超え)
坊さんに対するお布施も半端ない(最低で40万)
香典が多い場合は追加で香典返しをしないといけない
大赤字である
売れれば作家はエッセイで元がとれるが
葬儀屋や坊主が儲かるシステムになっている

配役
夫と2人の息子と共に滋賀に住む作家の村井理子に柴咲コウ
宮城県多賀城市に住んでいた理子の兄にオダギリジョー
愛知県豊橋市に住んでいる兄の元妻の加奈子に満島ひかり
兄と加奈子の娘で母と一緒に住んでいる満里奈に青山姫乃
兄と加奈子の息子で父と一緒に住んでいた良一に味元耀大
理子の夫に斉藤陽一郎
すでに他界している理子の父に足立智充
すでに他界している理子の母に村川絵梨
児童養護施設職員に岩瀬亮
葬儀屋に浦井のりひろ
兄が住んでいたアパートの大家に不破万作
塩釜警察署の刑事の山下に吹越満

野川新栄
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