コラテラルのレビュー・感想・評価
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主人公と悪役の化学反応。その表現が上手い。
○作品全体
タイトルである「コラテラル」は作中でも主人公・マックスのセリフに登場する。「巻き添え」という意味だが、その意味合いにおいても、マックスが口にする状況においてもネガティブな印象しかない。しかしその「巻き添え」によってマックスの中で眠っていた行動力を目覚めさせる。マックスにとっては強制的に起こされた、とも言えるが、「巻き添え」にした側であるヴィンセントにも様々な影響を及ぼしていく。マックスとヴィンセント、それぞれがマックスの心情の変化に翻弄されていく姿がおもしろかった。
高速道路へヴィンセントのカバンを投げ捨てるまでのマックスは、自分の世界に閉じこもるような人生を送っている。お気に入りの写真を眺め、現実的でない「いつか」に想いを馳せる。ゆったりとしたBGMとロサンゼルスのネオンも相まって、マックスにとっては居心地の良い世界が演出されている。乗客のアニーとも話が弾み、マックスにとって悪くない世界が展開される。
しかし、マックスの目標にシビアに目を向けるのであればそれは空想でしかない。その空想にメスを挿れたのが、ヴィンセントだ。
物語の展開を見れば、話が動き出すのはタクシーに死体が落ちてきたシーンからだろう。マックスの環境に変化が起こったのも、もちろんこのシーンだ。しかし、マックスの精神世界をヴィンセントが侵し始めたのは母への見舞いのシーンだ。
近親者に殺人者であるヴィンセントが近づくだけでも、ヴィンセントへの敵対心が募るのがわかる。それに加えてマックスにとって希望の光である将来の夢をもヴィンセントに侵食されてしまった。これがどれほどマックスにとって辛い出来事だっただろうか。その証左はヴィンセントのカバンを捨てる、という「今の任務」にしか興味のないヴィンセントへダメージを与える行為。マックス自身が大事にしているなにかに触れ、それによってマックスが「ハンドルを握らされるだけ」という状況から変わり始めた証でもあるこのシーンは、マックスの心情の変化を捉えるうえで重要なシーンだ。
「いつか」に思いを馳せるだけのマックスを利用しているのもヴィンセントだが、そのマックスを変えたのもヴィンセント。「いつか」でなく「いま」のために立ち向かうマックスの行動はさらに鋭利になっていくが、ヴィンセントの「いま」だけに注力する行動との化学反応とも言えるだろうか。心情変化とそのスピード感が魅力な作品だ。
ラストは「地下鉄で死んだ男がいる でも誰も気づかない」というヴィンセントのセリフが良い。ヴィンセントは人間を、そして自分を宇宙の塵でしかないと考えている。過去になにを成したか、未来になにをするか、そういった夢は持ち得ない人物だ。そんな自分の考えを貫き通すようなセリフでもあるし、「宇宙の塵」として消えていく無情さや哀愁を感じさせるセリフでもある。序盤で何気なくでてきたセリフをラストに持ってくるところにも「一夜の物語」という刹那的な情景を演出する一要素にもなっていた。
これは個人的な受け取り方だが、ヴィンセントがマックスへ向けた「手向け」の言葉のようにも聞こえた。未来を見据えてなにかを成さなければ誰にも気づかず死に、放置された人間のように…ヴィンセントのようになってしまうと。そのために動かねばならないということをマックスへ残したような気がした。
ラストカットはヴィンセントを乗せてマックスたちから離れていく列車を映す。巻き添えにされて列車から降りたマックスは、アニーを連れて夜空の下を進んでいく。ヴィンセントから逃れたとも言えるし、ヴィンセントによって空想世界から抜け出せたとも言える。役目を終えたかのように離れていく列車から伝わる余韻が心地良い。
○カメラワークとか
・アクションの撮り方が上手い。最初の犠牲者の部屋に入っていくロス市警の刑事。寝室のドアを開ける前のカットは長回しで刑事の周りを回り込むカメラワーク。刑事の緊張した表情を見せたあとにその視線の先を映す、ということを繰り返すのだが、カメラのパンの速度に緩急があり、刑事の緊張感と呼応するような動きが面白い。
韓国人の経営するクラブで打ち合うシーンも撃つ、撃たれる以外に視線の動線が示され、誰が何を見て、何を狙っているのか、というのが提示されていく。スピード感あるアクションの中にキチンと順序がある、と言ったような。
・車内シーンが多いけれど、アニーとのシーンはカメラが車外にあったり、車外から映すカットがあってユーモラスな印象があった。一方でヴィンセントが乗った後は車の前方から中身を映すようなカットがほとんど。前後の位置関係を強くすることにより、マックスがヴィンセントの囚われ(ヴィンセントの視界の中に囚われている状況)になっていることを印象付けていた。
一方で俯瞰で上空からタクシーを映すカットもあった。主に2人が乗るタクシーだけが反対車線を走る車と逆の方向を走っていたり、タクシーのみが映るカットで使われている。これは物語の流れとも呼応していて、一番わかりやすいのはマックスがタクシーを横転させる前のシーン。誰も走ってない道路を走るタクシーはマックスの精神世界の体現化ではないだろうか。マックス1人だけの世界というような、自分自身と会話をするような姿とシンクロしているように感じた。
○その他
・マックスがタクシーを横転させるまでのシーンが本当に素晴らしかった。唯一の救いの手だった刑事を殺され、またしてもヴィンセントの囚われとなったマックスが、「ハンドルを握らされている」状況から「ハンドルを支配している」状況になるまでの心情描写が上手だった。心情の変化をそのまま動きとしてタクシーが暴走するのも、シンプルながら実直に伝わってくる。アクションとドラマが同時に加速するシーン作り。これが凄く上手い。
匂う×クサいが生み出したもの
トム・クルーズ
この人ほど過小評価されている役者は存在しないのだが、30年近く第一線で活躍した彼の代表作を挙げるのは難しい。
5位・インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
4位・デイズ・オブ・サンダー
3位・M:I-2
2位・コラテラル
1位・ナイト&デイ
これがオレの彼の名演ベスト。それぞれめっちゃ語りたいが、それはまた今度。
5位・7月4日に生まれて
4位・コラテラル
3位・アイズワイドシャット
2位・オール・ユー・ニード・イズ・キル
1位・宇宙戦争
これがオレの彼の出た名作ベスト。
そう、ほぼ一致していない。
ある意味アル・パチーノもそうなのだが、彼自身の評価と出演作の評価は必ずしも一致しない。
個人的には「求められたイメージの踏襲と別解釈」こそが彼の唯一無比の存在にしていると思っている。
マイケル・マンは「ラスト・オブ・モヒカン」が猛烈に好きだったのだが、それはオレのケツが青かったせいでもある。「ヒート」は無駄に長いだけ。ほかどうでもいい作品群が並ぶが、共通していえるのは、
「匂うほどのロマンチスト」。
「コラテラル」。
トム・クルーズの役柄とルックスの違和感、それでも醸し出すクルーズらしさの天然さと、マンの匂い立つ夜景描写とストーリーそっちのけのロマン優先の絵作りと設定が混ざり合って「気持ち悪さ」になる。
そこにFOXXXXX。ジェイミー・フォックスがこのめんどくさいやつらに緩急をつける。
トム演じるヴィンセントに散々振り回されるのだが、こいつの言うことが一言一言がキモくて、それにマジでビビるのが、XXX演じるマックス。
最初の仕事の後もさっさとマックスを殺せばいいのに、それはしない。
そう、この映画、このやり取りがほしいからこその映画。
ほかの設定ははっきり言ってどうでもいい。ほかのつじつま合わせ、マックスの境遇、成長などどうでもいい。トムも暗殺者に見えない仕事っぷりがマジですか?というぐらいザルだ。
整合性。マイケル・マンに一番求めてはいけないことでもある。
だが、トムの似合わない白髪頭とそれに真反対なまっすぐな瞳とキ〇〇イな言動がとにかく謎の男、と呼ぶにふさわしい、素晴らしい効果を見せている。
それは、ラストの逃走劇。
ヴィンセントは逃げるマックスの行く先をちゃんと迷わず、まかれることなく追跡する。これまでの得体のしれないヴィンセントという存在の見せ方の積み重ねが、ここで一気に爆発、昇華する。
トムがヴィンセントを演じるという違和感、彼らしさ、天然さを随所に生かしたキモさ、それこそがこの映画の吸引力である。
そしてラストの明け方の電車。
匂うほどのマンのキモいLAの夜景と、ヴィンセントとの一夜の終わりとともに映画は終わる。
素晴らしいラストだ。トム・クルーズ一世一代の渾身の演技の終わりにふさわしい。
一方オープニングのヴィンセントとマックスが会うまでの昼間のLAの顔がとてもいい。マンの夜景信者はその意味をこの映画でもう一度かみしめるといい。
追記
それ以外のダンスフロアでの銃撃戦とかもう、ダッサイの、うるさいの、つまらない。
オレの、マンの一番嫌いな部分だ。
でも誰も気づかない
こないだレンタルで観ました💿
トム・クルーズの冷酷な殺し屋ヴィンセント役はなかなか似合ってましたね😎
人の心を見透かしたような一面と、トチる面をあわせ持つ男を演じてました🙂
マックスを演じたジェイミー・フォックスも、巻き込まれ運転手を好演🙂
有名人専門のリムジン運転手になるという夢を持ちながら、具体的な行動に移せない男を等身大に表現しています🤔
他にも刑事役にマーク・ラファロ、ヒロインっぽい検事役アニーにジェイダ・ピンケット=スミス、そして数十秒の出演ながらジェイソン・ステイサムも出ていて私は嬉しくなりました😀
トムとジェイミーのファンの方は楽しめるでしょう❗
登場人物の魅力がない
ハリウッドなのに、陰キャのセカイ系ラブコメ臭が漂うのは何故なんでしょう。スパイダーマンとかもそうだけど、、これはなんか違う。
登場人物の魅力がまるで無い。トム・クルーズが初悪役に挑戦!という触れ込みだが……悪役としてのカッコ良さ、とか人間らしさ、とかもっと引き出せたのでは?
タクシーに乗せたら殺人犯で〜って設定は面白い。トム・クルーズの死に方も好み。惜しいなあ
あまりにもお粗末
悪役のトム・クルーズがかっこいいけど殺し屋としてあまりにもお粗末
行く先々で騒ぎを起こし、無関係なやつもばかすかと殺す
何人もやらなければならないのに無計画な行き当たりばったりで大勢の人の中でもお構いなし
運転手に拘る理由も特にない
運転手も逃げられる場面はたくさんあるのに逃げない
話術が得意なように見せかけてそうでもない
全体的に疑問に思う場面が多く、裏付けるようなこともなかった
なかなか見ることができないトム・クルーズ観れたのは面白かったがそれ以外が酷い
雰囲気と俳優達の名演技を観るだけの映画でした
うん、おもしろかった、
ストーリーもわかりやすくてよかった。
トム・ハンクスの「ターミナル」で警備員役の人が出てたのが「おっ?あの人だ!」って思った(笑)
トム・クルーズは、やはりこの作品でも「全力疾走で走る」(笑)、でも銃の構え方や相手の倒し方がスムーズでサマになってて、さすが、カッコよかった!
なんか見てていろいろ言いたいとこもあるけど、ネタバレにもなりつつただの不満になるからやめとく(笑)
60点
映画評価:60点
この作品は興味深いです。
この作品を観た方へ
殺し屋とタクシー運転手の変な友情劇だと
勘違いされた方いませんか?
それは違うと思います。
この殺し屋は良くも悪くも仕事以外は
意外と正常で、とても紳士。
それに対して、このタクシー運転手は
いつまでも言い訳や嘘を繰り返し、
自分で自分の夢を遠ざけている。
そんな一歩踏み出せなかったタクシー運転手を変えたのは、紛れもなく殺し屋。
そして、その変化によって
死んでしまったのも殺し屋。
そこに変化(お節介)を見出だした事によって、
自分の首を絞めてしまった
男の物語。
そこが興味深く、儚いですね。
【2024.7.21観賞】
夜のジャズ
この映画に新しさを感じた。 映画 100年の歴史でいろんなものが作られてきた中、素晴らしいことだ。 これからも人間は ずっと 永久に新しいものを作っていくのだろうか・・?
低予算の 物足りなさと一晩での出来事という制約からくる窮屈観を サウンドの面白さとワイルドさがカバーした。 よくある感じのクライマックスのようだが トムクルーズが演じるキャラクターの独自性によって全てがプラスに転じた。どこか壊れているこの男・・しかし 全部壊れてるわけではなく、 壊れているなりにいい人であろうし 一生懸命生きている。
特筆すべきなのは トムクルーズのこの時の実年齢だ。42歳ぐらいのはずだが 映画の中ではもう10歳年上の年齢を演じている 。そこんところが面白いと思った。 殺し屋は運転手に向かって「お前はある日 気がつくのさ、年食ってしまった自分にな」って言う。彼、自身が50歳の役をやっているからこそ、そのセリフがより効いてきてるように思った。
トムクルーズの銃の構えとか、所作が綺麗だなと改めて思った。
トムクルーズ好きのわたしとしては、彼にいい人役を求めてしまいがちだけれど、冷徹な役もかっこいい。
ロスの地下鉄…の話しが最後の結末になっていて、地下鉄で1人冷たくなっている彼の姿がすごく物悲しさを感じさせる。
殺し屋として実践能力は高いけど、色々ドジ踏みすぎてて、ありえない感じだけど、そこはトムのカッコ良さを観る感じで気にならなければ楽しめる。
ロスの地下鉄…の話しが最後の結末になっていて、地下鉄で1人冷たくなっている彼の姿がすごく物悲しさを感じさせる。
殺し屋として実践能力は高いけど、色々ドジ踏みすぎてて、ありえない感じだけど、そこはトムのカッコ良さを観る感じで気にならなければ楽しめる。
名作
自分に課したルールを守り、そのルールに生かされてきた殺し屋。
その作法は厳密で、2ボディ1ヘッドが基本スタイル。
銃声が立て続けに鳴っても誰も警察を呼ばないような町で、淡々と仕事をこなす
でも、即興で生き物のように変化していくジャズが好きで
ロサンゼルスのように他人に関心がない冷たい町は嫌い
トムクルの悪役は新鮮なだけでなく、この綱引きみたいな自己矛盾がとにかく上手く演出されています。
一番嫌いな場所で、一番性に合わない仕事をする男の話です。
最後は、プロとして2ボディ1ヘッドに徹したことでドア枠を弾が抜けず、マックスが即興で滅多撃ちした弾を受けて死ぬ。
自分をそれまで生かしてきたルールが、自分を殺す。
ひと晩の追いかけっこでは語りきれない、深みのある映画だと思います。
マイケル・マン監督
『ヒート』が大好きなんですが、同じマイケル・マン監督で、同作の様なヒリヒリする緊張感を求めて観ました。
ジェイミー・フォックスがタクシーの運転手を演じ、トム・クルーズが珍しく悪役を演じてます。
『ヒート』と同等を求めるのは無理だと分かっているけど、やはり期待に応えられず(笑)
そりゃそうだ(笑)
まあまあ、です。
トムが悪役珍しいやん けどこの手の映画はジェイミー側が主演だろう ...
トムが悪役珍しいやん
けどこの手の映画はジェイミー側が主演だろう
それともジェイミー主演?
だとしたらトム目立ちすぎ
主演より目立って主演っぽい悪役っておかしいわ
やっぱトムが出ると必ずトムの接待映画になっている
トムが何故悪役を?観たら理由がわかった
何故トムが悪役を演じたのだろう?と思っていたが、なるほど。。と。やはりただの殺し屋ではなかった。
ジェイミーホックス演じる、夢を追うタクシードライバーマックスと、トム演じる非情な殺し屋ヴィンセントのひと晩の出来事。
殺人を仕事と割り切っていたヴィンセントが、マックスと過ごすことで、ほんの少し人としての心が垣間見れる。また夢に向かってなかなか行動を起こさないマックスも、ヴィンセントの言葉や絶体絶命のピンチに行動を起こす。
トムが演じてると殺し屋もより一層強く感じるてめちゃ怖かった、、あらためてトムの演技の幅の広さを感じました。。ジェイミーホックスのマックスも良かったです
この映画の主役はトム・クルーズなのか? それともジェイミー・フォックスなのか? イケメンの刑事が誰だかどうしても思い出せなかったのだが、 マーク・ラファロだった。
BSフジで映画「コラテラル」を見た。
劇場公開日:2004年10月30日
2004年製作/120分/R15+/アメリカ
原題:Collateral
配給:UIP
トム・クルーズ
ジェイミー・フォックス
ジェイダ・ピンケット=スミス
マーク・ラファロ
ピーター・バーグ
ブルース・マッギル
イルマ・P・ホール
バリー・シャバカ・ヘンリー
ハビエル・バルデム
え?と思った。
ジェイソン・ステイサムが冒頭に数秒間出演してる。
ジェイミー・フォックスはLAの街のタクシー運転手。
映画がはじまってすぐに検察官の女性を乗せて下ろした。
この女性はウイル・スミスの奥さん(ジェイダ・ピンケット=スミス)らしい。
映画がはじまって15分後にはトム・クルーズを乗せた。
トム・クルーズを乗せて数十分後に
彼が殺し屋だと知ったジェイミー・フォックスだが、
残念ながら逃げることはできなかった。
今晩中にあと4人殺すらしい。
たいへんなことになった。
いろいろな抵抗を試みるジェイミー・フォックスだった。
この映画の主役はトム・クルーズなのか?
それともジェイミー・フォックスなのか?
イケメンの刑事が誰だかどうしても思い出せなかったのだが、
マーク・ラファロだった。
彼がハルクの髪型ならすぐにわかったはずなのだが(笑)
ラストシーンでロスアンゼルスの地下鉄で命を落とすのは誰なのか?
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
超硬質
カッチカチのハードボイルドです。
NYにはないL.A.特有のドライな空気感がヒリヒリするほど感じられます。恐らくL.A.映画では一番でしょう。
但し、ヒッチみたいなユーモアはゼロ。
主演二人凄すぎ。
殺しの乗り回り客
トムクルーズ扮するヴィンセントは、ロサンゼルスでジェイミーフォックス扮するマックスのタクシーに乗って貸し切った。しかし、マックスのタクシーに死体が落ちて来た。
タクシーの運転手やっててこんな殺しの乗り回り客が乗ってきたらたまったもんじゃないね。
心理分析に驚く
主人公のタクシー運転手は、今にベンツを買ってリムジン会社を始めると語る。しかし、そのことを堂々と言わないし、母親には既に会社をやっていると嘘をついている。終盤になって、その状況を見聞した殺し屋に、頭金作って始めれば出来ただろうに、自分に言い訳をして踏み出さないだけだ、と指摘されて逆上した。図星だったのだろう。それまで、この運転手は、夢に向かって努力していて、やりがいがないと言うものの、道路情報に詳しくプロの運転手だと思って、こんなことに巻き込まれて気の毒だなぁと思っていたのに、サイコパスのような冷徹な殺し屋が、実はそうじゃないとビシッと突きつけて驚いた。と同時に自分に突きつけられたようにも感じて軽く動揺した。殺し屋は、時々「こういうことはこうすべきだ」と道理を語っていたが、一見冷徹な殺し屋には、仕事をきっちりやり遂げようとするように、信念と行動力があり、運転手にはそれらがないという対比が示されていたようだ。運転手もだんだんと影響されて行動力を見せていく展開となり、人間やっぱり信念と行動力が必要なのだなと。だからこそ、殺し屋はトム・クルーズ。意外に深い映画だった。
孤高の殺し屋
冷徹非道の殺し屋ヴィンセント( トム・クルーズ )とタクシー運転手マックス( ジェイミー・フォックス )、二人の間に芽生え始めた情、交わす言葉が時に深く切ない。
終盤のスリリングな展開に見応えが。
ヴィンセントが遺した言葉は、マックスに対する「 赦し 」なのかも知れない。
ーやるしかないのさ…そう思えば幾らか気が楽だろう
BSフジを録画にて鑑賞 (吹替版)
全96件中、1~20件目を表示