「荒波の中、もがきながらも己の進路を選べ」バレリーナ The World of John Wick スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
荒波の中、もがきながらも己の進路を選べ
手に触れたものすべてを武器に変えて戦う姿は、まさに“女版ジョン・ウィック”。
イヴのアクションはどこを切り取っても絵になり、特に火炎放射器を使った戦闘は、大スクリーンでこそ味わえる圧倒的迫力だった。
作中で繰り返し浮かぶ「選ぶ」というテーマ。けれど本当に彼女は“選んだ”と言えるのか、それともそうするしかなかったのか──。その曖昧さが、イヴの眼差しにより深い影を落としていた気がする。
ただ一つ確かなのは、迷いなく復讐に突き進む彼女の瞳が、美しくも切なかったこと。
「こんなことされて私、普通に生きていけない」──自然と『鬼滅の刃』で胡蝶しのぶが口にしたこの台詞が重なった。
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