「静かに穏やかに生きることの難しさ」ブルーボーイ事件 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
静かに穏やかに生きることの難しさ
LGBTQのようなカテゴライズや特別扱いは、
本当に望むものから離れていて、
多くの人は、性別へのこだわりなく、
自然でいられる素直な自分のまま、静かに穏やかに生きていきたい。
これが作品の全編を貫くテーマだと感じた。
主人公のそのような思いとは裏腹に、
世間からは常に目立つ存在になってしまうが、
それは主人公の姿が周囲に対して相対的に大きく見えるような
ローアングルの多い構図がさらに強調している。
また接客をしている彼女たちの衣装は総じて赤系の色身で鮮やかだが、
粗めの画面の質感と、置かれた厳しい境遇も相まって、寂しく、悲しくみえる。
後半の主人公と弁護士の強い意志の込められた法廷の語りのシーンと、
ラストの遠くからのフォーカスをぼかした幸福な二人のシーンの
余韻が素晴らしく、深く印象に残った。
歌以外に控えめで主張しすぎない音楽もよかった。
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