ブルーボーイ事件のレビュー・感想・評価
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「性別」と言う言葉の意味が判らなくなった
中学の同級生に色白で体格の華奢な男子がいたのを思い出した。虐められていた記憶はないが、彼は今どうしているのだろう。彼には仲のいい友達っていたっけ?…なんて。
性別適合手術を受けた人は「女性」なのか、「病気である男性」なのか…何だか正答の見えない禅問答をしているようだ。赤木医師の弁護に奮闘している狩野だが、詰め方が甘いようでイラっとした。まあ、あの時代だから仕方がないんだろうなあ。
3年の時が経ち、サチの「今」があった。優しい眼差しと微笑みは彼女の充実した日常を映し出しているようだったなあ。
優生保護法がそもそもクソ
2025年劇場鑑賞316本目。
エンドロール後映像無し。
性転換手術を受けた男性は女性の体だけど戸籍上は男なので、売春をしても捕まえられないから、じゃ性転換手術をする医者を捕まえよう、となり、これが有罪なら日本で性転換手術ができなくなるから証言して欲しいと頼まれた手術を受けた人たちの実話です。人物はフィクションのようですが。
そもそも、この裁判で争点となる、優生保護法というものは、この映画ではサラッと流されていました。優生保護法は不良な子孫の出生を防止を目的に、生殖機能を本人の承諾なしに取り除いたり、中絶したりしても良い、という耳を疑うような狂った法律であり、なんと2024年にようやく違憲と判断されました。今回は別に彼女らは障害者じゃなくて精神病なんだから、治療なので優生保護法の健康な人間の生殖機能を失わせてはならない、のいう部分に違反していない、という主張で始まります。
今回の映画が性同一性障害(この当時はそんな言葉ありませんでしたが)をメインテーマにしているので、優生保護法自体を批判する内容でないのは仕方ないとは思うのですが、優生保護法が正しいのが前提で
、裁判が進められていくのが自分としてはずっと不快でした。せめて優生保護法についてもう少し詳しく文章ででも出してくれたらとは思いました。
映画自体はにっかつのレトロなロゴから始まって、そのまま(あれ?これリバイバル上映?)と思うくらい昭和の映像感満載の演出がされていて、面白い試みだなと感じました。まだ30分くらいかな?と思っていたらもう1時間半くらい経っていて、映画自体は引き込まれるものでした。
こんな時代に戻りたくない
106分の短さの中に詰まった人権&LGBTQ問題。
戦前に成立した「国民保護法」を下敷きした、悪名高い障害者や病人を差別する「優生保護法」の呪いが、まだ存在していた1960年代。
そもそも「優生保護法」は、1996年(平成8年)に母体を保護する法律に取って代わられ廃止された。
日本初の公式ないわゆる性転換手術が実施されたのはその2年後の1998年(平成10年)10月にやっとで、それまで性転換手術は日本ではタブー化していたのは歴史的事実。
後の世の2024年7月に、最高裁判所が、「各優生条項が憲法13条、14条に違反していた」と判決が出ていることからも明らかなように、1996年以前…この映画の描いた1960年代当時の「常識」が間違っていたことは歴史が証明しながらも。
今から見れば、憲法違反と、差別主義者や国体維持のバカがのさばっていた時期であり、証言者のプライバシーを保護する意識もなく、マスコミも堂々と人権無視した時代だったんだなと、怖く感じました。
私はLGBTQとは無縁な人生ながら、「人権」という観点では、LGBTQな方々を見下す社会は、多数派から少数派が虐げられる世の中に繋がり、生きにくくなるのは間違いないので、「こんな時代には戻りたくないな」と強く思いました。
見ごたえあり!
中盤から泣きっぱなし
本当にあった話し
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