映画「F1(R) エフワン」のレビュー・感想・評価
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ある意味レースっていいなと思わせてくれた
映像すごいし、いろんなことが次から次へと起こって、飽きさせない作りになっているが、反面レースも人間ドラマも安っぽすぎでちょっと悪い印象を持ったくらい。本物のF1チーム、レーサー、サーキットなどが出てくる割のにリアル感がない。設定が無理すぎる。いやいやいやの連続。ゲームっぽい感じ。エンタメとしてはいいのかな。
モータースポーツ好きの私としては改めてレース(ホンモノの)って面白いなと思った。
ブラッドピットに抱かれたい!
かなり迫力があった!本物みたい。
最近は行っていませんが本物のF1を鈴鹿や富士で見ていました。
外から見るレースとピットの中から見るF1はまた違いますね。
映像はTV中継を見ている様だ。かなり迫力がある。IMAXだし映像も音響もありTVと言うより生で見ているみたいだ。
凄いと思った。
レースカーの開発状況などはなかなか伺い知れないしF1の暗部も少しあったりと。
ただ色々な所はツッコミ満載ですが、野暮って事で。
ストーリーとしては駆け出し時代はアイルトン・セナやアラン・プロストなどと一緒にF1で走っていた新進気鋭の若手ドライバーのソニーはレース中の無謀な追い越しに失敗し大事故を起こし車は大破、本人も重症をおってチームから追い出されF1を去る事になった(良くある話)。怪我の治療や精神的ダメージでギャンブル依存症になったが何とかレース界に復帰して色々なレースに出場し賞金を稼いでその日暮らしをしていた。デイトナ24と言う大きな耐久レースでチーム優勝した事から昔のF1の同僚ルーベンが訪ねてきた。彼はF1チームのオーナーをやっており三年間全く勝てなくて下位に低迷しているチームのドライバーをやってくれと頼む。全ての事情はレース業界に精通していたから彼の苦境は知っていた。
下位低迷でドライバーは若手で才能はあるが経験の少ないルーキーのJPだけ。募集を掛けても誰も見向きもしない。8番目か9番目か断られ続けた挙句ソニーに助けを求めて来たわけだ。昔の友人の頼みでもありお金も出してくれるので取り敢えず行く事に。
とは言え30年以上もF1から離れていたのでテスト走行からとなった。手直しした新車のテストとソニーのテストを同時に行い見事F1ドライバーとして採用されたがマシンは大破。空力に問題を抱えており直線はまだしもコーナーでは遅い、しかも他のマシンの巻き起こす風にも弱いと欠点だらけと指摘した。
だがシーズンも半分終わっており抜本的な解決は無理で小手先対応でなんとかするしか無い状況。後半戦で1勝でもしないとチームが売却されてしまう崖っぷち(良くある話)。
しかも弱いチームでありがちなチームの練度の低さ、チームワークの無さ、マシンもポンコツときている。とても勝てるチームでは無い。そんな状況でもレースにはストイックなサニーは卑怯、セコい、ルール違反ギリギリで他のチームから後ろ指を刺されるレースをしても何とかしようと孤軍奮闘。
チームメイトのJPはロートルライバルの出現に気が気では無い。なんせチームが売却されたら自分もチームを追い出される事は確実な上、それなりの走りと成績を残さないと他チームから移籍の声も掛からない。だからおじさんのアドバイスは聞かない。
サニーも自分の事を最優先でチームオーダー(JPに前を走らせろ)を無視する上にマシンは壊しまくりで最悪の状況。
果たしてここからチームは立て直していけるのか?売却か存続か?
1勝でも優勝できるのか?せめて上位位には行けるのか?サニーとJPはどうなるのか?
こんな状況だからチームスポンサーも売却に暗躍し始めて混沌の様相。果たして最後はどうなるのか?
その過程が見所。
最後に、F1だからレースは予選からやって欲しかったですね。尺が無いから予選の様子でも良い。
いきなり本戦で後ろのグリッドからの出走なので察しはつきますが、ちょっと物足りない。
一応名の知れたドライバーは所々名前を呼ばれますが、本人が出ている訳ては無いので。
セナ、プロスト、シューマッハが名前だけでも出てきて黄色いF1と言えば中嶋悟なんだけどな〜
ブラピ素晴らしいっ❣️
レースシーンの映像、大迫力っ🏁
絶対大画面の映画館で観るべき作品です。
Led Zeppelin Whole Lotta Love、RATT Round and Roundから始まり、エンディングのEd Sheeranまで、音楽も良かった〜🎶
そして何よりブラピがとにかく素晴らしい❣️トム・クルーズは最近劣化が目立つけど、ブラピめっちゃかっちょ良かったです😚
ぐっときた
・セリフが所々、察しきれない箇所があった。しかしストーリーも映像もとても良くて感動した。
・前半でソニーが自分の考えを押し通す形でタイヤ交換でソフトじゃないっていって動かなかった。お互いに考えを譲らない状態で動かないとどうしようもないっていって交換を許可していたのがぐっときた。誰も理解していない自分だけの考えが孤軍奮闘で成功する感じが良かった。基本的なルールがよくわからないレースの世界なのに、その手を打ってくるかっていう感じが伝わってくるのが凄いなぁと思ったし面白かった。
・ソニーがボール2個を持って交互に投げたり、トランプの願掛け?みたいのをしたりしていた。あれは、父親から習ったのか誰かから習ったのか気になった。
・人生はお金だけじゃないっていう感じがわくわくした。
何とも言えない凄い時間
フォーミュラカーの軽量化に伴い人間ドラマも軽量化。
F1レースはフォーミュラカーの重量次第でそのレース結果が左右されるだけに軽量化は大きな課題のひとつで各社開発にしのぎを削っている。来年には最低重量が今の重量より30キロも減らされるそうだ。
カーレースにさほど興味の無い人間にとっても「グランツーリスモ」や「フォードVSフェラーリー」などのカーレース映画はとても満足のいくものだった。カーレースファンでなくとも、そこで繰り広げられる人間ドラマに熱くさせられるからだ。
カーレースに情熱をかける主人公たちの思いに感情移入できるから、観客は彼らを思わず応援したくなる。
では本作はそういう作品かというと、個人的にはコシンスキー監督の本作は先述の作品のように主人公に感情移入できなかった。
二時間半の上映時間、これだけあれば主人公の気持ちを理解して感情移入するには十分だと思ってたが、一度も感情移入できずに映画はフィニッシュを迎えてしまう。気づけば万年下位のチームが優勝という快挙を成し遂げていたのを指をくわえて見ていた。そこには特に感動はなかった。
主演のブラピはまさに優勝請負人。レースが終われば風来坊のごとくその場から人知れず姿を消す。かっこいいよね。自分はあくまでも裏方みたいな顔してやはり全部いいとこ持っていくパターン。彼、こういう役回り多いね。
先述の作品が実話に基づいたもので、それに比べて完全フィクションの本作がリアリティーがなさすぎるのはある程度は仕方ない。どんな映画でも噓が混じるのはしょうがないから。
肝心なのはその噓をいかに説得力あるように描き、リアリティーを感じさせて観客を映画の世界に引きずり込むかなんだろう。
F1レースに詳しい人が見たらおかしいとこはいくらでもあるんだろう本作。しかしそんな噓を描きながらも観客に感情移入させれば映画は勝ちなんだと思う。そういう点で本作は主人公に感情移入させれてないところが一番の問題なんだと思う。
レースシーンは俳優たちに実際にフォーミュラーカーを運転させるなどリアリティー追及してるにもかかわらず、肝心の人間ドラマにリアリティーが感じられないのは致命的だと思う。レースシーンにこだわりすぎて人間ドラマに重きを置かなかった、人間ドラマを軽量化しすぎたのが本作の映画としての敗因だと思う。
わざわざ映画鑑賞料金一本分の交通費と割増料金かけてIМAXで鑑賞したけど、久々にハズレだった。トップガンマーベリック見ててかなり期待したんだけど。
自己を追求すると、チームになる
IMAX (字幕)で鑑賞
1990年代前半に数回SUZUKAに行ったことはあり、セナやアレジや右京は大好きだった。しかし2000年以降強すぎる皇帝や地上波撤退でここ20年のF1はほとんど知りません。でも映画での一瞬の赤白のマシンやmarlboroのロゴで、あのアイルトンが愛したマシンだと思うとウルウルしてしまう。
でも平日の今日だけど若い人がすごく多かった。
IMAXの大画面のレーシングシーンと迫力の音響。最近の実際のカメラ映像は知らないが、映画ではチーム2人にフォーカスを当てればいいので、長くじっくり、多分実際にはないだろうカメラワークもありすごく良かった。特にラストの無駄を省き集中するランは感動そのもの。
実在のチームやレーサーも登場するのもリアルさが増して良い。
主人公Sonnyはもはやソニーではない、ブラッド・ピット本人がマシンを操りレースをする。No CG,No stunt Double.じゃないかと思いたくなるぐらい。ブラッド・ピット60歳(撮影時)だからこそ成し得た、他の人では成り立たない映画。
クレジットでは洋画では珍しくブラピのオフロードレースが楽しめる。
ミュージックリストも出るけど一曲忘れているよね。
私の心の中で流れている曲、そう、
‘THE SQUARE’の “TRUTH” (オリジナルは改名前のTHE 〜)。
シンプルでよい映画。そしてかっこいいブラピ。
セナ、マンセルらF1を楽しみに夜中まで起きてTVを
観ていた事をこの映画観ながら思いだしていた。
過去の回想シーンで出てくるCAMELのロゴが入った黄色い車体。
丸いステアリングホイールにバックミラー。
その時代に活躍していたソニーヘイズ(ブラッドピット)が
デジタル化、システム化された現代のF1に舞い戻ってくるわけだ。
現実あり得ないだろうが、これはブラピならではの役だなと思った。
サーキットを歩いて登場してくるシーンはさすがかっこ良かった。
アナログで不器用な感じで、片やジョシュア・ピアス(ダムソン・イドリス)
は対照的で現代的でおぼっちゃま。この親子ほど離れた二人が勝利の為にクライマックスを
迎えていくあたりシンプルでとても良かったと思う。
そしてラストのアブダビサーキット、ラスト1周は凄まじいまでの
緊張と興奮に包まれる事は間違いない。
本当にシンプルで良い映画だった。
それとルイス・ハミルトン氏がプロデューサーになってバックアップ
している。その本物のF1のリアル感、臨場感も半端なかった。
カーレース映画としての面白味を感じられない
見てる最中にスタローンの『ドリヴン』を思い出した。
あの映画の思い入れが強かったからか今作の『F1』は二番煎じな感じがしていまいちハマれなかった。
もちろんCARTとF1の違いはあるけど、ベテランとルーキーの人間ドラマはむしろドリヴンのほうが上手く描いてたと思う。
アメリカ映画ならF1より下位のチームが下剋上可能で且つトップスピードで勝る米国のインディカーを舞台にした方がブラピのキャラと相まって説得力があった気がする。
モータースポーツの中でもチームの資金力、マシンの性能・開発技術、スポンサーの政治的な要因に大きく左右される欧州のF1において本作の物語はちと無理があると思いながらも、現実にありえなくないギリギリのラインは担保しており、そこは現役のドライバーを監修につけただけのことはある。(かなりムリめな部分もあるけど...)
ただ、かたき役というか主役二人に立ちはだかる超えるべき明確なチャンピオンが本作には登場しないので映画として正直見ててあんま面白くない。
フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトン、アロンソなど実在のトップドライバーは出てくるものの、役者ではないからか殆どセリフもなく、話に絡んでこないため、どのレースシーンも若手のジョシュアピアスとブラピ演じるソニーヘイズの二人がぶつけ合って自滅してるだけに見えてしまい盛り上がりに欠ける。
最後のアブダビGPでのピアスとハミルトンの一騎打ちだけはアツかったけど、結局最後はブラピなのかって思っちゃったし、あのソニーの独走からのチェッカーフラッグは個人的にかなりがっかりだった。
チームごとのマシンの性能差が大きいF1では派手なオーバーテイクが起きにくいっていうのはわかるのだが、カーレース映画のラストはやっぱしマシン同士の激しいデッドヒートが見たい。
もういくつかライバルとなる架空のチーム・ドライバーを登場させて主人公たちとの優勝争いを描いた方が断然面白かったと思う。
本作はブラピによるF1の宣伝映画って感じしかしなかった。
F1はV10、V12の時代が好き。
楽しめました
この手の作品によくある、生意気な若手と凄腕の古株の対立という王道のパターンに加えて、予定調和的な展開で先は読めてしまいますが、変に捻くれていて分かりづらいよりは、頭を空っぽにして楽しめる良い作品でした。
また、ブラピの年齢ではちょっと無理があるのではと心配していましたが、M.I.のトムクルーズの様に「無理してる感」がなく、相変わらずカッコ良かったです。それに、ブラピ以外のキャストも皆さん魅力的でした。
映像に関しても、高速なドローンが開発された事により、以前よりも迫力がある映像が撮れる様になったと思います。また、本物のF1レーサーが出演していた事で、よりリアル感が増していたと思います。
追記
私の気のせいかも知れませんが、最近主人公の相手役に起用される女優さんは本作のケリー・コンドンやレベッカ・ファーガソン、カトリーナ・バルフなど雰囲気が似ているような気がする…と思ったら皆さん北欧系の方でした。
傑作でした
フォードvsフェラーリとは全然違う
そもそも実話ではないこの話.
やはりそれだから上手く作られて、あのラストになるわけだ.
正直言うとブラピが結構な無責任な奴で、余計
腹が立つ.
そして何よりハビエルバルダム.
彼が1番本当に良かった.本当に凄い俳優です.
マジで大好き
久々にスカッとした❗️
派手で臨場感あふれる映画を堪能した。
とにかくブラピがかっこいい❗️眼福でした。
ファイナルレースも、若手を優勝させるのかと思いきや、なんとも憎い結末。痺れました。
そうだよね、若ければ未来があるから。納得。
ラストの砂漠を走る主人公の、心から愉しんでいる表情が良かった‼️
久々にスカッとして劇場を後にしました。
●断然IMAXがおすすめ!視界いっぱいに広がる大迫力の映像と音、そして振動。匂いの再現は難しくても、これはサーキット体験にかなり近いのではないでしょうか?
モータースポーツの最高峰である「F1(R)」に挑むレーサーたちの姿を、ブラッド・ピット主演で描いたエンタテインメント大作。監督のジョセフ・コシンスキー、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、脚本のアーレン・クルーガーら「トップガン マーヴェリック」を手がけたスタッフが集い、F1(R)の全面協力を得て、グランプリ開催中の本物のサーキットコースを使って撮影を敢行。世界チャンピオンにも輝いた現役F1(R)ドライバーのルイス・ハミルトンもプロデューサーとして参加しています。
●ストーリー
かつて天才と呼ばれたものの無冠のレーサー、ソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、引退を拒み、バンで生活しながら決して一か所にとどまることなく各地を転々としていました。1990年代にはチーム・ロータスからF1に参戦していた時もありましたが、スペイングランプリでのクラッシュにより重傷を負い、彼のF1キャリアは幕を閉じてしまったのです。その後はギャンブル依存症に陥り、現在はレースからレースへと渡り歩く生活を送っていたのでした。
そんな彼がデイトナ24時間レースで優勝した後、かつてのロータス時代のチームメイトであり、現在はAPXGP F1チームのオーナーであるルーベン・セルバンテス(ハビエル・バルデム)から声がかかります。APXのセカンドドライバーがシーズン欠場となったため、セルバンテスはヘイズにテストドライブの機会を提供したいというのでした。
ただしAPXは最下位に沈んでいて、今シーズン中にチームが1勝も挙げられなければ、投資家により自分が解任される可能性があるとセルバンテスは明かすのです。
F1で低迷しているチームであることを承知のうえで、セルバンテスは職を懸けてヘイズに賭けたのでした。ヘイズも渋々ながらその賭けに乗る決意を固め、残り9戦に挑むこととなるのです。
枠にとらわれないソニーの行動は、自信家で若きレーサーのジョシュア・ピアス(ダムソン・イドリス)をはじめ、チームメートとの衝突を生んでしまいます。
しかし次第にソニーの圧倒的な才能と実力にチームの面々は導かれていきます。ソニーはチームとともに過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵を相手に命懸けで頂点を目指していくのでした。
●解説
反発するルーキーと自分のスタイルで筋を通すベテランの関係を軸に、同じプロデューサー、監督、脚本家が手がけた「トップガン マーヴェリック」を思い起こさせる熱い物語が展開します。
驚くことに撮影では、運転技術を磨いたピット自身がグランプリ開催中に本物のサーキットを走行したというのです。
最近、別作品でまもなく63歳になるトム・クルーズの超絶アクションに驚いたばかりですが、61歳のピットも負けていません。自らマシンのハンドルを握り、時速300㎞超にもなる走行シーンをこなしました。
俳優として、自らを刷新し続ける覚悟に頭が下がる思いです。行く先々でもめごとを丸く収めては、気の向くまま流れていく。ピット演じるソニーには西部劇のすご腕ガンマンに通じる自由さと無頼性があります。現在地に安住しない開拓者精神に、見る者も鼓舞されずにはいられません。哀愁と色気、危うさと余裕を併せ持つピットの魅力が、全編でさく裂しています。
練られた王道の展開とハンス・ジマーの音楽も最高に気分を盛り上げます。全方位的に大満足のハリウッド大作となることでしょう。
最弱チーム、落ちぶれた人物の復活、仲間とのトラブルに恐れ知らずの荒唐無稽な作戦と、ハリウッドが大好きな大逆転劇の要素満載。こんな主人公を堂々と演じられるのは今や希少になった正真正銘のスター俳優だけ。60歳を過ぎ、純粋さを残しつつも渋みや年輪が加わったブラピの新たな代表作となりました。
特に強調したいのは、スター映画でありながらチーム一丸となって戦うモータースポーツとしての醍醐味もしっかり描写されていることです。これまでのレース映画は主人公の超人的な活躍やマシンの高性能さにスポットが当てられてきました。しかし本作では、チーム対抗の頭脳戦とも言えるFIレースの醍醐味がたっぷりと詰まっていることです。技術の結晶であるマシンももちろん重要ですが、緩急の巧みさといったレース戦略が結果を左右することが本作では明らかにされており、今後のレース観戦の見方をガラリと変えることでしょう。。
それにしてもレースのルール違反すれすれを狙って、いろいろ仕掛けるソニーの戦術には唖然としました。しかもどう見てもとっさに思いついたヤマ勘と思いつきによる出たとこ勝負にしか見えません。しかし、彼の作戦は一定の理論に基づいてたから驚かせられました。多くの失敗と事故で壊れかけたチームの風向きは、彼の作戦により次第に変わり始めるのです。
なお本作のモデルはマーティン・ドネリーであり、彼のレース人生が色濃く反映されています。テロップの終わりには、彼への謝辞が添えられていました。
●感想
ベルギー、アブダビ、モンツァ、日本の鈴鹿と、各地を転戦するシーンは祝祭感にあふれています。その裏でうごめく陰謀、命がけの駆け引きといったサーキット内外のドラマが描かれ、恋愛的要素も盛り込まれているのです。アーレン・クルーガーと監督の共同脚本は欲ばり過ぎなのかもしれません。でも、お決まりの展開が気にならないほどにコンマ数秒を争うスピードの世界に引き込まれてしまいました。
ところでこれまでのレース映画のなかにあって、本作のソニーという風来坊ドライバーほど勝ちに意味を求めない人物も珍しいのではないでしょうか。
ツキが落ちるといって優勝杯にも触らず、所詮はギャンブルだとでもいうように験担ぎにトランプを1枚ポケットにしのばせています。
金が目的でないなら、なぜ走るのかとソニーが問われるシーンが2度あります。彼はただ「やれやれ」といった表情を見せるだけでした。レースをするのはレースがあるからで、彼からすれば、その問い自体が無意味なのでしょう。彼の陽気なニヒリズムを、ピットのスター性が支えます。
過去のレース映画では、あれこれ意味が糊塗されてきましたが、本作はむしろその競技の無償性を描いています。華やかなF1の舞台を根こそぎ否定しても、映画として成り立っているのは、ひとえにピットのスター性に負うところが大きいと思います。
映画は、ソニーがデイトナ24時間レースで勝利するところから始まり、バハの砂漠レースに向かうところで終わります。F1という晴れ舞台も、彼にとってはあくまで通過点なのでしょう。ピットが歩くロングショットがやはり2回繰り返されます。ゆったりとした足取りが余裕と達観に満ちていました。それは、どこまでもすがすがしいのですが、これまでのレース映画のエンディングを大きくひっくり返していると思います。これはネタバレではありませんので、どう大きくひっくり返しているか、ぜひ劇場で感じ取ってみてください。
●断然IMAXがおすすめ!
レースの臨場感を再現するため、FIが全面協力。製作も兼ねたルイス・ハミルトンをはじめFI界のそうそうたる顔ぶれのトップレーサーが多数特別出演しています。それだけにレースの臨場感は折り紙付き。巨大スクリーンと優れた音響で見るべき快作です。
IMAX上映はただサイズを引き伸ばしたというわけではなく、本作ではIMAX専用カメラで撮影されており、通常の35mmの4倍の面積を持つ70mmの大判フィルムで撮影されています。それだけにフレームごとの情報量は多く、高解像度の映像が楽しめます。場内の照明が消え、映写機が回り始めれば、気づいたら気持ちはスクリーンの中。時速300kmの世界へと誘われることでしょう。
また監督を務めたジョセフ・コシンスキーは、映像技術をトップガン最新作のさらに一歩先へと押し進め、劇中車には通常のF1国際映像で使用される画角の他に、遠隔操作が可能なSONY製の小型カメラを4基搭載し、生のスピード感を捉えたそうです。視界いっぱいに広がる大迫力の映像を前に、ブレーキングのシーンでは、思わずブレーキペダルを探して足を踏み込みそうになりました。まさにそれほどの臨場感を感じたのです。
さらに臨場感において、音は欠かせない存在です。IMAXでは強力な音響システムが採用されており、耳だけでなく、身体が震えるほどの音圧を肌で楽しむことができます。もちろん通常版でも大いに楽しむことは可能ですが、やはりF1を体感するなら、最高のパフォーマンスを引き出せるのはIMAX版でしょう。そしてハンス・ジマーの音楽が奏でる重低音がさらなる高揚感をもたらすのです。
迫力や音、振動に匂い……レースの魅力を全身で味わうにはサーキットで体感するのが1番だと常々言われてきました。それは間違いではありませんが、サーキットは基本的に遠方に位置し、故にモータースポーツは身近な存在になることが難しいとされてきたのです。
IMAXを通して感じた、視界いっぱいに広がる大迫力の映像と音、そして振動。匂いの再現は難しくても、これはサーキット体験にかなり近いのではないでしょうか?
全820件中、481~500件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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